Sightsong

自縄自縛日記

ジャスティン・ブラウン『NYEUSI』

2018-07-08 16:02:30 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジャスティン・ブラウン『NYEUSI』(Biophilia Records、2015年)を聴く。

Justin Brown (ds, Fender Rhodes, synth, Yamaha DX7)
Mark Shim (Wind Controller)
Jason Lindner (Moog Synth, Prophet, Mopho, Schoenhut Piano)
Fabian Almazan (Fender Rhodes, Mopho, Wurlitzer, Laptop)
Burniss Travis (b)

アンブローズ・アキンムシーレやジェラルド・クレイトンらのバンドで異次元のドラミングを聴かせてくれたジャスティン・ブラウン。

それだけに大きく期待したのだが、正直言ってあまり面白くはない。確かにジェイソン・リンドナーやファビアン・アルマザンのきらびやかなシンセサウンドの中で、重力を無視して空中を跳躍し、リズムもスピードも自在に変えるブラウンは素晴らしい。しかしそれにしても、これでは刺激が無さすぎる。時代遅れにさえ感じる。

●ジャスティン・ブラウン
アンブローズ・アキンムシーレ『A Rift in Decorum: Live at the Village Vanguard』(2017年)
アンブローズ・アキンムシーレ『The Imagined Savior is Far Easier to Paint』(2014年)
パスカル・ルブーフ『Pascal's Triangle』(2013年)
ジェラルド・クレイトン『Two-Shade』、『Life Forum』(2009、13年)
デイナ・スティーブンス『That Nepenthetic Place』(2010年) 
カーロ・デローザ『Brain Dance』(2009年)
アンブローズ・アキンムシーレ『Prelude』(2008年)


メテ・ラスムセン+タシ・ドルジ『Mette Rasmussen​ / ​Tashi Dorji』

2018-07-08 14:45:58 | アヴァンギャルド・ジャズ

メテ・ラスムセン+タシ・ドルジ『Mette Rasmussen / Tashi Dorji』(2016年)を聴く。

Mette Rasmussen (as)
Tashi Dorji (g)

このふたりにドラムスのタイラー・デーモンを加えたトリオによる『To The Animal Kingdom』の前日に吹き込まれた演奏である。

タシ・ドルジの音は、もはやインプロとかジャズとか言うよりも呪術と呼ぶべきか。翌日のトリオの方がインパクトが大きいのではあるけれど、このデュオも十分に凄い。やはりそれはメテ・ラスムセンのアルト演奏が身体と直結しているからであって、そうすると、彼女が突破するものが多いほどサウンドのインパクトが強化されるということか。

いや、ソロやクリス・コルサーノとのデュオを思い出せばそうとも限らないか。

●メテ・ラスムセン
Kiyasu Orchestra Concert@阿佐ヶ谷天(2017年)
メテ・ラスムセン@妙善寺(2017年)
メテ・ラスムセン+クリス・コルサーノ@Candy、スーパーデラックス(2017年)
メテ・ラスムセン+クリス・コルサーノ@Candy(JazzTokyo)(2017年)
メテ・ラスムセン+タシ・ドルジ+タイラー・デーモン『To The Animal Kingdom』(2016年)
ドレ・ホチェヴァー『Transcendental Within the Sphere of Indivisible Remainder』(JazzTokyo)(2016年)
メテ・ラスムセン+ポール・フラハーティ+クリス・コルサーノ『Star-Spangled Voltage』(2014年)
シルヴァ+ラスムセン+ソルベルグ『Free Electric Band』(2014年)
メテ・ラスムセン+クリス・コルサーノ『All the Ghosts at Once』(JazzTokyo)
(2013年)
『Trio Riot』(2012年)


Ken Gトリオ with 村上俊二『The Reason』

2018-07-08 10:48:20 | アヴァンギャルド・ジャズ

Ken Gトリオ with 村上俊二『The Reason』(Noke Jazz、-1995年)。

Kenji Shimizu 清水ケンG (ts)
Shunji Murakami 村上俊二 (p)
Hiroshi Isogane 磯金弘 (b)
Koichiro Kurachi 倉知幸一郎 (ds)

