バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

成績を意識しよう

2009年03月31日 | 5年生存率や発見率

こんばんは。そしてお疲れ様です。3月も今日で終わりですね。
明日からは09年度です。年度が変わりますね。

みなさまはこの年度はいかがでしたか??
先日、胃がん発見率に誇示しすぎている話しがありましたが・・・。

やはりたとえば、サービス業などは、普段から売上成績や営業成績を客観視しなければなりません。数字上でどのくらいの利益や粗利があったかを考えていくことが求められてきます。
自営業の方であればなおさら、支出や収入の値をしっかり把握して、今後の課題につなげていくことが必要になってきます。

胃がん検診、胃透視でいえば胃がん発見率や早期がん発見率がそれにあたるのではないでしょうか??
やはり数字を意識し、前回と今回を考え、次回の課題とし、ひとつひとつクリアしていくことが、さらなる飛躍につながるものと思います。
私は今後も数字を意識して、検診に臨もうと思います。

本年度は前年と比較して、胃がん発見率が下がりましたが、代わりに早期胃がん発見率が10%以上伸びました。ほとんどの症例で腫瘍径が2cm未満でした。明らかに小さな胃がんを捕える技術が身についていると確信しました。小彎や大彎など胃全体をくまなく発見していました。
前年は小彎寄り大彎寄りが弱点でした、みごとに克服した成績となりました。

いちど、自分が発見した部位の統計をとってみると良いでしょう。
さらには施設全体の統計をとると、施設全体や個人間の長所短所もわかってきます。


私は元々陸上部に所属していました。タイムを競う種目のため、タイムでレベルアップを図っていたため、自然と数字の意識をするようになったのでしょうね。

09年度はどのような目標を立てていこうかな。


胃がん発見率の限界は??

2009年03月26日 | 5年生存率や発見率
対策型検診は、集団の胃がん死亡者の減少を目的とするものであり、一般的には集団検診のことを指します。
最近疑問に思うことは、胃集団検診の胃がん発見率の最高値はおよそどのくらいを指すのでしょうか??私的に最近の胃がん発見率は0.30~0.40%くらいをうろうろしています。
この数値は、受診者の年齢や男女比によって大きく影響してくるため、客観的な数値を正しく導きだすことは難しいかもしれません。
しかしいずれにしても、胃内視鏡検査と比較して、胃透視の胃がん発見率は低いのは事実です。 どうも私は内視鏡検査をライバル視する傾向が強いようです。胃透視的に胃がん発見率は0.30%くらいでも、早期胃がん発見率が80%を超えるようなら、良しとしてよいものなのでしょうか。

胃透視で発見できるがんの限界はどのあたりなのでしょうか??ある本を読んだときの記憶が今でも残っているのですが、限界は自分が決めるものだと思います。精神論になるかもしれませんが、自分が限界だと感じたところが線引きになるという意味だと思います。
対策型検診の個人的な目標は、胃がん発見率0.50%以上、早期胃がん発見率は90%以上を目指していきたいです。表面平坦型の胃がんはわずかしかありません。そして分化型の胃がんであれば、胃透視上で5mmから発見が可能だというデータが出ています。当施設では高齢者が多いため、分化型のいわゆる腸型の胃がんが大半を占めます。

以下に普段から気をつけている私的な考えを列挙します。

① 胃がんの肉眼形態、特にごく初期の胃がんの現れ方を知る。
② 胃内を限りなく透視観察を行い、わずかな凹凸所見を見逃さない
③ 高危険群に対しては、撮影中任意に寝台や、わざとゲップを出させたりし、空気量を調節させて、胃粘膜の変化を見る。ヒダの集中が目立つようになることもあるため。
④ 胃角や前庭部、p-ringなどは病変が存在しても、接線方向として描出されやすく、ルーチンでは描出不良となることが多いことを認識しながら、注意深く撮影や透視観察を行う。
⑤ わずかな側面変形が認められたとき、場合によっては立位や腹臥位圧迫を試みるのも手だと思います。 先日の勉強会でも話題になりましたが、ありとあらゆる手技をもって、相手に望む!!これこそ早期発見に重要なポイントといえましょう。

追記)同じく熱意を持っている方のblogを拝見しました。もしよければご覧ください。http://necosogi.seesaa.net/category/4411658-1.html

追加撮影なし。早期胃がん

2008年11月12日 | 5年生存率や発見率
今日も胃透視で撮影された写真をチェックしていました。
一日100件を容易に超えるため、なかなか大変です。しかし自分がチェックを入れることで多くの早期胃がんが発見されるのは非常にやりがいがあります。
おかげさまで眼が肥えました。基準撮影の写真のみでも正常異常の違いがわかるようになりました。
最近、基準撮影のみで指摘できる早期胃がんはいくつあるのかが気になります。
新・胃X線撮影法の威力はどうなのか・・・。検証してみようと思います。
もしよければみなさんの結果も教えていただけたいと思います。



5年生存率 胃がんからみて

2008年09月04日 | 5年生存率や発見率
なぜ生存率を5年とするのか・・・。

それはがんの手術をしたのち、5年の間で再発がなければ、その後の再発はほとんどみられない。ということから5年生存率を用いるそうです。

さて、ブログ主題である「胃がん」についての5年生存率をみてみたいと思います。

今日はHPに載ってあった、国立がんセンターさんの、統計をお借りしたいと思います。

胃がん全体の5年生存率は、1963~1969年の統計では44%でしたが、1979~1990年の統計では72%と明らかに良くなってきているそうです。

病期別の5年生存率はⅠ期92%、Ⅱ期77%、Ⅲ期46%、Ⅳ期8%のようです。
このⅠ~Ⅳ期というのは、胃がんの進行度を表します。数字が大きくなるほど、悪くなります。
病期は、がんが深く潜るほど、より多くリンパ節に転移すると悪くなります。
他の臓器に転移していると、病期は無条件で、Ⅳ期となります。またスキルスもⅣ期にあたります。

現在、治療法が進歩したにもかかわらず、治癒切除例の5年生存率が88%、非治癒切除例の5年生存率が11%であるのに対し、切除不能例の5年生存率は2~3%と不良で完治は困難のようです(国立がんセンター)。内視鏡的切除例の5年生存率は、例外はあれど、80~95%と外科切除と同等に良好だそうです。

今回のPointです。
胃がんは完全に治癒できれば、胃がんで亡くなることは少ないです。
つまり、早期発見でより小さな段階で見つけることができれば、命の助かるがんなのです。