新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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サルオガセ:猿尾枷(サルオガセは木を枯らさない) 

2010-08-16 14:53:06 | 植物観察1日1題

八ヶ岳連峰最北端に位置する蓼科山の山ろくで見かけたサルオガセ:猿尾枷です。地衣類のサルオガセ属は、日本に約30種あまり記録されており、多くは写真のように基部の1点で木の枝に付着し、髭のように長く垂れ下りますが、外形がよく似た種が多く、分類は難しいといいます。
よくバスガイドなどが、サルオガセを指して、これがつくと木が枯れるといった風な説明をすることがあります。確かに針葉樹の枯れ枝を覆いつくすように付着しているのを見ると、至極もっともなような気がするものの、多くの場合真実ではないそうです。木が枯れると細枝や葉が落ちて地衣類の生活環境がよくなり、生育がさらに旺盛になるのでこのように見えるのであって、菌糸は樹皮の表面近くにとどまっていて内部に進入することはなく、ヤドリギのように樹皮から栄養を吸収することもしません。地衣の豊かな森林は、土壌が栄養に富むとされており、地衣類は逆に森林土壌の栄養価を高めるのに一翼を担っているともいえるそうです。

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