バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

分化型の0-2c あなたならどう見つける

2016年03月14日 | 早期胃がん発見 Point
こんにちは、すきくぴです。
周囲の粘膜とさほど変わらない分化型がん。未分化型がんに比べるとその所見は軽微です。
特に5mmから10mmあるいは20mm未満の大きさの分化型0-2cを胃透視にて発見しようとした場合、透視の観察が重要になってきます。一瞬のバリウムのはじきやたまりに気づく必要があります。
今週、職場内の勉強会でそのあたりをレクチャーできればと考えています。

陥凹型分化型胃がんの発見

2016年03月03日 | 早期胃がん発見 Point
こんにちは、すきくぴです。
陥凹型の分化型胃がんは、未分化型と比べその凹凸変化に乏しいのが特徴です。そのためバリウムを付着させて撮影するだけでは発見困難なことがしばしばあります。
バリウムを流す際、バリウムのはじきやたまりをの有無を確認することが重要になってきます。


一瞬の油断が見落とす

2015年09月24日 | 早期胃がん発見 Point
こんばんは、すきくぴです。
今日も胃透視をしました。その中でお一人。早期胃がんと思われる症例に出くわしました。胃角部後壁にある不整形なバリウム斑を確認しました。バリウム斑の周囲は、盛り上がっていました。
バリウムを流したさい、バリウムが残るところに気づきました。大きさにすると5~10mm程度です。一瞬の油断が見落としに繋がります。慢心せず明日も胃透視なので、気を引き締めていきたいと思います。

腸に重なって、病変発見難しい

2015年09月20日 | 早期胃がん発見 Point
こんにちは、すきくぴです。
今日も日曜出勤でした。連休の間にも関わらず、胃がん検診には30名程度受けにこられました。

さて、胃がん検診受診後、要精密検査となり、先日、内視鏡検査を受けられた方がいらっしゃっいました。その方は、私が先月、胃X線検査をした方で、隆起した病変を追加撮影していました。内視鏡画像をみてみると、確かに隆起した病変がありました。ただ隆起した病変は他にもあり、より軽微な隆起を内視鏡で指摘されていました。
病理結果をみると、私が指摘した隆起は良性であり、私が指摘せず、内視鏡で指摘された隆起が高分化型の胃がんでした。

がんと診断された場所を、X線画像で確認したところ、腸へのバリウム流出があり、指摘が困難でした。また胃X線の透視像を、動画で残しているのですが、その透視像をみると、バリウム流出との重なりはあるが、バリウムのはじきを確認できました。ただ、撮影中には気づけませんでした。

普段から注意深く透視観察をしていますが、バリウム流出を伴う場合には、最低2回は、同じところへバリウムを流し、透視観察する必要があります。今回の反省です。
本症例は、極早期の胃がんでした。

我ながらまだまだ勉強が足りません。すきくぴでした。

前庭部大彎に存在した早期胃がん

2014年11月05日 | 早期胃がん発見 Point
こんばんは。今日は、頭痛のまま胃X線検査の検診に従事しました。
今朝から頭が痛く、頭痛薬を飲んだのですが、いまひとつ効きが悪く、調子の悪いままの検査となってしまいました。
そんな中、30人程度検査を行いましたが、その中でおひとり、早期胃がんであろう症例に出会いました。前回でもお話ししましたが、目的部位とするところへバリウムを流したり溜めたりして撮影していたところ、前庭部大彎付近にうっすらと溜まる所見を確認しました。中々うまく撮れなく、計0分程度検査時間を要してしまいましたが、なんとか存在診断が可能であろう像が撮影できました。頭が痛くても発見できてよかったです。
本症例は約1㎝程度の分化型0-Ⅱc、粘膜内がんを考えますが、さてどうでしょうか。
昼からはお休みをいただき、寝込んでしまいました。
早く治りますように。

胃X線検査における病変発見のコツ

2014年11月01日 | 早期胃がん発見 Point
おはようございます。
胃X線検査における病変発見のコツです。
胃X線検査では、検査中でバリウムを胃の粘膜に付着させて撮影していきます。
その際、胃粘膜に病変があった場合、例えば隆起したものであれば、バリウムがはじき、陥凹していればバリウムが溜まります。
ガイドラインには予め決められた撮影体位があります。撮影する前には決められた部位にバリウムを流すことを意識しながら、前述したように病変の有無を確認していきます。

