GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

カンボジア人のギャンブル

2014-07-04 20:20:30 | 社会

ベトナムとの国際国境ゲート近くには何処でもカジノ・ホテルが立ち並び、プノンペンでは「ナーガ・ホテル」のカジノが多くの観光客を集めているようでした。ベトナム人の賭博好きはかなりのもので、サッカーのWカップが盛り上がるのも賭けの対象となっているからかと思えるほどです。地方では税収より宝くじ収益の方が多い省も少なくはない筈。旧正月には闘鶏やトランプ博打に明け暮れてるし。

それとの比較ではカンボジアでは宝くじもないし、公営ギャンブルというものを目にしません。旧正月などには市場などでトランプや双六などで賭ける姿はありました。プノンペンで生活していた頃には行きつけの食堂が土曜日になると満席の大繁盛でした。TVにはタイのキックボクシングが映し出され、ひっきりなしに歓声が上がります。リングには「ISUZU」文字があり、タイの何でこんなに盛り上がるんだ?と不思議に思いました。カンボジアのキックボクシングの試合中継もTVであるのに。が、紙幣を遣り取りする姿を見て納得。どういうシステムなのかは分かりませんが試合が賭けの対象となっていたわけです。

6月は昼食時に雨が降る日も多かったので暫く食堂へ通わず自炊してました。しかし自炊の貧弱なレパートリーは栄養不足になりかねないように思え再び食堂通いを復活。食堂のオバサンはてっきり日本に帰っていたものと誤解してましたが。食堂の向かいの家が改築中で、そのため食堂に机を一つ置いて向かいの家の女性が商売をしてました。客が来てお金を払い、引き換えにノートを切り取った紙片を持ち帰っています。何の商売なのかさっぱり分からず不思議に思っていたところ、先日机の上の紙を覗いたところ「Xo so TP.HCM」とか「Xo so Mien Bac」とかの文字が見え、ベトナム宝くじの当たり番号のような数字が並んでいました。

しかし、取り扱っている人はベトナム語も分からない様子。国境ゲート近くではベトナムの宝くじ売りが商売していることもありました。しかし、ここでは宝くじの現物はないので、単にベトナムの宝くじの当選番号を対象にした賭博みたいなものなのかも知れません。公然とこんな賭博行為が認められるのならいっそのこと宝くじ販売を許可した方が健全のような気もするのですが。


モンドルキリで当局が住居を破壊

2014-06-18 22:44:25 | 社会

プノンペン・ポスト紙にモンドルキリ州での不法占拠住居を当局が破壊したとの記事がありました。

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今週、モンドルキリ州スラエプレア・コンミューンで50以上の家屋が当局によって破壊もしくは損害を受けた、と昨日住民らは語った。

Saron Soneng(40才)は、月曜日に国家保護管理地区を不法占拠していると主張する当局が、彼女の家と4ヘクタールのキャッサバを消失させた、と語った。

「わたしたちもカンボジア人です・・・当局はわたしたちが自分の家に住むことを許可すべきです。今わたしたちはお寺以外に行くところがありません」

住民のPuy Hor(48才)は、彼は壊された家に戻った。

「当局は家と畑の損害を賠償すべきだ」と彼は言った。

人権グループAdohocの」コーディネーターSok Rahaは、「家屋の破壊は問題を解決しない」と語った。

「当局が合理的な解決策なしに住民の住居を破壊することは人権を侵害する」と言う。

しかし、Keo Seima地区のSin Van Vuth知事は、当局には他に選択肢がない、と語った。

「我々は彼らを強制的に移動させる。もし彼らが適切な書類を完成させて州事務所に持って来たなら、当局は居住のための社会的土地使用権を認めたかも知れない。しかし、彼らは申請書類を完成させていない」と彼は言った。

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Koe Seima地区はモンドルキリの中でも最も南に位置し、クラチェ州スヌウル地区と接する地域です。地図を見るとコンミューンは5つしかないので、スラエプレアもかなり広い面積のようですが、人口は1,500名ほどかと。国道からは離れた地域のため行ったこともなく、また行くのも大変そうな場所です。

