バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

飲むのはどちらが苦手?発泡剤、それともバリウム?

2014年09月30日 | 胃X線を受診される方へ
すきくぴです。
日に何度か、発泡剤やバリウムを飲むことが苦手な方に出会います。
発泡剤であれば、小分けに飲む方法がありますし、バリウムならば、バリウムを多少薄めて検査をすることがあります。苦手意識のある方は、検査前に一度スタッフに申し出てください。きっと、その施設なりに苦痛軽減策があると思います。

第22回胃X線検診精度管理研究委員会 学術集会

2014年09月28日 | 研究会や学会
第22回胃X線検診精度管理研究委員会 学術集会


会場は発明会館(東京都港区虎の門2-9-14) です。
今回で第22回になる胃X線検診精度管理研究委員会 学術集会 です。
テーマは胃がんX線検診における読影基準です。
近々、読影基準が統一され、施設内外の精度が均等化されることを期待します。



午後からの胃X線検査の試みについて

2014年09月27日 | 研究会や学会
先日、大分別府市において開催された診療放射線技師学術大会で学んだことを報告します。
テーマは午後からの胃X線検査の試みについてです。
昨今、受診者のニーズは多様化してきており、午後からの胃X線検査を依頼されるケースが増してきているようです。報告のあった施設では、午後からの胃X線検査を1日あたり20件程度行っていました。具体的な前処置ですが、午前8時までに脂肪食でない消化の良いものを摂取してもらい、その後は食べず、検査1時間前に200cc程度の水を飲みます。水を飲むことによって胃粘液が洗い流され、午前中とほぼ同等の画像を得られるというのです。実際、会場で示された画像を見ると、午前中に行う当センターの画像とほぼ同じでした。当センターでは、午前中のみしか胃X線検査を行っていませんが、これからの受診者のニーズを考えた場合、午後からの胃X線検査を模索していく必要があると思います。

造影CTによる副作用

2014年09月24日 | 研究会や学会
造影CTによる副作用についてです。非イオン性ヨード造影剤を用いることで、以前に比べ副作用は軽減されましたが、少なからず発生します。副作用の発生状況を調べた施設によると、造影CTを施行した約1%に副作用を認め、造影剤の種類や量、造影剤の注入速度の違いによる副作用の頻度には差がありませんでした。副作用の発生頻度の90%以上は、造影剤注入開始直後から15分間に多く、副作用の90%程度が嘔吐や吐き気、くしゃみやじんましんでした。
副作用の特徴を理解し、受診者に気を配る撮影が求められます。そして命に関わるアナフィラキシーショックなど、重篤な副作用が発生することもあるため、医師への素早い伝達や、薬剤、血圧計や酸素ボンベの位置などを覚えておき、普段から迅速な対応がとれるよう訓練しておくことが必要です。

受診者確認のよりよい方法 、第30回日本診療放射線技師学術大会に参加して

2014年09月23日 | 研究会や学会
受診者確認のよりよい方法が報告されました。それは受診者本人に向かって、生年月日ではなく、誕生日は何月何日ですか?と問うことで、速やかに誕生日を返答してくれるというものです。生年月日で問うと、50歳台未満はほとんどの人が即答できるのですが、60歳代で徐々に答えにくくなり、80歳代になると約30%の人で、自分の誕生日を即答できなかったのだそうです。しかし何月何日ですか?と問うことによって、80歳代になってもほとんどの人が即答できたのだそうです。これは非常に興味のある演題でした。誕生日を即答できる利点は、より短時間で検査を施行できること、スムースに誕生日を言えたことで受診者本人がプレッシャーを感じることなく、検査に望めることです。実際、私が検診をしていて誕生日にもたつくと、緊張してしまう受診者がしばしばいます。誕生日は何月何日ですか?と聞き方ひとつ変えることで、受診者が変わるのだと感心して演題を聞いていました。

発泡剤やバリウムを飲めない、動けない方

2014年09月18日 | 胃X線を受診される方へ
こんばんは、すきくぴです。
今日は胃透視をしましたが、発泡剤やバリウムが飲めない方に出会いました。
飲めない方には、小分け法を用いて飲んでもらっていますが、今日出会った方は、ご高齢で身体を動かすのも困難でした。
台の上で、一回転してもらうだけで数分を要するというきれいに写真を撮るのが難しい状況でした。検査後、画像を評価するのは難しいことを説明し、次回からは胃カメラをと、勧めました。ご本人は納得されました。

発泡剤やバリウムが飲めない、動けない方は胃カメラの選択をお勧めします。

隆起性早期胃癌の腫瘍径とその立ち上がりの関係

2014年09月15日 | 胃X線読影
隆起性の早期胃癌は、立ち上がりと腫瘍径とでどのような関係があるでしょうか。
山田のⅡ型やⅢ型は、腫瘍径2cmを境にして、早期癌の割合のほうが大きくなります。
一方、山田のⅣ型は、ⅡやⅢ型に比べて、隆起性の胃癌はまれであり、4cmくらいでしだいに多くなります。
立ち上がりと腫瘍径との関係を、頭に入れておくと、読影では役に立つでしょう。


隆起性病変 山田のⅢ型 

2014年09月07日 | 胃X線読影

こんにちは、すきくぴです。
今日は、隆起性病変の立ち上がりである山田のⅢ型についてです。
山田のⅢ型は、隆起の起始部に明らかなくびれを形成しているが、茎の認められないものをいいます。
亜有茎性ですね。山田のⅢ型も山田のⅡ型同様に、主に上皮性腫瘍に多いのが特徴です。




隆起性病変 山田のⅡ型

2014年09月06日 | 胃X線読影

こんばんは、すきくぴです。
今日は、隆起性病変における山田の分類についてお話します。
前回は、山田のⅠ型には粘膜下腫瘍が多いことを説明しました。
今日は、山田のⅡ型についてです。
山田のⅡ型は、隆起の起始部に明確な境界線を形成するが、くびれを認めないものを言います。
これには上皮性の隆起性病変が多いのが特徴です。

隆起性病変 粘膜下腫瘍

2014年09月03日 | 胃X線読影
粘膜下腫瘍と上皮性腫瘍の違いをちょっとわかりやすくした絵なのですが、
文字どおり粘膜下腫瘍は粘膜の下からできた腫瘍のため、粘膜自体は正常であり、隆起の境界は正面像ではぼけてみえます。粘膜下腫瘍に多いのは、山田のⅠ型です。
一方、上皮性腫瘍ですが、のちほど提示しますが、これは名前のとおり上皮からできている腫瘍であり、粘膜の異常として現れるため、隆起の境界をしっかり追うことができます。山田の分類で言うと、ⅡからⅣ型にあてはまります。


隆起性病変 山田Ⅰ型

2014年09月02日 | 胃X線読影



こんばんは、今日は、前回の続きです。
図に示すとおり、山田のⅠ型は、隆起の起始部が滑らかで、明確な境界線を形成しないものを言います。
主に粘膜下腫瘍に多いと言われています。粘膜下腫瘍は、言葉通り粘膜の下から発生し、胃の表面である胃粘膜には異常がないことが多いのが特徴です。