幽門前部に対する胃がんの早期発見

2014年02月01日 | 早期胃がん発見 Point
こんにちは。管理人すきくぴです。
今日は幽門前部に対する胃がんの早期発見について触れます。
集団検診で行われている胃がんx線検診は、二重造影単独の撮影となっています。
そのため、胃の出口とされる幽門前部の胃がんがしばしば見逃されます。
人間ドックなどで行われる胃がんx線検診では、幽門前部を重点的にねらう撮影が組み込まれているため、見逃しが少ないのですが、集団検診では、そこが今後の課題です。



陥凹性小胃癌

2013年04月09日 | 早期胃がん発見 Point
胃と腸 2006年 04月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
医学書院


こんばんは、管理人すきくぴです。
先日は、次回の、胃と腸のテーマが、微小胃癌であると記載しましたが、
ここ最近を振り返ってみますと、それに似たテーマがありました。それは、陥凹性小胃癌の診断です。2006年4月号にて特集されています。

一つ、中身を紹介しますと、背景粘膜と発生部位が、二重造影での描出の度合いを評価したという内容が記されていました。小胃癌は小胃癌でも背景粘膜や発生部位によって、描出のされ方が違っているというのです。

実際の検診現場において、ただ撮影するのではなく、一度、撮影したものを評価する余裕がほしいものです。そうでなければ、撮影技術向上はあり得ません。

毎日のできることは限られていますが、今日も少しでも良いので、学習したいと思います。

胃と腸 2006年 04月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
医学書院

腹臥位圧迫で胃角部や、胃角小彎近傍病変を拾う

2012年09月30日 | 早期胃がん発見 Point
こんばんは、ご無沙汰しております。管理人すきくぴです。

 今日は、早期胃がん発見のさらなるコツをお話していきます。
皆さまもうよくご存じだと思いますが、胃X線撮影法ガイドラインに基づいた検査には、少なからず弱点があります。例えば、空気量の多い基準撮影は、少ないときに比べ、胃角の小彎やその近傍の病変が接線方向として現れやすくなり、病変の種類や大きさなどにもよりますが、発見が難しいことがあります。

 よく勉強されている方は、もうご存じかもしれませんが、これらの部位の病変は、腹臥位圧迫を使うと効果的に発見できることがあります。
 胃形に対して、少し厚めの枕を使い、わざと胃角小彎やその近傍をつぶすように押さえ、そして透視観察しているのですが、これが大変有効です。圧迫の強さは、ルーチンの立位圧迫で行っているような、わずかに胃粘膜面の凹凸を表現できるような弱めのイメージです。寝台の角度は、水平位で行っています。

 腹臥位の圧迫を透視観察したあと、呼吸をうまく利用しながら、つぶれていた胃粘膜を戻し、そして前壁のバリウムの流れを観察したのち、逆傾斜にして頭低位の前壁撮影を行っています。
 
 実際に、この方法を用いて、胃角小彎少し後壁寄りの分化型の0-Ⅱc早期胃がんを発見することができました。この部位は空気量が多かったり、胃がねじれていたりすると、中々透視観察で拾いあげるのが難しいように思います。また、私が携わっている対象者というのが、住民検診なのですが、体位変換が難しい方がしばしばおられ、良好な二重造影が撮影できていないことも加わって、基準撮影のみでは、あまり指摘できていないのが現状です。非常に腹臥位圧迫は有用と考えています。

 ただ、この方法は、胃形に対して厚めの枕を使っているため、呼吸を使っても圧迫された状態を改善できず、ガイドライン本来の前壁二重造影が撮れないこともあります。その場合には、薄めの枕に入れ替えて検査するのですが、時間がかかってしまうのが、この方法の欠点と言えます。また、胃の形や、受診者に痛がられたりする場合もあり、腹臥位圧迫が、全例通用するものではありません。

 これらの点を踏まえてですが、もし、まだ腹臥位圧迫を試みられていない方は、試してみてください。
 それでは、今日はこの辺で失礼します。
 
 

撮影中における空気量について

2012年07月23日 | 早期胃がん発見 Point
ご無沙汰しております。管理人すきくぴです。
今日は、撮影中における空気量についてです。

現在の対策型検診(住民検診)では、撮影前に、発泡剤5g程度を飲用したから検査を行っている施設が多いかと思いますが、より広い範囲を、より短時間で、胃粘膜面や胃辺縁を正しく読んで胃がんの発見をしていこうとなると、5g程度が最もであると思います。
しかしながら、実際の現場では、がんの発生部位にもよりますが、胃がんの早期発見できていないことがあります。
例えば、幽門前庭部に対しては、空気量が多く、屈曲を起こしやすく接線方向での描出となりやすいことが挙げられます。
また、幽門前庭部は、他の部位と比較して、一般に分化型がんが発生しやすいところです。例えば5~10mm程度の腫瘍径で考えた場合、陥凹型未分化型がんに比べると、陥凹型分化型がんのほうが、正常粘膜との境界が不明瞭となりやすいため、胃内の空気量が多いと、そのわずかな凹凸を表現、あるいは透視観察で発見することが難しくなってきます。
それらを踏まえて撮影しているため、検査中においてゲップが出たりすると、逆にチャンスと思って検査をしています。適度に空気がぬけるとわずかな異常な凹凸を発見できることがしばしばあります。もちろんルーチン画像を撮り終えてなければ、発泡剤を足し、空気量をもとに戻すようにしていますが、空気量を操ることがさらなる病変発見のコツと考えます。

