バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

立位の圧迫撮影を勉強しないと。

2010年11月22日 | すきくぴの独り言
こんにちは。皆さまいかがお過ごしでしょうか??
最近、当施設の任意型検診の撮影体位が変わりまして、立位の圧迫撮影が入りました。
他施設に所属されている方々からにすれば、慣れている撮影方法であるかと思いますが、私たちは、立位圧迫撮影に関しての知識などが乏しいため、苦慮しています。

普段から皆さまは、どのようにして圧迫していますか??
コツとかあるのでしょうね。

次回の研究会ではその辺のあたりを、撮影技術並びに読影力を持ち合わせたレベルの高い方に話してもらう予定ですが、今から待ち遠しいです。


私は、胃透視が好きなのでしょうね。最近よくそう思います。
救命可能な胃癌の発見が、検診における胃X線検査の目的ですが、それは実際に透視している私たち技師がそれに気付き、撮影していく。医師は、そんな私たちの写真を読みます。

本当にやりがいある検査ですよね。私たちの撮影技術や所見を認識する能力が伴わないと、医師に良い写真が提供できませんし、受診者への的確な診断ができません。

あなたの施設の胃癌に対する発見率は、どれくらいですか??
早期胃癌発見率はどうですか??
毎年受けに来られる方に対しては、もちろん多くの症例で早期胃癌で発見していますよね??自分の撮った写真には責任を持っていますよね??


胃X線検査の精度がよく問題になったりしますが、精度といえばマンモグラフィーで有名な乳がんでもそうですし、肺がんもしかり。皆どの検査においても精度向上に頑張っています。
がん検診だけではありません。

私は、MDCTを用いて心臓を栄養している冠動脈の狭窄の有無を調べる検査も行っていますが、疾患はがんだけではありません。
つねに検査への精度向上を考えながら検査したいものです。

ただ私は、現状のままで良いのかと自問しているだけですがね・・・。
今日も偉そうなこと書きましたが、私の身近にはポテンシャルの高い人が多いように思います。この環境に感謝ですね。

それでは失礼します。管理人すきくぴでした。







集団検診による胃透視 警告

2010年11月18日 | 胃X線を受診される方へ
こんばんは。皆さまいかがお過ごしですか??
今日は、地方へ胃がん検診の出張に行ってきました。
住民健診、30人ほど撮影して帰りましたが、受診者の平均年齢70歳以上もあって、1時間に10人がやっとでした。

今現在は、高濃度低粘性バリウムを用いての二重造影法単独による撮影。そして圧迫枕を用いた前壁の撮影などによって、早期胃癌をはじめとする微細な病変を、集団検診においても描出することがより可能となりました。

最近の胃がん検診は、以前に比べて精度の向上が言われるようになりました。
皆さまご周知の通り、右回りローリング回数が2回転より3回転と、体位変換の多いほうが、より二重造影で微細な胃粘膜を描出することができます。

しかしながら1日の撮影件数と費用効率などを考えた場合、撮影時間を短縮しようとすると、どうしても体位変換を省くしか方法がありません。一日の予定撮影件数が多い日には、体位変換であるローリングを省かないといけないのかと思う気持ちがありつつも、いやいや体位変換の数を増やして少しでも胃粘膜をきれいに描出させてから撮影し、より多くの早期胃癌を発見するのだと言い聞かせては検査しています。体位変換を増やすとその分精度は上がりますが、費用効率は落ちます。たしかに難しいところではあります。
しかし、特に早期胃癌の発見を目的とした場合、右回りローリングの回数を減らすわけにはいきません。


終わりになりますが、集団検診を行っている方々に特に聞きますが・・・。
あなたの施設は、きちんと右回り3回転を基本とした胃X線検査を行っていますか??
ただ単に利益を得るだけの検診はやめましょう。そんなことでは早期胃癌の発見はほとんどできません。胃癌を発見するだけの時代はもう昔の話です。


きちんと圧迫枕を用いて前壁撮影を行っていますか??
安易に腹臥位の第2斜位にして、大彎撮影をしていませんか??前壁しっかり見えてますか??

そして最後に、あなたの行っている施設はきちんと、自分の施設で発見された胃癌の症例を把握していますか??
施設によっては、集団検診でも、逐年検診群の早期胃癌発見率は80%を超えています。あなたの施設は80%超えていますか??
うちの施設は、早期胃癌発見率など知らないというのは論外ですよ。



いろいろと生意気なことを書きましたが、これからも受けられる方々のために、少しでも世に貢献したいと思います。日ごろより私を指導してくださる先輩方に感謝です。ありがとうございます。


胃X線における病変発見のタイミング 

2010年11月11日 | 早期胃がん発見 Point
こんばんは。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。

さて、唐突ではありますが・・・。私は最近疑問に思っていることがあります。



検診で行う胃透視は、早期胃癌をはじめとする救命可能な胃がんの発見を目的としていますが、いざ、勉強しようとしたとき、どうして胃がん発見時の透視像もしくはその動画が教科書として私の周りにないのでしょうか??

よく書籍や学会など、症例検討に参加すると決まって
「胃透視は透視観察が重要である、透視観察をすることでより早期の胃がんを多く発見できる。」と言った話しを聞きます。



「じゃあ、実際に早期胃癌を見つけた時のルーチン中における透視を見せてよ!!。」
と、思います。


幸い、当施設では透視像を録画する機能が搭載されています。
したがって、自分が発見したときの、検診ルーチンにおける早期胃癌の発見ポイントが録画できればうれしいですね。


新人教育に役立つ。また自分の透視観察に対する反省。
さらには、実際に早期胃癌を発見した透視観察を、他の施設などにもみてもらえるような
システム作りが大切と感じます。


夢は、仮称「胃集検における早期胃癌発見の透視像、20例」


胃透視の撮影件数は、年に4000例。胃がん発見率は0.40%。これからもなんとか世に貢献したい。そう思う自分です。
これからも皆さまご指導くださいませ。私の周りのこのよき環境が、本結果に繋がっているのだと実感しております。


これからもよろしくお願い致します。

胃角部小彎

2010年11月03日 | 胃(全般)
こんばんは。
今日は、胃X線における胃角部小彎に存在する病変についてお話します。

解剖学的に胃角部は、みなさまご存じのとおり、正面視することはできません。
そのため、きれいに胃角を側面視した体位が必要となります。
例えば、隆起性病変であれば、その立ちあがり。陥凹性病変であれば、側面ニッシェというように、きれいに側面を撮影すれば、所見を拾うことができます。
しかしながら、実際の臨床現場ではしばしば、胃X線では病変を指摘できないのに、内視鏡で指摘できる症例に出会います。

当施設における、胃角部小彎に存在する病変の症例を検討した結果、潰瘍瘢痕や浅い陥凹を呈する胃がんなどの指摘が困難であることがわかってきました。
一方、ポリープやadenomaなどの隆起性病変は、指摘可能でした。


次回の研究会では、他施設と胃角部小彎病変の症例を出し合って検討します。

私自身、以前から胃角部小彎における病変発見がテーマでしたので、次回の研究会が非常に楽しみです。

精度向上にむけてまた一歩、前進しましょう。