バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

村上の分類 びらんや潰瘍

2009年10月29日 | 胃(全般)
胃潰瘍は英語で、Gastric ulcerと言ったりします。

潰瘍の粘膜欠損がどこまでの層に及んでいるのか。
それには村上の分類が役立ちます。

Ul-Ⅰ 欠損が粘膜にとどまり、粘膜筋板に及ばないもの。
Ul-Ⅱ 粘膜筋板が断裂し欠損が粘膜下層に及ぶもの。
Ul-Ⅲ 欠損が固有筋層まで及ぶもの。
Ul-Ⅳ 固有筋層を断裂するようなもの。

Ul-Ⅰは、びらん。
それ以上を潰瘍というそうです。

今日は、胃透視で出会う胃潰瘍とその一つの分類指標について書きました。


それでは今日はこの辺で。
おやすみなさい。

明日は金曜ですね。平日最後。
明後日からは休みなので、うれしいですね。
最近、週末になるのが早いなぁ。

ときにはゲップを、利用する

2009年10月28日 | 早期胃がん発見 Point
こんばんは。
今日は、皆さん、いかがお過ごしでしたか??
私は今日も胃透視でした。

今日は、胃体中部前壁に存在する隆起性病変の追加撮影に苦労しました。
出会った症例は、隆起性病変の丈が低い、正面で撮ろうとしたら、椎体と重なるなど。存在診断すら危うい状態でした。
しかし、ひととおりのルーチンを撮影後、ゲップが出ていたので、それを逆に利用しました。
再度、腹臥位の撮影を試みました。

胃粘膜があまり引き延ばされていない状態で撮影できたため、容易に存在診断可能な二重造影の1法、2法を撮影することができました。
病変自体は柔らかいのか、空気中等量のほうが容易にチェックできました。
隆起性病変の範囲を読み取ることができました。
このように空気量を変えた追加撮影は、ときに存在診断でも役に立つと思いました。


内視鏡写真からの追跡

2009年10月27日 | 胃X線と内視鏡の比較
こんばんは。
今日は、皆さん、どのような日でしたか??

私は胃透視の連戦で、眼が疲れぎみです。パソコンに向かう時間を削って眼を休めないといけないですね。


さて今日は、院内の胃がん検診の結果、特に悪性所見を追跡してみました。

最近の胃がん成績は以下のようでした。

① 基準撮影できちんと撮影がなされてはいるが、積極的に悪性異常を読み取れるところがない。しかし、胃粘膜全体が荒れているので、念のため、内視鏡検査を施行すると、胃がんが発見された。



上記のような場合、内視鏡写真があるのであれば、その写真を用いて、胃X線写真と対比、比較検討することが必要となってきそうです。

なぜ、X線上で、積極的に異常所見を指摘できなかったのか。
例えば、腸の流出が問題であったのか。撮影体位が厳密には良くなかったのか。あるいは、空気量が多すぎるまたは少なすぎたなど。
いろいろあると思います。

次回の勉強会では、その辺を煮詰めていく必要がありそうです。



巨大皺襞、巨大ヒダ

2009年10月25日 | 胃X線読影
おはようございます。

今日は、胃透視をしていて、耳にする言葉を簡単に紹介します。

今日は、巨大皺襞(きょだいすうへき)です。



巨大皺襞とは・・・胃底腺部のヒダが、著明に肥厚し、脳回状を呈する状態のことを指すそうです。

胃の粘膜ヒダの大きさは通常5mm前後のうようですが、1cm を超えるものを巨大ヒダすなわち、巨大皺襞と判断するそうです。


巨大皺襞を伴う主な疾患は、肥厚性胃炎や胃がん、胃悪性リンパ腫などいくつかあるようです。
実際の撮影現場では、それぞれの特徴をつかんだうえで、追加撮影するなり、試行錯誤することが求められるのでしょう。


発泡剤を小分けにして飲む

2009年10月22日 | 胃X線を受診される方へ
こんばんは。
今日は、以前にも話した内容ですが、発泡剤の飲み方について書きます。

胃透視をしていて、バリウムより発泡剤を飲むのに苦労される人のほうが多いように思います。
発泡剤は5g以上を推奨されていることが多いと思いますが、この発泡剤量は舌の上に乗せたときには、なかなかの量だという印象を受けます。

日々検査をしている私自身が飲むときも、一瞬、気合いを入れて飲むほどの量です。



普段、薬局などで処方される粉薬の量は、発泡剤より少ないと思います。
薬局で処方される量を飲むのに苦労される方は、あらかじめ、発泡剤を飲む場合には、医療従事者に「小分けにしてほしい。」と頼んでみるのも良いかもしれません。
実際の現場では、
「小分けならなんとか飲める。」
と安心する方がいらっしゃいますよ。


バリウム 固まる

2009年10月21日 | 胃X線を受診される方へ
こんばんは。
今日は、バリウム検査後のバリウム排泄について簡単に触れます。


便秘ぎみの方はバリウム便が出ず、腹痛を伴ってしまうことがごく稀にあります。


3、4日に一回しか便通がない人は、バリウム検査を控えたほうが良いのでしょうか??
1週間便通がない人は、バリウム検査を行わないほうが良いのでしょうか??
受診者すべてが、便秘症ではないのですが、便秘ぎみの方はどれだけ苦労されているのでしょうか。

