バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

撮影中における空気量について

2012年07月23日 | 早期胃がん発見 Point
ご無沙汰しております。管理人すきくぴです。
今日は、撮影中における空気量についてです。

現在の対策型検診(住民検診)では、撮影前に、発泡剤5g程度を飲用したから検査を行っている施設が多いかと思いますが、より広い範囲を、より短時間で、胃粘膜面や胃辺縁を正しく読んで胃がんの発見をしていこうとなると、5g程度が最もであると思います。
しかしながら、実際の現場では、がんの発生部位にもよりますが、胃がんの早期発見できていないことがあります。
例えば、幽門前庭部に対しては、空気量が多く、屈曲を起こしやすく接線方向での描出となりやすいことが挙げられます。
また、幽門前庭部は、他の部位と比較して、一般に分化型がんが発生しやすいところです。例えば5~10mm程度の腫瘍径で考えた場合、陥凹型未分化型がんに比べると、陥凹型分化型がんのほうが、正常粘膜との境界が不明瞭となりやすいため、胃内の空気量が多いと、そのわずかな凹凸を表現、あるいは透視観察で発見することが難しくなってきます。
それらを踏まえて撮影しているため、検査中においてゲップが出たりすると、逆にチャンスと思って検査をしています。適度に空気がぬけるとわずかな異常な凹凸を発見できることがしばしばあります。もちろんルーチン画像を撮り終えてなければ、発泡剤を足し、空気量をもとに戻すようにしていますが、空気量を操ることがさらなる病変発見のコツと考えます。