2011年の統計を見るとカンボジアの耕地面積は400万ヘクタール。日本のそれは425万ヘクタールとなっています。国土面積と人口比を考えるとカンボジアの農業の可能性はかなり期待できそうな気もして来ます。しかも日本の耕地は減少しつつあるのに対し、カンボジアでは拡大傾向。モンドルキリ州ではベトナムや韓国など自国の耕地が限界に達した国々の長期土地使用権取得によるゴムや胡椒などのプランテーションが建設されています。

プノンペンへの人口流入は、今月末にイオンモールが開店するほどの購買力を作り出しているみたいですが、他方では人口圧力は地方での農地開拓へと向かわせているようです。数年前までは7割が先住民族と言われていたモンドルキリ州でも日々クメールの人々の流入が盛んです。国道76号の延長整備が進む中で更にこの傾向は加速されているようです。

近所を見る限りでは、「親戚を頼って」遣って来る人々が多いみたいです。たぶん、親戚縁者の伝手なくコネなく金なく・・という人々が政府管理地の「不法占拠・開拓」を担っているのでは、と推測するわけですが、この記事を読む限り「But they did not complete the application」と申請が完璧でなかったことが当局の言い訳になっているので、単に手続き上の問題のようにも考えられます。

外国企業には長期使用権を与える土地はあっても貧しい農民には申請が不十分だからと住居や畑を破壊するということなのでしょうか?

 


ベトナムの「ナショナリズム」

2014-05-16 06:19:41 | 社会

ベトナム中部ハティン省での暴徒化したデモで21名が死亡したとのローイター報道が日本のメディアにも載りました。しかし、ベトナムのメディアでは省副主席の発表として死亡1名、負傷者149名、破壊行為に参加した76名を逮捕した、とされています。

どちらが真実に近いのかは分かりませんが、激しく破壊されたFOMOSA工場は台湾系であり、報道によると多くの「中国人」が働いてたとあります。資本が台湾であっても労働者の多くが「中国」からの出稼ぎであったのかも知れません。1998年のインドネシアでの反華僑暴動は記憶に新しいところですが、ベトナムでは近世の18世紀後半から19世紀初頭に掛けての「タイソンの乱」の際に大量の華僑虐殺があったようです。一時は政権を握り、ベトナムのナポレオンと呼ばれたグエン・フエが中国まで攻め入ったわけですが、白血病による急逝で瓦解し、フランスやタイの支援を受けたグエン朝の樹立に至ります。グエン・フエは未だにベトナムの英雄としてHCM市中心部の通りのその名を残し、ハノイではQuang Trung通りとしてその名が残されています。

戦前の日本による中国侵略と朝鮮植民地支配が未だその傷が癒されずに問題とされるわけですが、中国によるベトナム支配は1千年。新しくは1979年に中国軍の「懲罰戦争」もありました。中国からベトナムに遣って来てベトナム社会に同化した人々もかなりの数に登ります。しかし反中国感情は根強いものがあるようです。ベトナム政府による反中国教育が行われているとは思えませんが。

日頃の低賃金労働の不満が一気に爆発したものと思われますが、カンボジアでも縫製労働者のストライキの際は、中国人管理職の不適切な対応が油を注いだようです。もっともカンボジアでは未だに反ベトナム感情は強く、野党救国党の党首サムレンシーは、ベトナム・中国対立には中国を支持するとまで公言しています。反ベトナム感情に依拠しようとするところはポルポトのそれと変わりません。未だにベトナム人の店が襲撃されるニュースも続いています。

「ナショナリズ」とは何なのか?力なき貧しき人々の最後の心の拠り所、と思えて仕方ありません。もっともかく言う自分も250万ドンの罰金を支払わされたからか、今日トンニャットスタジアムで行われるアジア女子カップの日本-ベトナム戦では日本の完膚無きまでの圧勝を心から望んでしまいます。