どこで検査施行の線引きをすれば良いのでしょうか。


今日は、普段疑問に思っていることを書きました。


スキルス胃がんとゲップ

2009年10月19日 | スキルスや若年性 胃がん
こんばんは。
今日は、胃内の空気量について簡単に触れます。

発泡剤は5g以上を推奨している施設が多いかと思いますが、胃内の空気量は多めで撮影しましょう。

先日、胃内の空気量が少ないために、スキルス胃がんと判断してしまいそうな症例に出くわしました。
空気量が減り、胃が必要以上にしぼんでしまうと、胃の広範囲が硬化したりするスキルス胃がんであるかどうかの判断に迷います。
空気量が多いのに、狭窄したり、硬化したりしていると、スキルス胃がんの診断の大きな判断材料になります。
しかし、空気量が少ないと、単に少ないからしぼんでいるのか、もしかしたら本当に狭窄したりしているのか、判断に困ります。

受診者の方からすれば、ゲップは我慢していただきたいです。
ゲップが出てしまうと、診断に迷いが生じてきます。
胃X線検査の強みは、なんといっても胃の広い範囲を、一枚の写真で見ることができることです。スキルス胃がんの診断には威力を発揮します。

ゲップ、我慢してください。しんどいですけどね。

バリウム 気分が悪い

2009年10月17日 | 胃X線を受診される方へ
こんばんは。

先日、胃検診で、検査途中に気分が悪くなり、検査を中止したケースがありました。

その方にあとで聞くと、「ここ最近寝不足で体調が優れないが、受けにきた。」
とおっしゃっていました。

定期的な年1回の受診は大切ですが、本ケースのように、体調が悪いときには受診を延期するのも必要なのかなと思いました。

検査室の雰囲気やそのにおいなど。
普段の生活とは違った環境で検査するわけです。
そして、検査時には緊張もするでしょう。

そういった様々な要因が重なって、気分が悪くなったのでしょう。


体調が悪い時には、検査を急がず、身体の状態が回復してから受けていただきたいと思います。



受診者の方の気持ちはわかりますが、そのときの体調が一番大切なのかなと思います。

蚕食像

2009年10月12日 | 胃X線読影
こんにちは。

今日は、普段胃透視をしていて、出会うことのある用語について簡単に触れます。

「蚕食像」
についてです。

蚕食像は、Ⅱc型の胃がんに認めれることが多く、陥凹型の胃がんに認められることが多いようです。

蚕食像は、蚕が桑の葉を食べる際、その桑の葉の形態が似ていることの由来されているそうです。

* 蚕→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%B3

蚕食像はまたの名を、虫食い像ともいうそうです。

すでに知っている方も大勢いると思いますが、今日は、簡単に胃透視出会う用語について触れました。


それでは、皆さま、良い連休を。

その人の長所短所

2009年10月11日 | すきくぴの独り言
こんばんは。今週は世間は3連休です。
私も幸いなことに3連休となりそうです。

さて今日は、ドライブやランチなど、まったりできた休日でした。


早速、本日の話題なのですが、今日は、人の長所短所について触れます。

いきなり質問なのですが、

① その人の長所を一早く感知し、その人にそれを伝え、その長所を伸ばそうとする人間。

② その人の短所を見て、その短所を言う。短所を改善し、その人を伸ばそうとする人間。


唐突で申し訳ないのですが、皆さまは①と②、どちらが自分なら良いですか??


理想論は、短所を改善し、長所を伸ばすことが良いと思います。





感謝でいっぱいです。

2009年10月10日 | すきくぴの独り言
こんばんは。

皆さま、連休はいかがお過ごしでしょうか??

ここ最近、さまざまな方からのコメントがあります。

どの方のコメントも、私にとって影響力の高いものばかりです。

一人だけの力では未熟です。
普段から皆さまに支えられているのだなと、日々、感謝でいっぱいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

気になる、不安になるときは、撮る

2009年10月09日 | 胃(全般)
おはようございます。

胃透視を撮影するとき、その画像がデジタルであれば、追加した写真に必要性を感じなければ、後から削除することも可能です。

とりあえず、気になった箇所は何枚か撮影する。このひとつの動作があるかないかが、今後のレベルアップに左右されると感じます。

病変があるのかないのかわからないと確信を感じない場合にも、バリウムを厚くかぶせたり、薄くかぶせたりした写真をとりあえず撮る。

撮影終了後、時間のあるときに画像を編集したり、削除したり、レポートを書けばよいと思います。

気になったり、不安になる場合には、とりあえず追加で撮ってみましょう。その写真を後で、チェックに長けている先輩に見てもらったりすればよいと思います。
そして、もし異常がなさそうであったならば、それはそれで良いと思います。
ひとつひとつ検討する積み重ねがレベルアップを可能とするのでしょう。





透視と熱意

2009年10月08日 | 胃X線を受診される方へ
おはようございます。

先日も何度か、胃透視をしました。

受診者の胃の状態によっては、胃粘液が厚く乗っていたりすると、きれいなバリウムの付着が見込めなかったりします。

しかし、二重造影法1法の力が発揮できそうにないからといって、検査に妥協するのではなく、二重造影法の2法を有効活用する。
つまり、透視観察でわずかな凹凸を判断し、写真に描出させることが求められます。

きれいに撮れないからといって妥協するのはなしで。
しつこく透視観察で補っていきたいものです。


検査に余裕を持つこと

2009年10月07日 | 胃(全般)
こんばんは。

今日は、胃上部に発生するがんについて触れます。

私が普段、逐年受診群を検討していると、胃上部にできる胃がんは発育するスピードが速いような気がします。
進行胃がんで発見されるケースが、中部や下部に比べて多いのです。

実際、文献をみると、「胃上部のがんは、形態学的に乏しい症例が多く、報告数が多い。」と書かれています。
形態学的に乏しい症例をルーチン中に捕まえるためには、余裕のある検査が大切でしょう。
その日の撮影件数が立て込んでくると、つい急ぎ足で撮影してしまい、焦る気持ちもあるかと思います。

しかし、撮影中は丹念に病変の有無をチェックする余裕を持ちたいものです。

さらなる早期発見には、余裕のある検査も大切かと感じます。