バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

研究会無事に終了

2009年07月31日 | すきくぴの独り言

先日の胃研究会に参加された方々、お疲れ様でした。
フィルムリーディングをはじめ、内容がわかりやすかったことや、ディスカッション形式で、問題提起をしたのが好評でした。


次回の研究会は9月を予定しています。
また日がわかりしだい、皆さんにお知らせしたいと思います。



翌日になっても便秘

2009年07月28日 | 胃X線を受診される方へ
こんばんは。
今日は、バリウム検査後による便通について話します。

バリウムは糞便として、体外に排泄されます。
大抵は検査翌日には排泄されます。

しかし、普段から便秘の方や高齢者では、消化管の運動が悪いことが多いため、体外へ排泄されにくくなります。

バリウムは固まりやすい性質をもっており、長時間体内に留まっていると大変危険です。消化管穿孔を起こし、最悪の場合には死に至ります。

バリウム便通の目安は、検査翌日とみたほうが良いでしょう。
翌日になっても出ないようなら、掛かりつけの施設に問い合わせましょう。

ちなみに私の周りでは、検査後1~2時間後に便をもよおす人がいれば、翌日の朝や昼にもよおす人もいます。
しかしこれらはあくまで参考でしかないです。

気になれば、すぐに問い合わせましょう。

参考ホームページをどうぞ↓↓
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/09/h0910-1.html

今回も異常なし

2009年07月27日 | 胃X線を受診される方へ
こんばんは。
今日は、30人以上を胃透視しましたが、悪性所見を指摘すべき症例はありませんでした。
良性のポリープは何例かありましたが、命には別状のない方ばかりでした。

毎年受けられる方ばかりでしたので、万が一病変があっても小さなものばかりでした。
毎年受ける効果は素晴らしいです。

今後も、定期的受診の普及を望みます。



ヒダの先端をチェック

2009年07月25日 | 胃X線読影


今日は、シェーマで早期胃がん発見ポイントを解説します。

読影の手順の一つに、ヒダの走行を読むこととあります。
普通、ヒダは大彎ラインとほぼ平行に走ったりしています。

しかし、シェーマにあるように、ヒダが小彎方向に向かって走ったり、ヒダ先端が先ぼそったりする場合があります。
その場合には、ヒダの先端に透亮像がないか、あるいはバリウムの溜まりがないかなどを確認し、異常かどうかを判断しなければいけません。

多くの場合は、周囲粘膜と同じように描出されるため、異常なしですが、
このシェーマのように、所見による凹凸が認められることもあります。

早期胃がんをはじめとする所疾患を発見するためにも、常日頃から、ヒダの先端に対して、バリウムを流したり溜めたりするように意識しましょう。





シェーマを描こう 早期胃がんに慣れる

2009年07月24日 | 早期胃がん発見 Point
胃がん取扱い規約上、粘膜下層までに留まる胃がんを早期胃がんと定義しています。

早期胃がんは五年生存率が90%以上と、非常に予後良好です。

早期胃がんを少しでも多く発見していくためには、早期胃がんの形態を熟知し、見慣れておくことが重要です。

受診者年齢の差はあれど、胃集団検診の胃がん発見率は約0.05~0.40%くらいです。200~300人を撮影してようやく胃がん1例に出会うか出会わないかです。常日頃から、早期胃がんの写真を数多く見ておくことが必要になってきます。


出会う機会が少ないのですから、日常見慣れておかなければなりません。
慣れる特訓として、早期胃がんの写っている写真をスケッチすることをお勧めします。

下の写真は、読影を詳細に行うシェーマにしては物足りない絵ではありますが、発見の観点からすれば上出来でしょう。

シェーマを書くことによって、バリウムがはじいているか、あるいは溜まっている。つまり、出っ張っているのか、へっ込んでいるのかを認識する特訓には、もってこいです。
たくさんシェーマを書くことによって、良性腫瘍なのか悪性腫瘍なのか、判別するトレーニングにもなります。

下の写真は、2年前くらいに書いたものですが、懐かしかったのでアップしました。
胃透視初心者の方は、ぜひ絵を描いてみてください。
きっと勉強になりますよ。




もともと私は小さいころから、絵を描くのが好きです。
そして今は胃透視も好きです。
私にはうまく合致したトレーニングですね。

健康診断結果 胃検診 集中像

2009年07月23日 | 胃X線を受診される方へ
私はgooのアドバンス会員なので、毎回のサイト検索用語を知ることができます。
私のサイトにはをどういった検索用語を入力して探しあてたのかを知ることのできる機能がついています。

検索結果が上位(120万以上のブログ中、6000~8000位をうろうろ)となってきており、皆様に感謝するとともにより一層ブログの継続に拍車がかかります。



さて今日は、サイト検索結果用語にあった「健康診断結果 胃検診 集中像」について、医療従事者である私なりに思うことを簡単に話します。



胃が痛んだりしたとき、潰瘍になったりすることがありますが、潰瘍は治ったあと多くの場合、潰瘍瘢痕になります。
潰瘍瘢痕とは、医療従事者でない市民にわかりやすく言えば、潰瘍の傷跡といえます。