カンボジアからベトナムへのタバコ密輸

2013-03-03 20:47:43 | 社会

先月のことですが、プノンペンポストに「カンボジアからベトナムへの大量のタバコ密輸」に関する記事が掲載されてました。「Hero」を吸っていた身には実に興味あるテーマですが、文章がやたら長いので暫く読まずにいたわけですが、やはり気になりました。何しろタバコのパッケージにバーコードの印字すらないため文字通り出所不明で、原材料不明の中国製密造タバコなのだろうか、などとも疑っているところでした。

          Cigarette smuggling from Cambodia to Vietnam abounds

カンボジアで最も著名な2人の実業家によって流通されている2つのタバコのブランドは、カンボジアからベトナムへ年間3億箱が密輸され、煙草企業に毎年2億ドルの損失を与えている、と貿易資料と専門家は明らかにしている。

「Hero」と「Jet」、毎年数10億の不法に国境を越えているとべトナムはタバコ協会(VTA)は推計している。

VTAによれば、2011年には114億本のタバコがカンボジアからベトナムに密輸され、ベトナムのタバコ産業に1.71億ドルの損失をもたらした。少数の密輸摘発が行われると共に2012年には129億本に跳ね上がり、損失は1.93億ドルに上ると業界団体は予測している。

密輸タバコはベトナムの35億箱~38億箱の年間消費量の中、18~22%を占める、VTAは2011年の市場分析の中で述べている。

「もしベトナムの国家が違法タバコを根本的に防止する効果的な方法を持たないなら、ベトナムのタバコ産業は短期間のうちに国内市場での中心的な位置を維持するのに困難な状況に直面する可能性がある」と、VTAの分析は述べている。さらに、「違法タバコの状況進化は、年間2億ドル以上の外貨を流失させており、2010年には36億ドンの国家税収損失をもたらしている」と続けている。

カンボジア-ベトナム国境を越えるタバコ密輸横行への対処としてVTAは、ベトナムのメディアを通して状況を公開する一方で政府に対して密輸への厳格な取締の改革を働き掛けている。

「カンボジア、ラオス、中国との国家レベルでの交渉過程で、ベトナムは国境を越える違法かつ不法なタバコ取引(特にカンボジア国境)との闘いへの協力に注意を向けるよう示唆されている」とVTA事務局長のPham Kien Nghiepはメールの中で述べている。

しかし、違法な取引はまた地元市場にとっては魅力的である。ARAや555を生産するブリティッシュ・タバコ(BAT)は、カンボジアでの不法タバコ取引は3,000万~4,000万ドルのタバコ産業の価値から年間1,600万ドルの利益を生み出していると予測している。

「カンボジアと地方産業のある部分との不法な中継貿易への無力な管理は、徴税の不能を含め、地方産業が規制に従わず持ち込まれた密輸と競争することは不可能である」とBATのスポークスマンはメールで述べた。

先週の再三にわたる電話やメールでの試みにもかかわらず、Ly Yong Phatや他の会社の代表からのコメントは得られていない。

Theng Bunmaは、現在タイの病院に入院中のため連絡が取れない。

JetとHero、二つの問題のブランドの起源はその貿易と同様に暗闇に覆われている。Heroのロゴの側面下には「ハドソン・タバコ、ロンドンのライセンス下に生産」との文字がある。しかし2010年の英国ベースの商標の公的ファイルには1985年設立以来ハドソンはビジネスを行っていない。

それにもかかわらず、2010年からの幾つかの船積書類は、Hero King社が、インドネシアを拠点とする貿易会社,Ptタバコ社からの数万カートンのHeroタバコのプノンペン港での荷受人となっていることを示している。

Hero King社はLYGグループの子会社であり、カンボジア商工会議所のウェブサイトによると、その子会社のCEO兼会長はLy Yong Phatとなっている。

トムソン・ロイターの子会社であるトムソンコンピューマークによると、英国タバコ・ブランドのJetは、Theng BunmaがオーナーであるThai Boon Roong社にライセンス供与されている。