当時聴いたのだが、最近見つけて確保した。

清水ケンGさん(清水ケンG→ケンG→清水賢二)の初リーダー作である。演奏は山口県のポルシェであり、このあと1998年にはSun Shipのやはり最初のアルバム『Live at "Porsche"』が吹き込まれている。両者には村上俊二さんがピアノを弾いているし、その後もMikaramなどのバンドを通じて共演を続けている(本盤の1曲目も「Mikaram」)。

それにしても熱い。Sun Shipにも引き継がれている、どジャズの熱さである。

村上さんの前へ前へと猪突猛進するピアノも既に聴き取ることができる。清水さんは後年のジョー・ヘンダーソンを思わせるスタイルではなく、よりストレートだ。いまはどうなっているのか興味津々。普段は山口や福岡を拠点にしているが、ときどき関東にも出てきて演奏を行っている。いつか機会を見つけて観にいくつもりでいる。

●清水賢二
Ken G『Cry of the Wild』(2008年)
Ken G『Last Winter』(2005年)
清水ケンG『Bull's Eye』(1996年)


高島正志+古池寿浩+秋山徹次「Blues Frozen Xīng ブルース 凍てついた星」@Ftarri

2018-07-08 09:42:37 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarri(2018/7/7)。

(秋山さんの写真を使っていただいた)

Masashi Takashima 高島正志 (ds, GITM)
Toshihiro Koike 古池寿浩 (tb)
Tetuzi Akiyama 秋山徹次 (g)

ファーストセットはインプロ、セカンドセットは高島さんの作曲。

高島さんのスタイルはかなりユニークだ。GITMというエレクトロニクスからは、明に空間を攻めるサウンドが発せられるのではない。むしろ気が付くとドローン的にたゆたっていたり、突然介入してきたりする。フィードバックが秋山さんのスライドギター、古池さんのトロンボーン、両者のスライドと重なるあたりはかなり覚醒的である。またドラミングは、研ぎ澄ませて選ぶというよりも、ひとつひとつの音要素をそのものとして提示するようだ。

古池さんのトロンボーンは、確信犯的にふたりを横目で視て、仕事であるかのように空間を埋めていった。ときにはふたりと重なり合った。また、秋山さんのギターは、ファーストのアコースティックにしてもセカンドのエレキにしても、この連続的なサウンドの中に響くたびに、たいへんなリアリティのようなものを感じさせた。

セカンドの曲は、テキストや譜面や音の進行のイメージ図が描きこまれたものであった。ファーストのインプロと共通する点がありつつも、ドローンやハウリングから脈動のブルースへと化していくものに感じられた。面白いのは、この工作にあたり、3人の演奏という行為だけが抽出されたように印象に残ったことだった。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4

●高島正志
高島正志+河野円+徳永将豪+竹下勇馬@Ftarri(2018年)

●古池寿浩
藤井郷子オーケストラ東京@新宿ピットイン(2018年)
ふいご(2008年)

●秋山徹次
ファビオ・ペルレッタ+ロレンツォ・バローニ+秋山徹次+すずえり@Ftarri(2017年)
池田謙+秋山徹次@東北沢OTOOTO(2017年)


永武幹子+齋藤徹@本八幡cooljojo

2018-07-08 08:08:01 | アヴァンギャルド・ジャズ

本八幡のcooljojoにおいて、永武幹子・齋藤徹デュオ(2018/7/7)。

Mikiko Nagatake 永武幹子 (p)
Tetsu Saitoh 齋藤徹 (b)

エリントンとモンクの昼。永武幹子さんは驚くほど緊張していたし、齋藤徹さんも思うところがあったに違いない。余韻はだんだん消えていくものだが、今回に限っては妙に大きくなってきて、まだ残っている。またとない時間を共有したのかなと思っている。そんなわけで詳細後日。

1st set:
1. Reflections (Monk) / 2. Four in One (Monk) / 3. Lotus Blossom (Strayhorn) / 4. I Let a Song Go Out of My Heart (Ellington) / 5. Take the Coltrane (Ellington)
2nd set:
1. Jackie-ing (Monk) / 2. Come Sunday (Ellington) / 3. Caravan (Ellington / Tizol) / 4. Ugly Beauty (Monk) / 5. I Mean You (Monk) 