潰瘍の傷跡は一般に、ヒダが傷跡に向かって集まったりします。それをヒダ集中といったりするのです。



がんは潰瘍に比べたらその頻度はまれです。多くの場合、胃透視検査結果などでヒダ集中であれば、ただの潰瘍瘢痕であることが多いようです。


ただしまれに、瘢痕の周囲にはがん細胞があり、がん細胞によって潰瘍を繰り返したりすることがあるので、潰瘍瘢痕のある方は胃検診でバリウムを受けるよりも内視鏡検査を受けたほうが良いのです。

理解していただけましたでしょうか??



まだ私自身、わかっていないこともありますし、解釈が間違っていればコメントいただきたいと思います。
今後ともこのブログをよろしくお願いします。



技師1次読影の基準化

2009年07月21日 | 胃X線読影
今日は、日本消化器がん検診学会雑誌2009.vol.47 No.4に掲載されている記事で、特に興味をもった文章について話します。

特に印象に残ったのは、技師1次読影の基準化について書かれた内容です。


撮影技師が、追加撮影した病変に対して、どのような所見であったかを記入する。いわゆる技師所見レポートの有用性が高く評価されている昨今ですが、
具体的な基準化がなされていないのが現状です。

基準化がないと、どうしても撮影者個々の力量に左右されてしまい、統一された所見レポートを作成しにくいようです。
そんな問題を解決させるために、読影の基準化を行ったのが、S病院さんでした。


私は、内容の良さに感動しました。

フローチャート式で説明されておりなおかつ、症例写真を掲載しながらのカテゴリー分類は、非常に読影の手助けになると思いました。
隆起性病変なら、立ち上がり→大きさ→表面性状など。
病変に対する読影の一連の流れが理解しやすいです。

陥凹性病変であれば、陥凹面の形状と辺縁の性状→ひだ→陥凹表面→陥凹周囲の粘膜という順に記されていました。

読影に慣れ親しんでいる人は今更、わかっていますよ。と答えるかもしれません。
しかし前述したとおり、撮影者全員が読影に精通しているわけではないのが現状です。


まだ見ていない方は、一度見てみてください。
撮影者みなが共通の知識をもって読影できる、確かな基準化がなされている内容だと思います。まだ検討段階のようですが、今後の発展に期待です。


がん検診学会 Q&A

2009年07月17日 | がん検診 Q&A
Q9:胃がん検診を受けると必ず精密検査になるので、毎年受ける気になれないのですが。

あなたの胃の変形が強かったり、昔かかった潰瘍の治ったあとが、がんのサインと区別できないためでしょう。そのような胃はがんの集団検診に向かない可能性があります。自分の胃ががん検診に向かない場合、かかりつけの専門医を決めて定期的に内視鏡検査を受けて下さい。

以下クリック↓↓
http://www.jsgcs.or.jp/citizens/qanda.html

上の文章は、日本消化器がん検診学会のがん検診 Q&Aから引用しました。

私たち、医療従事者は普段からこういった学会ホームページに多く参加していますが、
こと一般市民の方は、学会に対してあまりなじみがないように思います。
しかも、学会ホームページに書かれていることは専門過ぎて難しいと感じ、見る機会があまりないのではないでしょうか??


ここでは、一般市民向けに書かれている内容ページをアップしておきます。ぜひご覧ください。
皆様に、正しい胃がん検診などの知識を持って受診していただきたいと思います。

私たち医療従事者がこういったことを紹介することは大切だと感じます。

以下クリック↓↓
http://www.jsgcs.or.jp/citizens/qanda.html


毎年、集団検診で引っ掛かります!

2009年07月15日 | 胃X線を受診される方へ
こんばんは。
今日は、バリウム胃検診後の判定について簡単に話します。

一次検診で行われている胃がん検診は、現在もバリウム検査が主体です。
短時間で検査が終わり、なおかつ精度が比較的保証されている検査として確立されているからです。



さて本題ですが、今日は気になったことを紹介します。


それは・・・。

前回も要精密検査として言われているであろう方が、今回も検診を受けに来られたケースです。
一次検診の目的、特に集団検診の目的は、多人数の中からできるだけ正確に異常と正常をふるい分けることです。
例えばポリープであるとか、潰瘍の疑いだとか、粘膜下腫瘍だとか、がん疑いだとか、写真を見ながら最も妥当な所見をつけ、後日精密検査へ紹介しますが、逆に言うと、紹介までしかしないのです。それ以上のことは行っていないのです。それ以降は各紹介先で定期的にフォローアップをしていただくのが検診としての流れなのです。

