
イチョウ:銀杏(イチョウ科イチョウ属)の花が咲いています。
生きた化石:古生代にジュラ紀に全盛、属として1.5億年以上生き続けてきたイチョウは、中国原産で、平安末期ごろ日本に渡来し、わが国には自生林はありません。
裸子植物の中でも特異な形態で裸子植物の主流である針葉樹とは葉形や外観は大きく異なります。
種子植物で精子を形成するのは、イチョウとソテツだけで、その精虫による受精を発見したのは、イチョウが平瀬作五郎氏、ソテツが池野成一郎と、ともに日本の研究者であったことは有名な話です。
イチョウは雌雄別株で、4~5月葉の展開と同時に開花します。
雄花も雌花もともに短枝に束生し、雄花は長さ2cmほどの円筒形、雌花は長さ2~3cmで、細長い柄の先に胚珠が2個つき、ふつうは1個だけが成熟します。
風に運ばれてきた花粉が胚珠内に入り、花粉室で発芽して精子ができます。精子は8月下旬ころから放出され、液中を泳いで卵細胞を受精させます。受粉して受精に至るまで非常に長い期間が必要なのです。