バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

X線検査と内視鏡検査の精度比較 2

2017年06月16日 | 胃(全般)
こんにちは、すきくぴです。

今日はX線検査と内視鏡検査の精度比較についてお話します。

先週の日曜日に、とある学会でこの精度比較を発表しました。

細かいところはこの場では省きますが、胃がん発見率を見ますと、X線が約0.6%に対して内視鏡が約1.5%でした。

受診者の年齢や性別はX線と内視鏡にほとんど差がありませんでした。

胃がん発見率は2倍以上、内視鏡のほうがX線よりも高いです。

今年度から住民検診において、内視鏡検診が導入されました。

内視鏡検診の普及が望まれます。



当センターで行われた胃がん検討会に参加して

2017年02月24日 | 胃(全般)
こんにちは、すきくぴです。

先日、当センターで胃がんの検討会が行われました。

逐年受診群で発見された胃がん症例が3例と、ピロリ菌感染の有無を胃X線画像にてチェックする症例が10例ありました。

逐年受診群の3例は、前年の画像で所見を拾えるもの拾いにくいものがありました。

ピロリ菌感染の有無10例は、現感染や既感染、自然消失など、難しい症例がありました。

今回も非常に勉強になりました。ありがとうございました。

ゲップ我慢のコツ やはり検査前が有効か

2016年10月06日 | 胃(全般)
こんにちは、すきくぴです。
このブログでは過去何度も胃透視でのゲップを伝えています。
ゲップ我慢のコツとして
顎をひく。
唾を飲み込む。
これらは大変有効な手段です。
ゲップを我慢できればそれだけ、胃の中の空気量は維持され撮影もしやすく、検査時間が延長しにくいです。
できるだけゲップは我慢したいものです。

胃X線検査 撮影台逆傾斜の検討

2016年01月14日 | 胃(全般)
こんにちは、すきくぴです。
ただいま胃X線検査の撮影台逆傾斜の検討を行っています。
撮影台の逆傾斜は胃がんの早期発見には必要な動作です。
しかし逆傾斜は少なからず危険を伴います。
そのため撮影台の逆傾斜を減らしても、胃がんの早期発見が可能かどうかを試みています。
少しでも安全な検査をめざして。すきくぴでした。

内視鏡検診 対策型検診に推奨する

2015年04月20日 | 胃(全般)
こんにちは、すきくぴです。
内視鏡が対策型検診に推奨するとグレードがIからBへと変わりました。
つまり今後、住民検診において、胃X線検査か胃内視鏡検査かを受診者が選べる時代がくるということです。一部の地域ではすでに始まっています。私の住む地域はまだ選べませんが。

またヘリコバクターピロリ菌に感染している方が年々減ってきています。今回の有効性評価に基づく胃がん検診ガイドラインでは、検診対象者は50歳以上が望ましいとしています。


日本消化器がん検診学会で発表して

2014年12月20日 | 胃(全般)
お疲れ様です。すきくぴです。
今日は先日行われました日本消化器がん検診学会に参加した内容についてです。
この度の学会では、胃がん検診に関する精度について発表しましたが、座長や会場の方から、胃がん発見率が高いに要精検率が低いことに関してお褒めの言葉をいただきました。
全国平均より高い精度の当センターですが、これからも精進して検診に従事したいと思います。

胃がんの発生は

2014年05月22日 | 胃(全般)


おはようございます、すきくぴです。今日は胃がんの発生についてお話しします。胃がんは、胃の粘膜層にある細胞から発生します。
前述したように、粘膜の細胞が傷ついたりして、細胞ががん化します。

胃X線や胃内視鏡検査で発見されるようになるには、このがん化した細胞の数が、何億個という単位になってからです。
肉眼で確認できるようになるには、何年もかかります。


がんの発生する仕組み(2)

2014年05月21日 | 胃(全般)


おはようございます、すきくぴです。今日は、がんの発生する仕組みの続きです。

がんというのは、正常細胞が傷つき、異常をきたし、異常が積み重なることで発生します。
通常、身体の中では、がん抑制遺伝子が働き、細胞が傷ついても、その細胞は修復されたり、死滅させたりします。
しかし、このがん抑制遺伝子に異常が起こると、正常な細胞は修復されず、がん細胞が増殖していくことになります。
がんは、遺伝子の異常です。





がんの発生する仕組み

2014年05月20日 | 胃(全般)
おはようございます。すきくぴです。今日はがんの発生する仕組みについてお話しします。

がんとは、無制限に増殖するものです。

からだの細胞にある遺伝子の一部に異常が起こると、勝手に細胞分裂を繰り返し増えていき、周囲の細胞を破壊しながら大きくなります。

そしてがんの恐ろしいところは、身体の他の臓器などに飛び火することです。この飛び火を転移といいます。

転移したがんは、手術をしても完全に取り除くことができません。


先日の記事にも記載しましたが、転移をしてしまうと助かる可能性が低くなるため、
より早期の段階で発見し、治療することが大切です。

今日も、検診の質向上のために、撮影した胃X線画像を見ながら反省している自分です。
より良い検査をめざして。
すきくぴでした。

胃がんX線検診の受診間隔について

2014年05月16日 | 胃(全般)


おはようございます,すきくぴです。今日は胃がんX線検診の受診間隔についてお話しします。
胃X線による胃がん検診は毎年の受診(逐年検診)が奨められていますが、乳がんや子宮がんは隔年検診です。
少し古いデータですが、間接X線による胃がん検診ではその効果は2年間持続するとの報告があり、がん検診の受診率が向上すれば、胃がん検診も隔年でよいのではないかという議論もあります。
当センターでは、住民検診を行っていますが、毎年受診される人より、2年ぶりに受診される人のほうが、進行胃がんで発見されるケースが多いです。
やはり早期で発見されるほうが、助かりやすいことが多いため、少なくとも胃がんX線検診は、毎年受けたほうが良いのではないでしょうか?
また、ヘリコバクターピロリ菌(以下、ピロリ菌)が胃がんになりやすいリスクであることは、本ブログを通じて何度もお話していますが、
ピロリ菌に感染している方は、毎年の受診を行うべきであり、そうでない方は隔年の受診で良いといえそうです。
当センターで発見される胃がんの症例をみても、ピロリ菌に感染している方がほとんどです。


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昨日より今日、今日より明日。ひとつ進歩を。

胃液について(2)

2014年05月15日 | 胃(全般)
おはようございます。すきくぴです。
今日は、胃液の続きです。

胃には、胃底腺粘膜というものがあり、その中には主細胞や壁細胞、そして副細胞が存在します。
主細胞はペプシノーゲンを、壁細胞は塩酸を分泌し、副細胞は粘液顆粒を有します。

胃は、私たちにとって非常に重要な役割をしています。


胃液について

2014年05月13日 | 胃(全般)
こんにちは、すきくぴです。
今日は、胃液についてお話します。

胃液は、主に胃底腺から1時間あたり、約30~100ml、1日あたり1~2ℓ分泌されます。無色透明で粘り気のある体液であり、含まれる塩酸は胃酸とも呼ばれ、通常pH1.0から1.5程度の強酸性を示します。胃液には、塩酸および酸性条件下で活性化するタンパク分解酵素(ペプシン)が含まれており、これによってタンパク質を分解しペプトン)、小腸での吸収を助けます。

胃液が一日に約1~2ℓ分泌されているとはすごい量ですよね。

今日も基礎的な内容ですが、良い勉強になります。

昨日より今日、今日より明日。ひとつでも進歩を。