GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

タイニン省

2010-07-08 01:21:23 | 地理・歴史
ベトナムはカンボジア、ラオス、中国の三国と国境を接し、国境線の全長は4,600kmにもなるのだとか。この国に生まれ育った人にとっては別に驚くほどのことでもないのでしょうけど、島国生まれのためか、国境の長さそれ自体が大いなる価値を持つかのように感じてしまいます。

そのせいでか、カンボジア国境に接するタイニン(Tây Ninh)省についても少なからず興味を抱きつつあります。しかし、ここはメコン河を擁するアンザン省から来てみると気温が1・2度高めに感じられ暑いです。メコンデルタの原野の中を無数に走る水路-川だか水路だか区別がつかないような-と違って、コンクリートでびしっと固められた細い農業用水路が田圃の中を勢い良く流れています。

タイニン省へはホーチミン市からプノンペンに向かうバスがモクバイ国境口を抜けて走ります。以前はこの道が国道1号線と呼ばれてましたが、今は国道22号線。プノンペン行きのバスは10年ほど前と比べると今は随分と増えました。クチとタイニン省のゴーヨウを結ぶ路線バスも頻繁に走っています。

米作の他にタイニンで多い作物はゴム、サトウキビ、キャッサバで、ビエンホア製糖のタイニン工場やタイニン・ブルボン製糖会社があり、タイニン・ゴム会社も有名です。最近は砂糖黍の作付け面積は減り、キャッサバが増え、タイニン省のキャッサバ生産高は全国でダントツ(だったと思います)。砂糖黍生産が減った分、ビエンホア製糖はカンボジアへの投資を増やし、フランス資本のブルボンは工業団地開発への投資をしているようです。

この間、国際穀物価格は下落してますが、飼料原料用の乾燥キャッサバ芋は1kg4,000ドンを越える高値。生キャッサバ芋も2,000ドンほどで安値の2倍はしてます。タイニンのキャッサバ生産は減りそうもありません。

タンビエン県のサーマック国境口までバイクで行ってみようと思いました。途中、タイニンの町の中を走っている時に急に左車線のバイクが右折して来てブレーキを踏んだものの間に合わず衝突転倒。衝突まで相手はブレーキも掛けずなのでこちらは怒り心頭。ちょうどホテルの前だったのでホテルのガードマンが出て来てバイクを起こしてくれました。が、ハンドルは曲がり右足を乗せるステップは折れてしまい、怒りは収まりません。

「壊れちゃったから修理して頂戴」と言うと相手は「バイクタクシー稼業だから貧乏でお金持ってません」を何度も繰り返すだけ。「じゃ警察行こうか」などとも言ってはみたものの、見ていたホテルのガードマンは「なんだこいつ外国人だぜ」と言ってその場を離れてしまい、外国人のくせに貧乏セーオムから金を取ろうとしてる、てな空気を残してくれたので、自分でも弱いものいじめをしてる気分になってしまい、諦めました。

バイクもどうにか走らせて引き返すことはできそうでした。問題は何処で修理できるか、です。