この日は齋藤徹さんの手術後1年。そして7月9日になって、ミシェル・ドネダ、レ・クアン・ニン、今井和雄のトリオによる演奏が松戸の旧齋藤邸で行われる前に、吉報がもたらされたのだった。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4

●永武幹子
永武幹子+類家心平+池澤龍作@本八幡cooljojo(2018年)
永武幹子+加藤一平+瀬尾高志+林ライガ@セロニアス(2018年)
永武幹子+瀬尾高志+竹村一哲@高田馬場Gate One(2017年)
酒井俊+永武幹子+柵木雄斗(律動画面)@神保町試聴室(2017年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)
永武幹子+瀬尾高志+柵木雄斗@高田馬場Gate One(2017年)
MAGATAMA@本八幡cooljojo(2017年)
植松孝夫+永武幹子@北千住Birdland(JazzTokyo)(2017年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)

●齋藤徹
かみむら泰一+齋藤徹@本八幡cooljojo(2018年)
DDKトリオ+齋藤徹@下北沢Apollo(2018年)
川島誠+齋藤徹@バーバー富士(JazzTokyo)(2018年)
齋藤徹+喜多直毅@板橋大山教会(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+外山明@cooljojo(2018年)
かみむら泰一+齋藤徹@本八幡cooljojo(2018年)
齋藤徹+喜多直毅+皆藤千香子@アトリエ第Q藝術(2018年)
2017年ベスト(JazzTokyo)
即興パフォーマンス in いずるば 『今 ここ わたし 2017 ドイツ×日本』(2017年)
『小林裕児と森』ライヴペインティング@日本橋三越(2017年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
長沢哲+齋藤徹@東北沢OTOOTO(2017年)
翠川敬基+齋藤徹+喜多直毅@in F(2017年)
齋藤徹ワークショップ特別ゲスト編 vol.1 ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+佐草夏美@いずるば(2017年)
齋藤徹+喜多直毅@巣鴨レソノサウンド(2017年)
齋藤徹@バーバー富士(2017年)
齋藤徹+今井和雄@稲毛Candy(2017年)
齋藤徹 plays JAZZ@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
齋藤徹ワークショップ「寄港」第ゼロ回@いずるば(2017年)
りら@七針(2017年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)
齋藤徹『TRAVESSIA』(2016年)
齋藤徹の世界・還暦記念コントラバスリサイタル@永福町ソノリウム(2016年)
かみむら泰一+齋藤徹@キッド・アイラック・アート・ホール(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
齋藤徹・バッハ無伴奏チェロ組曲@横濱エアジン(2016年)
うたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年) 
齋藤徹+類家心平@sound cafe dzumi(2015年)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
バール・フィリップス+Bass Ensemble GEN311『Live at Space Who』(2012年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
齋藤徹による「bass ensemble "弦" gamma/ut」(2011年)
『うたをさがして live at Pole Pole za』(2011年)
齋藤徹『Contrabass Solo at ORT』(2010年)
齋藤徹+今井和雄『ORBIT ZERO』(2009年)
齋藤徹、2009年5月、東中野(2009年)
ミシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm(2007年)
齋藤徹+今井和雄+ミシェル・ドネダ『Orbit 1』(2006年)
ローレン・ニュートン+齋藤徹+沢井一恵『Full Moon Over Tokyo』(2005年)
明田川荘之+齋藤徹『LIFE TIME』(2005年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹+今井和雄+沢井一恵『Une Chance Pour L'Ombre』(2003年)
往来トリオの2作品、『往来』と『雲は行く』(1999、2000年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ+チョン・チュルギ+坪井紀子+ザイ・クーニン『ペイガン・ヒム』(1999年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ『交感』(1999年)
齋藤徹+沢井一恵『八重山游行』(1996年)
久高島で記録された嘉手苅林昌『沖縄の魂の行方』、池澤夏樹『眠る女』、齋藤徹『パナリ』(1996年)
ミシェル・ドネダ+アラン・ジュール+齋藤徹『M'UOAZ』(1995年)
ユーラシアン・エコーズ、金石出(1993、1994年)
ジョゼフ・ジャーマン