バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

高濃度バリウム 恩恵

2008年12月30日 | 胃X線撮影
高濃度バリウム製剤の恩恵は素晴らしいものがあります。

ここ最近のバリウムでは、微細な胃粘膜を描出できるようになりました。
それは内視鏡にも決して劣らない、微細な病変を指摘可能としました。











がん予防 みその力

2008年12月29日 | 予防 胃がん 

みそは、こうじ菌とバクテリアなどの微生物によって発酵し、熟成したダイズタンパク質が、より消化吸収しやすいアミノ酸に変化してできたもので、米にはない必須アミノ酸が含まれているそうです。

みそには、殺菌や防腐効果があります。

またみそには、整腸作用があり腸の汚れを浄化してくれます。新陳代謝がよくなります。


以下に示すのは、とある調査の結果であります。

40歳以上の26万5千人を13間追跡し、みそ汁を毎日飲む人と、時々飲む人、あまり飲まない人、全く飲まない人の胃がんの発生率を調べたところ、毎日飲む人たちが全く飲まない人たちよりも、各段に低いというのです。

みそのパワーは絶大のようです。
一日に一回は、みそ汁を飲みたいものです。


唾液 がん抑制

2008年12月27日 | 予防 胃がん 
今日は、唾液ががん予防に効果あるという話をします。

食べ物を口に含んだときなど、良く噛むことで唾液がたくさん分泌されます。
唾液腺から不老長寿のホルモンといわれるパロチンが血中に放出されます。

また唾液中には、10種類以上の酵素が含まれているとされており、その中のペルオキシダーゼは、種々の発がん物質の解毒や、発がんの元凶と注目されている活性酸素を消去する作用があります。

とある大学の教授の発表では、
「一口で30回以上かむと十分に唾液が出る。唾液は30秒で発がん物質の毒性を消す」と主張されております。


がんの予防には、よく噛むことが大切だということですね。

私はあまり早く食べるほうではありませんが、これからはもう少しゆっくり噛んで、食事をしようと思います。




本当にがんは、なかったのか!!

2008年12月26日 | 早期胃がん発見 Point


突然ですが最近思うことがあります。それは……。
本日受けた人の中には、本当にがんがなかったのか!!ということです。
付着良好な二重造影法を駆使し、透視観察を併用し、いかなるがんをも発見する!!
これが自分のめざす道ではありますが、
なかなかがんを指摘できません。発見率にして0.30~0.40%に留まってしまっております。

とある格言に、
バリウムにがんが写ってはいない。しかし、そこにはがんがあった!!
というものがあります。
バリウム付着は生命線です。


本当にがんは存在しなかったのか。

各部位ごとの最適撮影体位をイメージしつつ、検査を行っておりますが、最近なかなか発見能力が上がりません。

もしかしたらルーチン検査の限界に近づいてきているのでしょうか。胃粘液の存在したままの、そして発泡剤投与でのルーチンでは、指摘困難なのか。


胃がんの肉眼形態 亜分類

2008年12月25日 | 胃(全般)


肉眼形態は、胃がん取扱い規約に準じております。とある胃の学会誌を引用しました。
これをみてわかるとおり、陥凹型を主体とした胃がんが多いことがわかります。
いかに陥凹型を発見できるかが重要になってきます。

もし、あなたが胃透視をしている人間でありながら、陥凹型の所見を知らないのであれば、
陥凹型を主体としたX線写真を数多く見るようにしてください。最近の胃X線の本を見ればいくらでも載っています。
必ずや撮影中、自分の眼で、胃がんを発見できるようになるでしょう。


補足:Ⅱa+ⅡcやⅡc+Ⅱaは隆起した成分を含むため、透視観察中では容易にバリウムをはじき発見しやすいと思われます。したがって私的に隆起のほうに入れました。これにはおのおのの意見があると思います。
もし間違っていたり、勘違いしていたりしていれば、申しわけありません。



がん検診 お誘い合わせのうえ

2008年12月24日 | 胃(全般)


検診を行う意味は、より早期の段階で異常を見つけることであります。
早期で発見すれば、その分、予後が安心できます。

がん検診をとってみると、肺がんをはじめ、胃がんや大腸がん、乳がん、子宮がんなどがあります。
これらは早期の段階で発見できる検査法が確立されています。
早期で発見されやすいということは、他のがんに比べて、命の補償があるということになります。

今現在のがん検診では受診率の低迷が問題となっているようです。
助かる見込みがあるにも関わらず、検診を受けていなかったがために、命を落とす。これは残念でなりません。
がん検診の受診率は、程度の差はあれど約10%くらいでしかないようです。

胃がん検診を例にとってみると、毎年バリウム検査を受けることによって、早期の胃がんで発見された方はたくさんいらっしゃいます。
逆に、進行がんで発見される多くの方は、久々に検査を受けにきた方、すでに体調の優れない自覚症状のある方です。

より多くの方が、がん検診を受けていただことを願ってやみません。
みなさん、お誘い合わせのうえ、気軽に検査を受けていただきたいと思います。

そして万が一、異常を指摘された場合には、きちんと内視鏡検査を受けてくださいね。

集団検診で 異常を指摘されたら

2008年12月21日 | 胃(全般)
胃の集団検診では、バリウムを飲んで胃内に病変があるのか、ないのかを判断していきます。
胃にはさまざまな病変ができます。ポリープができたり、潰瘍ができたりします。
一般にポリープは、透亮像と言われたりします。潰瘍はニッシェとか言われたりします。
胃透視で病変の存在が疑われた場合には後日、胃内視鏡検査を受けていただくことになります。もっと詳しく病変を視るためです。
受けるようにと指示された方はすみやかに、内視鏡検査を受けていただきたいと思います。

内視鏡検査を 薦められた人の中には、潰瘍ができたり、潰瘍を繰り返していたりして、胃粘膜に傷を残した場合も多いですね。
そう言った場合にはもう集団検診を受けるのではなく、毎年、同じ医療機関で内視鏡を受けていただき、しっかりと経過を観察されたほうが良いと思います。



胃透視を行う術者は、精度の高い病変の存在診断を行える写真を撮影する。
そして異常が指摘された場合には、単に病変がある写真を撮影するのではなく、良性悪性の判別を行える写真を撮影していくことが大切だと思います。



集団検診 あくまでめざすは内視鏡レベル

2008年12月18日 | 早期胃がん発見 Point


最近、自分の撮影した写真にがんがありません。
今年はトータルで10例くらい早期胃がんを発見していると思いますが、昨年のペースには届かない気がします。今年のがん発見率は0.30%くらいでしょうか。


検診で、より小さな早期胃がんを発見するためには、本年で発見された写真だけではなく、前年以前の撮影画像を検討することが、レベルアップに繋がると思います。なぜ、前年で胃がんと診断できなかったのかを考えることが大切です。
前年以前は、がんが小さ過ぎて見えなかったのか・・・。それとも写し出されてはいたが、指摘は困難であったとか・・・。検討すれば、いくらでも勉強になると思います。
前年以前の撮影画像を検討することは、非常に勉強になります。
他人が撮影された写真の胃がん症例をみたとき、この部位に存在する胃がんはどのタイミングで発見できるのかをつねに考えていくわけです。
あたかも自分ががんを見つけたかのように、イメージしていくのです。


一般の症例検討会では、X線、内視鏡、病理組織像などを比較検討していきます。
残念ながら、私はそのような検討会には興味を持たないようです。
もしかしたら、これ以上の読影知識を身に着けないような気がしてなりません。

一日50人以上を撮影する、検診施設で業務を行っている施設に所属しているため、そのような気持ちになるのでしょうか。
精密X線写真にはあまり興味を持たない自分がいます。
実際の現場では、特に高齢者相手には、精密X線写真のような画像を描出することはできません。
私は環境的に厳しいルーチン画像で、小さな胃がんを発見することに興味を持っております。
明日も出張先で40人以上撮影する予定です。明日も一人あたり約4分半で撮影します。

いかに短時間で、しかし高度な透視技術で小さな胃がんを発見する!!!
それは内視鏡にも匹敵する。それが私の胃がん検診に対する気持ちであります。








他人の新撮影法 追加撮影なし編

2008年12月17日 | 胃X線を受診される方へ
今日もコツコツと、他人が撮影した写真も所見チェックしました。ちなみにうちは全てデジタルで胃の写真をチェックしています。

うーん正直、他人が撮影した写真のチェックほど難しいものはありませんね。透視観察上で確認できないわけですから。きれいに撮ってくれればわかりやすいのですが…。
今日はひと症例、浅く不明瞭な陥凹性病変らしきものに出会いました。バリウム斑の中に透亮像も認められているような…所見でした。
部位は噴門直下、小彎でした。
残念ながら追加撮影がされていません。
今回の症例では、胃形がねじれていて、高度な萎縮性胃粘膜でありかつ、べたつきもありました。病変の存在がわかりにくくなっていました。

私は異常と疑われる箇所に対して、基準撮影データを拡大させ、それを分割し、あたかも追加で分割写真を撮ったかのように編集し、直しました。

これにより読影時には、基準撮影8枚プラス元データ編集写真1枚の、合わせて9枚で画像が並ぶことになります。
9枚になるため、読影医は必ず目を通してくれます。
ここで読影医が、「確かに悪性を疑う。よしっ、ひっかけよう!」となってくれれば良いのですが、もし…!!
「これはたまたま泡が重なっているだけ!」とか「この程度の所見は異常としてはとれない!」と言われると、スルーされてしまいます。つまり異常なしとなってしまいます。

私の過去の胃がん発見経験から考えると、あの写真は0-Ⅱc様に見えます。
今日は改めて、撮影者の技術格差を痛感する日となりました。

なんとか要精密にしたいです。読影は翌日です。



技師全員がみな、がんに対して追加撮影を行う。
なかなか難しい問題のようです。

最近、早期がんが多い

2008年12月16日 | 早期胃がん発見 Point
最近はあまり、胃がんの症例に出くわしません。出会っても月に1回程度です。
発見時が早期がんばかりになってきました。
施設全体でみても早期がんばかりです。

定期的受診の方ばかりなので、発見されても早期が多いのでしょう。

大変良い傾向であります。今後も続けば良いですね。

定期的に受けていない方が近くにおられたら、誘ってあげてくださいね。



あなたの大切な命

2008年12月13日 | 早期胃がん発見 Point
今日は記事にあった内容を書きます。

男性の2人に1人。女性の3人に1人ががんになる時代であります。

現在、日本では胃がんの5割以上が完治しているようです。

早期胃がんの段階で手術すれば、実に93%が完治しているそうです。
中期の胃がんでは50~70%程度。
さらに進行し、周囲のリンパ節転移があった場合には、30~40%程度の完治率だそうです。

これからわかることは、がんが浸潤していくにつれて、治る確率が減っていくことです。

早期胃がんの状態で発見できた場合は93%の完治率!!!

これはすごいことだと思います。
早期胃がんの段階では、一般に自覚症状が少ないです。

検診を受けることの重要性が理解できると思います。
年間、胃がんで亡くなる方は約5万人と言われたりします。

国民がみな。定期的に検診を受ければ、胃がんで命を落とす人は必ず減るでしょう。



バリウム検査の魅力

2008年12月12日 | 早期胃がん発見 Point
今日は胃透視検査の長所をみていきたいと思いますが、その前に胃透視の目的にはおもに二通りあることを説明します。

胃透視には
①スクリーニングといって、多くの受診者を簡便に短時間で、そして高い精度で持って異常の判別を行うパターン
②内視鏡でがんと確定診断された人に対して、がんの形態や、がんの深さ、範囲を詳細に検討する手術前の検査
の二通りがあります。

一般に、①は検診と呼ばれています。
②は精密検査と呼ばれています。

ここでは私が普段、従事している①の検診での長所について触れます。

胃透視、検診での長所は短い検査時間で、正常異常の判別や良性悪性の判断をも可能とすることです。
仮に、日本の成人した全人口に対して、胃の検査を施行しようとした場合、内視鏡検査単独では到底、数をこなせないでしょう。
もし仮に内視鏡検査を集団検診で行っている検査時間に匹敵する早さで施行したら、たちまち内視鏡検査の精度は低下してしまう恐れが考えられます。
そしてもう一点。胃透視が今もなお多くの検診施設で行われている理由は、胃透視は医師だけでなく放射線技師も撮影可能であり、人材確保がしやすい点。医療費人件費のコストが低い点が挙げられると思います。

ずらずらと胃透視の良さを挙げていきましたが、内視鏡検査の長所を最大限に生かすためにも、スクリーニング検査では胃透視の持つ特性を最大限、引き出すことが大切だと考えます。

胃透視の従事する放射線技師のみなさま、これからもともに切磋琢磨しながら、力を伸ばしていこうではありませんか。

バリウムのほうが楽な気がします

2008年12月11日 | 胃X線と内視鏡の比較

去年、胃の心窩部痛(みぞおちのあたり)に痛みを感じたため、内視鏡検査を施行してもらいました。
結果的には異常所見を認めず、胃粘膜の萎縮も見られませんでした。医師には単なる神経的なストレスが原因なのではないかと言われました。

今日はそのときの内視鏡検査、体験談について話したいと思います。
正直なところ、内視鏡検査はつらかったです。
管を飲み込むまでが、きつかったですね。喉を通過し始めてからはわりと楽でしたが。
印象としてバリウムのほうが全体的に楽だと感じました。バリウムの味はおいしくないですが、飲めないことはないです。私は、ゲップは不思議と出なかったです。


人の意見はさまざまで、胃カメラのほうが楽だという人もたくさんいます。
私も慣れれば、カメラのほうが楽と感じるのでしょうか。また体験してみようかな




胃透視を、みんなで盛り上げていきたい

2008年12月04日 | 胃X線を受診される方へ


胃透視は誰が撮影しても、同じような写真が撮れるわけではありません。
同じX線と言っても胸部X線に比べて、再現性の低い検査です。
これが撮影者間の技術格差に繋がっています。
昨日、胃の講習会に参加してきましたが、胃透視の撮影技術を向上させるためには、熱意と執念が必要であると教えられました。
撮影者が、絶対に胃がんを見つけるのだという強い気持ちが、撮影技術の向上、そして読影能力の向上に結び付くのです。


講習会では、新・胃X線撮影法に準じていない施設もあることがわかりました。腹臥位の撮影では、圧迫用の布団を用いていないと言います。とても前壁撮影とは思えない写真でした。精度格差には相当な開きがあると知らされました。

どこの施設でも、誰が撮影しても、同じような精度。
この理想に少しでも近づく努力をしていかなければならないと強く感じた講習会でした。

一人だけ技術に抜きんでいても、意味をなしません。この技術を、他の人にも継承していく必要があります。
近々、地元で初心者向けの勉強会や症例検討会を開設する予定です。もちろん私自身もその勉強会で多くのことを学んでいきたいと思います。
技師みんなで力をつけて、胃透視を盛り上げていきたいと考えております。