船積書類は、インドネシアの貿易会社Ptスマトラ・タバコ社もまたJetタバコの重要な流通業者でシハヌーク港とプノンペン港を通してThai Boon Roong社に販売していることを示している。

マレーシアの船積サービス会社ハブ・シッピングSdn Bhdのこれらの船積書類、インドネシアからシハヌークビル港へのスマトラ社のインボイスは、1.41億本のJetブランドタバコ150万ドルが支払われたことを示している。

2010年からの船積書類はまた、Hero King社はプノンペン港でのheroタバコ数万カートンの荷受人だったことを示している。

輸入し、プノンペンの各工場に分配し、この二つのブランドはカンボジア市場に公然と受け入れられる。それらは、インドネシア、中国、マレーシアから輸入された他の違法タバコと共に並べられている。

国際市場調査会社、ERCインターナショナルPlcの2008年統計によると、カンボジアは45億本のタバコを生産する他に計227億本のタバコを輸入した。これらの中、5.25億本は合法的に輸出され、64億本は消費された。202.7億本が不明である。
2000年と比較すると、200億本近くが生産または輸入され、700万本が消費または輸出されて111.5億本が不明であることが同じ資料から判明する。

カンボジア―ベトナム国境を越えるタバコや他の商品密輸に対処するため税関と消費税局は、ベトナムとの間で2011年4月に国境での取り締まり強化の覚書に調印した。

世界保健機構もまた政府にタバコ密輸の予防を働きかけている。WHOは政府にタバコ税収を増加させるものとして説得を試みている。

「確かに密輸は既に喫煙問題に貢献している。余りにも安価なため、喫煙するかどうかの正し判断を妨げている」と、WHOのカンボジア代表Peter Van Maaren医師は述べた。

カンボジアからベトナムへのタバコ密輸は、税金の大きな差があるため転売時点で価格を上昇させるので有利性を持っている。 政府は以前、農民を失業させるリスクを増大させるためタバコ税を上げることはできないと語った。

Van Maarenは、タバコ税の引き上げはそのようなシナリオをもたらさないだろうと言う。
「税を上げることで農民への影響があるとのカンボジアでの論議は事実ではない。われわれが見て来た似たような低開発国での例では殆ど影響はなかった」と、彼は言う。

カンボジアのタバコ流通業者は政府の悪名高い低評価に基づく関税と消費税を払わねばならない。これらは、7%の輸入税、10%の輸入に関わる消費税、10%の付加価値税である。

現行の消費税の枠組みで、カンボジアは世界で最も安いタバコ税で10%であり、トルコは65%、ベトナムは32.6%、イギリスは81%である。

最近の正規のタバコ輸入の減少によって、税関と消費税局は2年前の4,661万ドルから、2011年には4,065万ドルと12.78%収入を減少させた。

税関当局は、JetとHeroはカンボジアへの輸入関税を支払っていると言うにもかかわらず、経済・財務省によるタバコ評価価格はより一般的な銘柄と比べて実質的に低いことを示しており、タバコ加工業者に、これら銘柄が特別扱いを受けているのではないか、との疑念を抱かせている。

昨年の財務省税関局数値によれば、JetとHeroはケース当り又は500箱当り67.50ドルであり、一方市場で売られている他の銘柄、マルボロや555は、ケース当り100ドルである。

この矛盾、またはHeroとJetは日常的に税支払済みシールを貼らずに販売されているのかの説明を求めたが、税関総局との副主任と消費税局の広報部門は、知らないとだけ答えた。


コンポンチャム州メモット地区

2013-01-17 00:01:42 | 社会

久しぶりにプノンペン・ポスト紙のサイトを開くと、コンポンチャム州メモットのベトナム国境近くに新しい「市場」が建設されるとのがありました。

そんな所に市場つくっても閑古鳥が鳴くだけだぜ・・・というような内容ですが、たぶんその通りだと思います。だけど、そんな客が来そうもない市場の建設費を何故ベトナム政府が負担するのかがポイントなのかも、とも感じました。

