新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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ヤドリギ:寄生木(花が咲いています) 

2013-04-07 08:29:26 | 植物観察1日1題
珍しく桜の木に低くついているヤドリギ:寄生木(ヤドリギ科ヤドリギ属)が花をつけていました。
ふつう寄生木は高い木についていることが多くて、まぢかに花を見るのは初めてでした。
落葉広葉樹に寄生する常緑の小低木で、枝は緑色で丸く、ふつう二股分岐を繰り返して丸まった樹形をつくります。対生する葉は長さ3~6cmの倒披針形で厚みがあります。
2~3月、枝先の葉の付け根に小さ黄色の花をふつう3個ずつ咲かせます。
宿主の落葉樹が葉を落とした冬でも青々としていて、不思議な生命力を感じさせるのか、洋の東西を問わずヤドリギを神秘的な目出度い木として見ています。
昨年12月9日の本欄でも取り上げましたが、古代イギリスの伝説風習にKissing Under The Mistletoeというのがあって、Xmasの寄生木の飾りの下では、女性は誰にでも遠慮なしにキスすることが許されるといいます。ルーツは北欧神話にあって、古代ヨーロッパでは、落葉した木に青々と茂り寄生木を春の精と考え、木の精が宿るとし、太陽復活の儀式植物になっていたそうです。そんなことから寄生木とその宿主を聖なるものと崇めていて、これがキリスト教に融合したものとされています。

万葉集でもヤドリギを寄生(ほよ)と呼んで、このように歌われています。
天平勝宝二年正月二日に、国庁にして饗を諸の郡司等に給ふ宴の歌一首
“あしひきの 山の木末(こぬれ)の 寄生(ほよ)取りて 
挿頭(かざし)つらくは 千年(ちとせ)寿(ほ)くとそ“ 大伴家持 巻8-4136



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