連休中の旅行で感じたことを、とりあえず、さっさとまとめてしまいました。「日常」カテゴリーということで、軽い感じで書きました(ただ、まとまると結構な分量ですが・・・)。
■恵みの雨
初日、那須ハイランドパークに行きました。敷地は広いし、いくつか楽しめる乗り物もあって良いのですが、ちょっとでも待ち時間が出たりすると、限られた時間の中で、なかなか思うようには回れません。さらに、今回の旅行では、午前中からパラパラと雨が降ってしまい、遊ぶのにはちょっと厳しい雰囲気でした。
しかし一方で、思わぬ効用というものもあります。それは、午前中からの雨のおかげで、客足がだいぶ鈍っており、ほとんどの乗り物が待ち時間なしで乗ることができたのです。いつもなら30分以上、並ぶであろう乗り物でも、あまりに人がいないため、連続して何回も乗れてしまうほど、極めて好条件で楽しめました。
通常、雨とは嫌なものです。特に行楽に出かけているのに、雨に降られると、いろいろと不都合が出てきます。しかし、見方によっては、そんな厄介な雨も、文字通り「恵みの雨」になるものだと、つくづく思いました。それも、気張って「ポジティブに見よう」等と考えたり、努力したりする必要すらなく、単純に「ポジティブに働く」と思えてしまうことがポイントです。
■ガンダムの歴史の重み
最近、お台場に等身大のガンダムが立ちましたが、那須ハイランドパークにも、等身大のガンダム(頭部)がありました。日本のコンテンツに関して、つくづく思うことは、「古いから使えない」というものでもないということです。むしろ、古いものほど、それだけ長期に渡る根強い人気があるのであり、またそれを積極活用することで、いろいろと楽しめるものができるというのは、非常に大切なことだと思います。
ただ、ガンダムについては、正直言って、ほとんど見分けがつきません。一応、「機動戦士ガンダムOO」等も見ておりましたが、何となく色が違うということ以外、パーツの形状等がどう違うのかまでは、ほとんど分からないため、たくさんの歴代ガンダムが展示されていたりすると、もう何が何だか分かりません。そういう意味で、初代ガンダムは偉大だと思います。
■魂を宿すテディベア
那須テディベアミュージアムでは、名前の通り、たくさんのテディベアが展示されていました。私は常々、キャラクターは外見だけでなく、むしろ、その背景にあるストーリーやそれを裏付ける内面が非常に重要であり、そうした内面にこそ魂が宿るものであると思っています。そんな中で、印象的だったのは、「テッドおじいさんの結婚式」という1シーンです。見るだけならば、単純に「クマのぬいぐるみの結婚式」ということになります。ところが、その横には、きちんと出席者に関する説明書きがあるのです。
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【新郎テッド】
テディベアを愛するベア・アーティスト。デザインから製作まで、すべて1人で行っている。今では、ベアのファッションデザインも手掛けている。
【新婦ローズマリー】
ハイスクール時代からのテッドの恋人。テッドがベアの布の仕入れに彼女の家(布地屋)に行った時、知り合った。ベア・アーティストとしても良きパートナー。
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結婚式の主人公のみならず、こうした説明書きが、アーサー(祖父)、ジョージ(叔父)、クリフ(父)・・・と続くのです。テディベアというぬいぐるみを、「単なるぬいぐるみ」とせず、そこにストーリーを持たせ、さらにそれを演じられるだけの各種設定を施すことで、「単なるぬいぐるみ」には魂が吹き込まれます。以前、テディベア美術館を訪問した際にも、テディベアというぬいぐるみの扱い方が、非常に細やかであることに驚きましたが、今回も相変わらず、そのあたりの心配りができていることに感心いたしました。
■トトロの世界の現実化
テディベアミュージアムの2階では、「となりのトトロ」の展示がなされていました。宮崎駿さんの作品については、いろいろと思うこともありますが、少なくとも、この展示に関しては、単純に楽しめて良かったです。とても大きな(でも、実際よりも小さい?)トトロがいたり、映画の1シーンが、ぬいぐるみで表現されていたり、映画の舞台が模型になっていたり・・・。
映画というコンテンツを、単なる上映やDVDを含めた配信ビジネスと捉えず、いろいろな分野において活かしていこうとうする試みは、大変重要なことだと思います。つまり、キャラクターグッズの販売等を含めて、「等身大のガンダム」同様、リアルの世界で何を感じるかという観点で、そのコンテンツの世界設定を現実化させるというのは、なかなか面白いビジネスではないかと思うのです。
今回は、たまたま「となりのトトロ」でしたが、コンテンツの活かし方として、こうした手法が、もっともっと多くの作品に対して、適用されてもよいのではないかと思えてなりませんでした。
■トリックアートは新たなスタジオ
「那須とりっくあーとぴあ」にも行きました。トリックアートは、結構、子供たちが好きなので、よく行くのですが、これも大変よくできていると思います。トリックアートとは、平面を立体に見せたり、鏡等による目の錯覚を利用して、通常あり得ないような絵画的表現をしたりするもので、そこでは自由に触ったり、写真を撮ったりすることができます。私は、このトリックアートに、これからのデジタル社会におけるコンテンツの大いなる可能性が含まれているように思えてなりません。
最近の社会におけるデジタル化の動きは、コンテンツ業界に及ぼす影響が大きいことは、周知の事実でしょう。しかし、デジタル化の進展は、そもそも従来のコンテンツという概念にすら、大きな変化を与えるような気がするのです。コンテンツにおけるデジタル化とは、コンテンツ制作現場の最先端におけるデジタル化という意味だけでなく、広く一般の人々にとって、その技術が普及していくという意味もあるかと思います。端的な言い方をすれば、PCの普及、デジタルカメラの普及、DVDの普及等でしょう。
これまで、コンテンツと言うと、それを専門とするクリエーターの方々が、それなりの技能やツールを使って生み出していくものでした。しかし、例えばデジタルカメラの普及は、コンテンツを生み出す層の裾野を広げ、多くの一般の人たちが手軽にコンテンツを生み出すことを可能にしたと言えるでしょう。簡単に言えば、デジタルカメラで写真を撮るという行為自体が、自分だけの「スペシャルコンテンツ」を生み出すことでもあるということです。
そうした観点から、トリックアートは、そんなデジタル化社会における、「スペシャルコンテンツ」のための新しいスタジオなのではないかと思うのでした。
《おまけ》
りんどう湖ファミリー牧場で、行われたシンケンジャーショーは、2回も見てしまいました。もちろん、子供向けのショーなのですが、意外と楽しめたのです。特にトークショーとしては、なかなか良かったのではないかと思います。一方で、アクションの方は、スーツアクターの方に、若干のバラつきを感じました。ただやはり、レッドはキレがあって良かったです。さすが、殿!