先月の「一村一品運動」展示会でコンポンチャム州のブースには胡椒生産農民協同組合(DAR-MEMOT PEPER FARMERS COOPERATIVE)の展示がありました。ドイツのNGO(たぶん)の支援を受けた活動だそうです。メモット地区では2,174農家が胡椒を栽培し、1農家当たり平均栽培面積は0.5ヘクタール。EUへ輸出しているのでは、と思います。

   

・・・などということを思い出したわけですが、この記事を読んで改めて感じるのは、「国際国境ゲート」でない国境ゲートでは、現状、輸出入手続きなしでキャッサバなどの農産物の国境通過が行われていることを半ば当局が認めているということです。

New market to open at Vietnamese border

カンボジアとベトナム両国の当局は先週、コンポンチャム州メモット地区で、国境貿易を促進するこの地域初となる市場建設の起工式を開催した。

国境通過口近くに建設される新市場は、商品流通と保管にとって便利な場所であり、ベトナムとの貿易を拡大するだろう、と当局者は語っている。

両政府は、二国間貿易を2015年には50億ドルにまで引き上げることを約束している。在カンボジア・ベトナム投資協会の資料によると2012年時点で124の投資プロジェクトがあり、、投資額は総額25億ドルである。

コンパンチャム州政府の商業部門の副部長Chheang Chhayによると、新しい市場はカンボジア政府によって実行されるが、ベトナムは建設のために100万ドル以上を約束している。

1,600平方メートルの面積を持つ市場の建設が始まっているにも拘わらず、彼は、正確な建設完了時期やそこに置かれる商品の詳細については明らかにしなかった。

Cham Prasidh商務大臣によると、国境通過口は将来、国際国境ゲートに格上げされ、物資の国境移動を可能にする。「国際国境ゲートに格上げされると、不法または許可のない物資は法律によってチェックされることになる」と彼は語った。

現在、国境を通過する物資のほとんどは、キャッサバや他の農産物である。国境口が国際ゲートになると旅行者は舗装路で国境を越えることができるようになる。

新市場近くの胡椒農家でありトレーダーでもあるPeng Kouyは、この地域は市場以外はとても閑静だと語った。「もし市場が完成したとしても、あまりにも閑静過ぎて短期的には成功しないだろう」「現時点では物を売るには閑静過ぎる」と彼は言う。


ビエンホア工業団地のデジカメ工場

2012-12-27 00:18:31 | 社会

パナソニック、三洋電機のデジカメ事業をアドバンテッジに譲渡へ 

とのニュースがあり、三洋DIソリューションズとインドネシア工場の関係部門が「数億円」で売却されると書かれていました。ベトナムのビエンホアにあった工場が書かれていないので不思議に思い検索すると、

5億円着服、愛人に ベトナムで邦人男に禁錮20年

との記事の中ですでにベトナム子会社は「清算済み」と書かれています。わがニコンP6000が生産された工場が消えてしまっていた、というかビエンホア工業団地の日系企業一社が失われたということに何故か寂しさを感じました。

Sanyo DI Vietnam社は、今年4月アメリカに本社を置くON Semiconductor に売却されたようです。

この記事の下には日本でキャバ嬢に5億円を横領して貢いだ男に懲役7年との記事もあり、日本なら7年でもベトナムでは20年・・・などと刑量の軽重を思いつつ、しかしベトナムでの判例からすると死刑であっても不思議でない横領額でもあります。

7月にはアグリバンクの支店幹部が450億ドンを横領した事件で一人に死刑判決、2人が終身刑になっています。

http://tuoitre.vn/Chinh-tri-xa-hoi/Phap-luat/499876/Tu-hinh-nguyen-can-bo%C2%A0NH%C2%A0tham-o-45-ti-dong.html

起訴状によると横領額はそれよりも多い1,325億ドンと53万ドル。現在のレートでは総額5.7億円ですが、2009年当時のレートだと7億円を超える額です。ロイターの記事にある売却額が本当なら会社の資産価値以上を横領したということになりそうです。

ベトナムの新聞社サイトで記事を探して読むと幾つか疑問に思いました。

http://tuoitre.vn/Chinh-tri-xa-hoi/Phap-luat/525562/Lay-tien-cong-ty-tang-nguoi-tinh-tu-20-nam.html

昨年11月に最初の公判が開かれたわけですが、その時はおそらく公判初日に公判書類の不備で差し戻し(起訴状の内容に矛盾が多すぎるということのようです)となり、記事になったわけです。

http://tuoitre.vn/Chinh-tri-xa-hoi/Phap-luat/462093/Tra-ho-so-vu-giam-doc-va-nguoi-tinh-om-tien-tron.html

しかし、今回はいきなり判決の記事が記載され、しかも求刑の刑期には触れられていません。前回の起訴状内容を修正した点は、推測ですが、日本人の被告が横領を認めつつも横領額全額を愛人に渡したとし、ベトナム人の愛人が共犯として扱われながらも彼女はお金は借りただけでまだ返し終わってない金額が残っているだけ、しかも小額である、との主張が起訴状に盛り込まれていたのでは・・・。

したがって、今回検察は日本人元財務・人事部長の横領の裁判と愛人の裁判を分離し、彼女とその関係者を「他人の犯罪によって得た財産の消費」罪で起訴したとのことです。

被告は起訴内容の横領を全面的に認めたものの全額を愛人に渡した―彼女に捨てられたくなかった、との主張のようです。会社一社の資産相当額をすべて「愛」ためにつぎ込んだ、というのはそれはそれで立派なことですが、それがギャンブルに消えていたというのは腑に落ちません。

会社の金に手を付ける前にカラオケだかレストランの開業資金に自分の金5千万円ばかりを彼女に貢いだ、とされています。

わが偏見によると、大体が財務担当なる人々、更に人事も兼務する人物となるとケチもケチ、ドケチで手のつけられない性悪になるものです。職業柄でしょうか。したがって、彼は大して美人でもなく性格も悪い愛人に直ぐに飽きたとして、心残りは失った5千万円。それが惜しくなり、この返済を彼女に要求し、彼女はカジノで取り戻すからと居直って横領を強制したとか。たぶん的外れな推測とは思いますが。

新聞に掲載された写真を見る限りは、愛を繋ぎ留めるために金を注ぎ込むようなタイプの女性には到底見えないわけで、日本のキャバクラ嬢のほうが余ほどランクは上かと。損失を取り戻そうとしてギャンブルや不正の泥沼に嵌り込む話は言わば定番ですからその方が納得し易い要因かと。

3年前に彼女はマカオから帰る便がハノイに着いて逮捕され、男性はカンボジアに逃亡しプノンペンの大使館に出頭したとのことです。愛の逃避行でなかったことがその時点で知れてガッカリさせられましたが、彼女の海外賭博への通貨持ち出しが何故罪に問われないのかも疑問。現行犯逮捕でなければ犯罪として成立しないということでしょうか。また、被告がカンボジアの大使館に出頭したというのはベトナムからの不法出国だったのでしょうか?パスポートが無効にされていればベトナムに戻れなかった理由として理解できますが。

30年以上も日本のサラリーマン生活を送った50代の人間が一人で海外逃亡生活を送るというのはかなり厳しいものがありそうです。クメール美人の愛人はできなかったのでしょうか?

判決は、20年の刑(日本のように懲役刑と禁錮刑の区別はないようです)と共に会社への全額賠償が判決には記されているとのこと。「清算済み」の会社に対して?