では初めから内視鏡検査を行い、バリウムをしなければ良いのでは??と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ちなみにそれは事実上、残念ながら不可能といえます。
なぜなら内視鏡検査では、一人当たりにかかる所要時間が何十分以上もかかり、前処置の時間もかかるからです。
それは例えていうなら、肺がん検診で、胸部X線を全例、CT検査でのみ行うことと似ているかもしれません。
時間的に多人数を検査することが難しいから、精密検査なのです。
逆に多人数を短時間でかつ、精度が比較的良く行える、そして費用が安い検査。だこそバリウム検査はスクリーニングが成り立つのです。


まとまりのない発言になってしまい、申し訳ないです。

結語です。
「一度、バリウム検診で要精密検査で引っ掛かった方は、基本的には紹介先などで内視鏡検査で毎年フォローしてもらってください。」





体下部~胃角部小彎病変

2009年07月14日 | 胃(全般)
体下部~胃角部小彎病変。

それらの部位に対して、普段から皆さんはどのように追加撮影、アプローチしていますか???

前壁寄りであれば、腹臥位。後壁であれば背臥位のアプローチかと思います。

今日の出会った症例の中に、背臥位第2斜位像で正面ニッシェがありました。
背臥位からのアプローチで追加撮影しましたが、あとから先輩から腹臥位からもアプローチしてほしかったと言われました。

みなさんは普段から、どちらからアプローチしていますか??



追記)今現在、体下部小彎病変に迫っています。
こちらからどうぞ。↓↓↓
http://blog.goo.ne.jp/sukikupi/e/95971517b9221cbf8b8b0ba07ded8740


胃がん成績の検討

2009年07月13日 | すきくぴの独り言
こんにちは。

今日は、一日夏休みをいただいてゆっくりくつろいでいるところです。


さて、先日、胃がんの集計をしました。
各技師の集計結果をみると、胃がんに対して高率に追加撮影している人もいれば、そうでない人、読影に助けられた人も多かったです。

形態変化の乏しいいわゆる早期に留まっている胃がんは、その胃がんの存在する部位に対してアピールした写真を撮影し、読影医に提供する必要があります。

みなさんの集計結果はどうですか??


無念 進行がん

2009年07月10日 | 胃X線を受診される方へ
こんばんは。

今日は、私が撮影した人の方で、最終結果が返った症例を報告します。

結果はステージ4でした。胃がんの進行度を勉強した方ならすぐわかることですが、このステージ4は多くの場合、遠隔転移をきたしていることが多いです。
例えば、肝転移などです。

残念ながらがんは胃に留まらず、他の臓器にも転移していたそうです。

ステージ4という結果しか返ってこなかったため、どのように転移したか詳細は掴めていませんが、無念です。

なぜなら逐年受診群(毎年、受けられている方)だからです。
撮影者の検査手技が原因なのか、それとも読影医のチェックミスか、はたまた臨床上で認識できないくらいの、急速に発育したがんなのか・・・。

一言、無念です・・・。


なぜ、がんはなくならないのか、そして発見できないものがあるのか。こう言った症例に出会う度、夜も寝付けない。


追加撮影の見本

2009年07月09日 | 胃X線撮影
こんばんは。
先日、院内の勉強会がありましたが、ようやく追加撮影の有用性の高さをみなさんに理解してもらえました。

逐年受診群の中で、発見時に進行がんで見つかるケースが少なからずあり、その胃がん集計結果をみなさんの
前で公表しました。集計結果を交えながら、進行がん症例数を減らすためには、追加撮影の有無が関わってくることを
理解してもらいました。

早速、院内では追加撮影の件数が増えてきました。
これ自体は良い傾向だと思います。

ただ、やみくもに追加撮影しても、説得力に欠けて終いかねません。
ある程度の追加撮影マニュアルが必要と考えます。

あと、部位別におおまかな追加撮影の写真提示とその撮影手技を説明してほしいという要望がありました。
なので今後の会では、その技師さんが疑問に思っている部位に対して、追加撮影良好画像を提示し、撮影手技のおおまかな
説明、そして透視動画込みで話していこうと思います。


目標はあくまで、逐年受診群、進行胃がんゼロです。相手はがんですし、ハードルは高いですが、今後も引き続き会を継続し
、目標に少しでも近づけるようにしていきたいですね。



透視動画は旬??

2009年07月07日 | 早期胃がん発見 Point
こんばんは。
先日の勉強会の感想を聞いた今日この頃です。

透視録画を用いての解説はわかりやすかったと好評でした。


透視動画と合わせて、受診者に説明しているセリフがあれば、なお良いかもとアドバイスされたりもしました。
どう言った掛け声をして、その体位を作ったのかなどをわかりやすく知りたいのでしょう。


透視録画が旬のようです。ただ透視録画をただ流すのではなく、これからもきちんと目的を持って透視録画を公表したいものです。



今日はこの辺で失礼しますね。