大山寺の参道脇の古木に絡みついたツルマサキ:蔓柾・蔓正木(ニシキギ科ニシキギ属)が赤い実を見せていました。
各地の山野の林内などに普通に見られる常緑のつる植物で気根をだして樹上によじ登ります。
10~11月、直径5~6mm球形の果を熟します。熟すと4裂し、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。
上代神事に使われたという真析の葛(まさきのかずら)はこのツルマサキの古称だという説があります。古事記の天の岩戸で、天の宇受賣の命が“天の日陰(ヒカゲノカズラ)をたすきに掛け、天の真析を鬘として…”とあり真析の葛はもしかしたらツルマサキであったかもしれません。もっとも真析の葛はテイカカズラの古称だという説もあります。両説あるのはツルマサキとテイカカズラの幼木がよく似ていることと関係があるかもしれません。