常識について思うこと

考えていることを書き連ねたブログ

トミカヒーローの良い所

2010年02月06日 | ヒーロー&アニメ

トミカヒーロー レスキューファイアー」は、結構、頑張っていると思います。

日本の特撮ヒーローというと、石ノ森章太郎さんのスーパー戦隊モノ(○○レンジャー系)や仮面ライダーシリーズ等の知名度が、圧倒的に高いと思うのですが、個人的には、前作の「トミカヒーロー レスキューフォース」を含めたトミカヒーローシリーズを高く評価したいと思います。その理由を端的に述べると、制作に携わっている方々の熱意や工夫を感じるからといったことになるかもしれません。

もちろん、他の番組制作に携わっている方々も、それなりの熱意や工夫をこらしているのでしょうから、それを否定するつもりはありません。私なりに、こうした番組については、商業偏向主義に対する危機感があり、それに対する警鐘を鳴らしているつもりではあります(「仮面ライダーと商業主義」、「ヒーローたちに魂を」等参照)が、それが直ちに事の善悪を決定するものではないと考えます。それに、トミカヒーローシリーズに関して言えば、そもそものタイトルから「トミカ」という玩具のブランドを冠しているわけで、トミカヒーローシリーズこそ商業主義に偏っていないかという指摘もあり得るのではないかと思います。

しかし、私が見るポイントは、そうした商業的な要素と、番組自体のストーリー性やクオリティをどのようにバランスさせるかという点です。トミカヒーローシリーズは、その点、非常に頑張っているように思うのです。

例えば、まさにその「トミカヒーロー」というタイトルに関して言えば、「トミカ」というブランドを前面に出すことで、既にある程度の広告効果(商業効果)を生み出すことに成功し、逆に番組の中身については、それにあまり左右されない展開を用意できているのではないかと考えられます。実際、トミカヒーローシリーズのストーリーは、他の同種番組に比べて、玩具の販売戦略に左右されるような展開が、極めて少ないように感じます。

制作者の方々からすると、そうした自由があるからこそ、熱意を持って創作活動にあたることができ、そこにいろいろな工夫を盛り込むことで、結果として、ストーリーの中に繰り広げられるユーモアやメリハリが実現するのだろうと思うのです。この間、名古屋シティーが舞台になったときに、河村たかし名古屋市長がセリフ付きで出演していたのを見たときには、「そこまでやるんだ」とビックリさせられました。テレビ愛知の遊び心、恐るべしです。

そしてもちろん、トミカヒーローシリーズのストーリーが商業主義と無縁なわけではありません。先日は、レスキューファイアーのメンバーが、同番組のスポンサーである「Round1」に遊びに行くという設定がありました。ただ、その商業主義的要素の持ち込み方が、なかなかユニークではないかと思うのです。今日の特撮ヒーロー番組では、スポンサーの製品である玩具と番組の中身(ヒーローが使う武器やロボット等)を結びつけるというのが、主流なのではないかと考えます。しかし、「Round1」のケースでは、そうした玩具の類ではなく、単純にレスキューファイアーのメンバーが、ある日、その遊戯施設で遊びに行って、そこにどんなものがあるのかを知らしめているわけです。当然のことながら、レスキューファイアーのメンバーが、一回、そこに遊びに行ったからといって、ストーリー全体が大きく歪むような不自然さは生じません。私としては、「こんな広告もあるんだ」と感心させられました。そして、こうした工夫をすること自体が、なかなかユニークで面白いのではないかと思うのです(個人的には、昔の仮面ライダーやウルトラマンで伊豆シャボテン公園が出てきたときに、同園がスポンサーであったかどうかは別にして、もしかしたらそういう宣伝効果があったかもしれない等と思ったりします)。

そんな頑張っているレスキューファイアー、最近の数話では、前作のレスキューフォースの主人公であるR1が出演してくれたりもしています。こうした同じシリーズの兄貴分キャラクターを、きっちり使ってくれるあたりにも、昔の古きよき特撮ヒーローを想起させてくれます。最近のキャラクターは、どうも使い捨ての傾向が強く、しかもそのライフサイクルが短すぎるような気がしてなりません。

今日放送分のレスキューファイアーでは、現シリーズの主人公であるファイアー1と旧シリーズ主人公のR1が力を合わせて戦ってくれていました。これには、昔で言うところの仮面ライダー1号・2号の共闘、あるいはウルトラマン兄弟のタッグ戦のような有り難味を感じるわけです。

私個人としては、平成仮面ライダーが、「仮面ライダーディケイド」によって、大崩壊を起こしてしまったと感じているおり(「さらばディケイド!」参照)、また今後も、仮面ライダーカブトと仮面ライダー電王のオリジナルキャストでの共闘等、期待できるはずもないことを考えると、トミカヒーローの制作に携わっている方々のこうした「オリジナルキャラクターを大切にする精神」は、とても嬉しく思いますし、また今後も是非大切にしていただきたいと思うのです。

そんなこんなで、私としては引き続き、トミカヒーローたちの大いなる活躍を切に願うのでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする