立久恵峡(出雲市乙立町)を巡る遊歩道の岸壁に何かの菊が生えていました。まだ蕾も見えていないので、カンギクの仲間か何かとあまり気にも留めずに通り過ぎましたが、あとから宿の御所覧場の主人の話で、オッタチカンギク(キク科キク属)といって、ここにしかない希少種だということを知り、急いで写真を撮りにゆきました。
オッタチと聞いて、草が直立するところからきているのかと思いましたが、そうではなくオッタチは“乙立”で、立久恵峡があるこの町の名前でした。
帰って図鑑を引くと、“島根県出雲市乙立町で見つかった。葉が小さく3中裂する。総苞外片は線形”と、確かに載っていました。
花や果実がないとあまり見向くことがないむかごですが、知らずに行ったところでこんな珍しい植物に会ったことがうれしく、葉だけのこの草をとり上げました。