前庭部後壁に対する早期胃がんの発見について

2012年04月16日 | 早期胃がん発見 Point
こんばんは、管理人のすきくぴです。
今日は、前庭部後壁に対する早期胃がんの発見について触れます。
皆さまご存じのとおり、前庭部の胃がんは他の胃の部位で比べても、比較的胃がんの発生しやすい部位です。
さて、そこで、今日は前庭部の後壁に対して、うまい具合に早期発見するためのコツといいますか、普段から行っていることを教えていただきたいと思います。
胃X線検査の検診には、対策型胃X線検査と、任意型X線検査がありますが、各々の工夫を教えていただければと思うのですが、どなたか良い技をお持ちではないでしょうか?

胃X線の病変発見と追加撮影 主に側面について

2010年12月05日 | 早期胃がん発見 Point
こんばんは。
皆様いかがお過しでしょうか?
胃透視の調子はいかがですか?

最近、私の胃透視中における所見の気付き方に変化が現れてきました。
今日はそれについてお話しします。


実は近頃、私はポジショニング時での透視観察で、正面のみならず側面や斜位から異常所見に気付けるようになってきました。例えば、背臥位の第1斜位の撮影時に、側面として異常に気付き、背臥位の第2斜位でその病変を正面視で確認できるようになりました。あるいは逆に、背臥位の第2斜位で側面として現れていることに気付き、背臥位の第1斜位にすると正面というように。


胃X線の撮影では、撮影する部位と視るべきところをきちんと把握して撮影することが求められます。例えば背臥位の第1斜位では、主に体部の大彎と前庭部の小彎を視る体位ですが、目的とする部位はそれだけではなくて、側面として現れる部位が存在します。考えてみたら当たり前のことなのですが、最近そのあたりを意識できるようになりました。

今まで病変の正面ばかり考えていましたが、先輩方から側面も撮ることの重要性を教えていただいたおかげで、このように、病変の側面像に対する意識や撮影技術が向上しています。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございます。


先日は、背臥位の正面や背臥位の第2斜位のポジショニング時、側面??にある複線化に気付いたので、とりあえず側面と思われるところを追加で撮影しました。このとりあえずがポイントなのですが、のちに触れることにします。これからお話しする内容は、最近うまく側面が撮れていたのに、失敗してしまったケースです。

腹臥位の撮影中、透視にて体中部前壁やや小彎寄りにバリウム斑とその周囲の透亮像の存在に気付きましたので、腹臥位の第1斜位にし、病変部が正面となるようにし、二重造影の1、2法を撮影しました。
撮影後、側面の写真と正面の写真を比較してわかったことなのですが、側面は背臥位の第2斜位、もしくは腹臥位の第2斜位のどちらかになると思うのですが、背臥位のほぼ正面で撮影し、複線化として撮影されていました。
もし仮に、背臥位の正面で辺縁に複線化があれば、病変の正面は体中部小彎ですよね。

本症例で感じた点です。側面や斜位で病変に気付けるようになったことは病変発見からしてレベルアップしていると実感しました。
しかし、いきなり側面から試みたため、今回失敗してしまったと感じています。
今までどおり、まずは正面がどこかを正しく認識する。そのあとに側面の撮影に入る。
側面に近いところで気付いたからといって側面から撮るのは失敗します。慣れたら側面からでもうまく撮れるのでしょうか??今の私では、このあたりが精いっぱいです。




追記)背臥位の正面と背臥位の第2斜位を行き来しているさいのポジショニング時に、側面に現れた複線化といいますか、伸展性が呼吸具合によって悪く見えたりなど。腹臥位撮影時前に異常を疑えた能力を身に付けたことに、自己のパワーアップを感じました。
この複線化は、体中部前壁の小彎寄りだとすぐ言えるようになることが今後の課題です。
技術向上を確信した瞬間というのは大変遣り甲斐あります。そして撮影技術向上はそのまま受診者の方たちの精度向上に直結します。今後も頑張ります。

長くなりましたが、今日はこのあたりで失礼します。管理人すきくぴでした。