そう言えは10年ほど前、借りていた部屋で盗難に遭い、大家の息子が麻薬を買う金に困ってのことでした。3区の裁判所で、1年の刑と共に私への損害賠償が判決文に記載されました。しかし1ドルたりとも賠償されずに終わったのを思い出しました。

20年の判決とは言え、犯罪者が多すぎてで刑務所も満杯状況が続くベトナムでは毎年大量特赦が行われているため模範的態度であれば刑期の半分でその対象となるようです。未決通算も全日数だったとか記憶しているので、残りは後7年。日本での横領判決とちょうど一致するのは偶然でしょうか?

 


クラチェのテント村

2012-12-05 19:31:23 | 社会

クラチェ州スヌオル(Snuol)の74号線の脇に先週末、テントが張られていました。最近造成されたような土地で、何が建設されるのだろう?と今年2月に通った時も気にはなった場所でした。付近には政権党である人民党の看板も立っていたので、その関係施設だろうか、とも思ったわけですが、この日はキャンプ用のテントが幾つも張られ、何かのイベントが行われるようで、観光バスも6台ほど停まってました。

              

74号線から76号線に折れると直ぐにまたテントが見えました。しかし、こっちのテントはだいぶ趣が異なり、人々が居住するテント村。

              

野生動物保護区サブステーションの看板が建てられているのですが、テント村との関係があるようのは思えません。

              

クラチェの他の場所から移住し、1年前から350名ほどが暮らしているそうです。池にはアヒルが泳いでました。350人の胃袋を満たすには余りにも少ない数でしたが。何故移住することになったのかは、わかりません。

              

衛生状態に問題がありそうなことは言うまでもありません。水は4mの井戸が一つあるとのこと。

              

近くにベトナム資本の会社が13社あるそうで、仕事がある時には日給3ドルで働きに行くそうです。しかし、毎日仕事があるわけではないとか。ゴムやキャッサバの栽培に関係する仕事のようです。


カンボジアの地雷と落雷

2012-11-30 20:46:39 | 社会

        Lightning strike kills amputee in Pursat

プーサット州Phnom Kravanh地区で月曜日、49歳の肢体切断障害者が落雷によって死亡した。

地区警察のMeas Sareth副署長によると、被害者の名はIn Thea。4人の男の子と3人の女の子の母親であり、子供たちはすべて15歳以下である。

彼女は、内戦で残された地雷を踏んで脚を切断した男性と結婚したが、彼女もまた同じ理由で2本の脚を失っていた。

「彼らは多くの子供を持っているため、子の貧しい家族にとってとてつもなく大きな悲劇だ」と副署長は語った。

ここ数年で数百人が野外で死亡した落雷は、致命的な自然災害であることを証明している。

政府は危険を軽減させるための教育キャンペーンに着手している。

しかし、問題はそれが衰える兆候があり、また当局は、法外なコストのため大量買うの避雷針を買うことはできない、と言う。
国家災害管理委員会広報部のKeo Vy副部長は、今年10ヶ月で落雷によって100名が死亡し70名が負傷した、と昨日明らかにした。

またこの期間、落雷によって32頭の牛と5軒の家屋が破壊された。

昨年の一年間には165名が死亡し、139名が負傷している。  

http://www.phnompenhpost.com/index.php/2012112960001/National-news/lightning-strike-kills-amputee-and-mother-of-seven-in-pursat.html


水祭り連休

2012-11-28 22:37:30 | 社会

昨日からカンボジアは水祭りの三連休です。一昨年は300名を超える死者を出し、昨年は洪水のためにバートレースやお祭りは中止になり、今年もシーハヌーク前国王の逝去によって中止です。

知り合いのカンボジア人が「水祭りにはカンボジア全土から国民の半数以上がプノンペンに来るんだぜ・・・だから全国の売春婦もプノンペンに大結集さ」などと言ってました。交通機関が限られてるからそれはないだろう、と思っていたのですが、残念ながら今年もその話の真偽を確認することはできません。

