常識について思うこと

考えていることを書き連ねたブログ

3D映画時代到来への疑念

2010年02月09日 | 産業

3D映画、「アバター」が話題になりました。映画というのは、常に映像の最先端技術を利用できるところに位置しており、それを世の中に届ける役割を果たしてきたであろうことを考えると、3Dのような技術をもって話題を集めるというのは、とても分かる気がしています(「日本に眠る宝物」参照)。

ところで、こうした流れを受けて、「3D時代到来」というような文句が踊ったりするのですが、そこはもう少しじっくりと見てみる必要があるようにも思います。もちろん今後、3D映画が多くなってくるであろうことくらいは予見されてもいいと思うのですが、それが今までの2D映画にとって代わるだけの存在になるかどうかは、しばらく見極める時間を置いてもよいのではないかと思うのです。それは、私自身が、その最先端技術の映像を見て、どれだけの衝撃を受けたかという点から感じることです。

かつてのハリウッド映画では、例えば「ターミネーター2」や「ジュラシックパーク」のような作品において、CGによる衝撃がありました。液体金属でできたT-1000が、鉄格子をすり抜けるシーンや、あたかも本当に生きているかのような恐竜が大画面で再現させられたCGは、当時、とても話題になったように思います。

-CGすっげぇ!これはマジで半端ないでしょ!!-

私自身、その映像から、とても強いインパクトを受けたことを覚えています。「ジュラシックパーク」に至っては、3度も映画館に足を運んだように記憶しています(ちなみに、私のこれまでの人生において、同じ作品を映画館で2度以上見たというのは、これだけです)。

一方で、今回話題になった3D技術に、かつてのCGほどのインパクトがあったかと聞かれると、少々、口ごもってしまうような気がするのです。3Dの長編映画という意味では、最近、「アバター」とほぼ同時期に公開されていた「カールじいさんの空飛ぶ家」を観ました。もちろん、従来の2D映画に比べて、それなりの面白味はあっただろうと思います。臨場感という意味では、これまでの映画よりも優れていると言えるでしょう。しかし、それをかつてのCG映画時のインパクトと比べてしまうと、そう大きなものでもないように思うのです。

もちろん、これはあくまでも主観の問題ですので、3D技術のインパクトが、社会全体として、どのように受け止められたのかは不明です。少なくとも、3D技術によって、大きな衝撃を受けたという方々もいるでしょうから、それはそれでよいのではないかと思います。そしてまた、そういう方々が「3D映画時代到来」というフレーズを使うのであれば、その心情はとてもよく分かります。

ただ、ある事象の方向性を見極める際、その見極める人間が自分である以上、その主観と感性は大切にするのは当然であり、それに基づいた観測をしてみたいと思うのです。

-3Dも良いけれど、正直、2Dも2Dでそれなりに・・・-

このように感じ、また考えたとき、これからの映画は「本当に3D時代到来か?」という問いに対しては、もう少し時間を置いて見守っていきたいと思うのでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする