バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

スキルス胃がんとゲップ

2009年10月19日 | スキルスや若年性 胃がん
こんばんは。
今日は、胃内の空気量について簡単に触れます。

発泡剤は5g以上を推奨している施設が多いかと思いますが、胃内の空気量は多めで撮影しましょう。

先日、胃内の空気量が少ないために、スキルス胃がんと判断してしまいそうな症例に出くわしました。
空気量が減り、胃が必要以上にしぼんでしまうと、胃の広範囲が硬化したりするスキルス胃がんであるかどうかの判断に迷います。
空気量が多いのに、狭窄したり、硬化したりしていると、スキルス胃がんの診断の大きな判断材料になります。
しかし、空気量が少ないと、単に少ないからしぼんでいるのか、もしかしたら本当に狭窄したりしているのか、判断に困ります。

受診者の方からすれば、ゲップは我慢していただきたいです。
ゲップが出てしまうと、診断に迷いが生じてきます。
胃X線検査の強みは、なんといっても胃の広い範囲を、一枚の写真で見ることができることです。スキルス胃がんの診断には威力を発揮します。

ゲップ、我慢してください。しんどいですけどね。

スキルス胃がん

2009年10月03日 | スキルスや若年性 胃がん

こんばんは。今日は、スキルス胃がんについてです。
進行胃癌のなかでも、もっともたちの悪いとされている胃がん。それがスキルス胃がんです。
早期発見。それには定期的受診が求められます。
乳がん検診のピンクリボン活動が盛んに行われていますが、胃がんもしかり。

定期的な受診があなたの命を救います。


スキルス胃がんの発見

2009年04月12日 | スキルスや若年性 胃がん
こんばんは。最近、多忙なものでブログの更新が滞ってきています。申し訳ないです。今後とも継続していく考えではあります。今後ともよろしくお願いします。

さて、今日は少し受診者向けに、普段からアクセスの多い、スキルス胃がんについて書いていこうと思います。
以前も、胃透視と胃カメラの違いを話してきました。
胃透視は胃全体を見ることができます。
一方、内視鏡は目の前にある胃粘膜を細かく見ることが可能です。
一長一短があります。

木を見て森を見ず。有名な言葉ですが・・・。
胃透視は、森を見ることが得意ですが、木を見ることは苦手です。
内視鏡は、木を見ることは得意ですが、森すなわち胃全体を1枚の写真で把握することはできません。


参考になるHPがありましたので、ご覧ください。↓↓
 http://www.katsuda-ichouka.or.jp/stomach-syorei1.htm

スキルス胃がん 早期発見

2009年02月17日 | スキルスや若年性 胃がん

スキルス胃がんは胃粘膜表面が比較的、正常構造を保ったまま、粘膜下層や、筋層などへ広く浸潤していくがんです。粘膜表面は一見、正常のように見え、臨床診断上ではスキルス胃がんの早期発見がいまだに難しいとされています。スキルスの初期像を見ると、胃底腺領域に発生する未分化型のがんだそうです。早期の未分化型の胃がんのほとんどは、浅い陥凹性病変。つまり胃がん取扱い規約で言う0-Ⅱcということになると思います。つまり、0-Ⅱcをたくさん発見すればするほど、それだけスキルスの芽をつぶすことに繋がっていくと思います。胃透視では、わずかなバリウム斑を見逃さないようにすることが大切です。以前、早期発見法について書きました。参考にしていただけたらと思います。 下の症例、ちなみにスキルスではありません、ご了承を。↓ http://blog.goo.ne.jp/sukikupi/e/dfcfaf316b8fb20cce4329d2d0279087

バリウムを用いた検査では、胃全体を一枚の写真で、表現することができるため、胃全体のわずかなバランスを見極めることができます。内視鏡検査は、葉っぱ一枚一枚をくまなく見るのは得意ですが、その葉っぱのもととなる、木全体を見渡すことは苦手です。
とはいっても術者の読影力が優秀であれば、検査法問わず早期のスキルスを指摘することは可能と考えます。
胃全体がやせ細る前の状態で発見する。それが私たち、胃検診従事者の最大の使命と考えます。


若年性早期胃癌

2008年10月21日 | スキルスや若年性 胃がん

若年性早期胃癌の特徴について触れておきます。早期発見の糸口になれればと思います。
1.若い女性に多い
2.自覚症状として心窩部痛を訴えるものが多い
3.部位は胃体部、Mが多く他部位は少ない
4.早期がんの型はⅡcまたはⅡc+Ⅲで潰瘍をもつものが多い
5.組織型は圧倒的に未分化で印環細胞がん
6.手術予後は早期であれば、中年期と同様に予後は良好である

別に若年に限ったことではありませんが、良性潰瘍と誤診しないように注意が必要です。

スキルス胃がんの特徴

2008年09月11日 | スキルスや若年性 胃がん

スキルス胃がん。それは胃がんの中でも、極めて予後が悪いがんであります。

ある統計によると、5年生存率は約10%程度です。
全胃がんのおよそ10%を占めるようです。

胃の粘膜表面にはごく軽度の異常でしか認められないため、早期診断が難しいとされています。
しかし、早期発見にはX線検査が極めて重要であります。
このがんにかかるおもな人は、男性よりも女性、特に比較的若い女性に多いです。
文献を探してみると、痩せ型の女性に多いとも書かれていました。これについては、私は知りませんでしたが…

このスキルス胃がんを早期発見するためにも、一度バリウムを飲んでいただきたいと思います。


もう少し飲みやすくなればよいのになぁ、と感じながらも日々、受ける人にバリウムを飲ませている私であります。

若年性 早期胃がん

2008年09月03日 | スキルスや若年性 胃がん
20~30歳代前半を考えたとき、
男性よりも女性のほうが胃がんになりやすいと統計的に言われています。 若年性の胃がんは決して頻度は高くありません。しかし決して0ではないため、若い方々も検診を受けていただきたいと思います。 文献を調べたところ、家族歴や胃部の症状、そして長期にわたる病脳などを安易に考えないこと、と書いてありました。 検査する側としての教訓です。受診者が若い人でも、手をぬいてはいけません。