三連休とあって、プノンペンの街は大混雑どころかガラガラの閑散状態。ボートレースの会場となり人々が溢れ返る筈だったトンレサップ川沿いの王宮前に行ってみました。

           

前国王の遺影に献花する人々の姿が今だに後を絶たないようです。それでも昼時だったためか広場の人の数はかつて見たことがないほど少ないものでした。

           

           

           

前国王の遺影バッチ付き喪章が売られていました。一個2,500リエルだそうです。

http://www.phnompenhpost.com/index.php/2012101859288/National-news/water-festival-cancelled-in-honour-of-the-king.html


ホワイトハウスのアルバム

2012-11-26 20:26:28 | 社会

「中国に称賛を惜しまないフンセン首相」とのタイトルの記事の隣に「ホワイトハウスのアルバムにフンセン首相の姿がない」との記事がプノンペン・ポスト紙にありました。

プノンペンとプレイヴェン州のベトナム国境とを結ぶ国道8号線の開通式典で、フンセン首相は、この道路が中国からの8,300万ドルの融資で建設されたということで中国を褒めちぎったそうです。アセアン首脳会談の議長国として親中国色を深め、アセアンの亀裂を深めて不興を買ったばかりなのに懲りもせず、といった論調の記事でした。

http://www.phnompenhpost.com/index.php/2012112359905/National-news/pm-hun-sen-lavishes-praise-on-china.html

      PM Hun Sen absent from White House photos

との記事は、タイトルを読んでフンセン首相がオバマ大統領との記念撮影を欠席したのかと思ってしまったわけですが、ホワイトハウスの方ががフンセン首相の姿を載せなかった、とのことでした。二つの記事を合わせると親中国色を深め、ホアイトハウスに嫌われたフンセン首相ということに。

http://www.phnompenhpost.com/index.php/2012112359906/National-news/pm-hun-sen-absent-from-white-house-photos.html

 

オバマ大統領は今週初め、タイのインラック・シナワトラ首相と祝杯を上げ、テイン・セインミャンマー大統領と歴史的会談を行い、日本の野田首相には暖かい別れの言葉を伝えた。

大統領の3日間のアジア訪問の中で行わなかったのは―少なくともホワイトハウスの公式写真記録の中では―フンセン首相と一瞬でも時間を共有するということである。

ホワイトハウスのウェブサイトにあるオバマ大統領の41枚の旅行アルバムにフンセン首相が欠席しているのは特筆されるべきものだ。そこにはオバマ大統領とタイ国王、そしてインラック首相と一緒の写真は4枚もある。

テインセイン大統領の写真は1枚、ミャンマー民主化の象徴であるアウンサンスーチーは3枚。

しかし、オバマ大統領がアセアン・ミーティングに参加するため25時間過ごし、二者会談が行われ、ディナーにはカンボジア首相も出席したプノンペンで撮影された13枚の中にフンセン首相の姿はない。

フンセン首相が遠くから写った一枚のキャプションには彼についての言及がない。それにはただ「US-アセアン首脳会談で発言するオバマ大統領」と記されているだけで、実のところ写真の中で発言しているのはフンセン首相であるにもかかわらず。

「もちろん、意図的なものだ。他の説明をするわけにはいかなかった」と、ニューサウスウェールズ大学のCarle Thayer政治学教授は語った。「これは不快感を表す方法です」

人権団体、野党指導者と米国議員たちは、オバマ氏訪問の前に、人権問題でカンボジア政府に圧力を加えるか、訪問のキャンセルを促すかでこの月の多くを費やした。

公的な冷遇は儀礼を損ねるものだが、フンセン氏のアルバムからの排除は利害関係者に適切なメッセージを送った、とThayerは言う。
「それはフンセン氏を扱う素晴らしいやり方で、国会議員は彼が何をしたのか理解できる。それは公的な冷遇ではない、アルバムに載せないだけのことだった」

http://www.whitehouse.gov/photos-and-video/photogallery/president-obamas-trip-asia