Sightsong

自縄自縛日記

『うたをさがして live at Pole Pole za』

2015-05-29 00:13:16 | アヴァンギャルド・ジャズ

『うたをさがして live at Pole Pole za』(Travessia、2011年)を聴く。(齋藤徹さん、ありがとうございました。)

齋藤徹 (b)
さとうじゅんこ (vo)
喜多直毅 (vl)

先日観たライヴ(齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン)において強く印象に残った曲のなかには、テオ・アンゲロプロスの映画をモチーフにしたものがいくつもあった。当初は、アンゲロプロス映画に参加していたエレニ・カラインドルーの作曲なのかと思いもしたのだが、曲想や雰囲気は異なった。すべて、テツさんの手によるものなのだった。

こうして、さとうじゅんこさんによる歌唱とともに展開される曲の数々。『永遠と一日』、『エレニの旅』、『霧の中の風景』から生まれたものである。決して東欧、南欧の雰囲気ばかりではない。「今日は私の日」はサンバとミロンガで踊る女のイメージだ。そして、ことばは主に日本語。境界は無いものではなく、あって越えるもの、越えられないもの。

ベースもヴァイオリンも、ここでは、声との親和性が高い。ビョークが最新作において聴く者の世界に近づいてきたように思えたことも無縁ではない。そして、ことばのイメージが生まれ、流れては、痕跡を残して消えていく。何て不思議なことだろう。

●参照
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
喜多直毅+黒田京子『愛の讃歌』(2014年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
バール・フィリップス+Bass Ensemble GEN311『Live at Space Who』(2012年)
ミッシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
齋藤徹による「bass ensemble "弦" gamma/ut」(2011年)
齋藤徹+今井和雄『ORBIT ZERO』(2009年)
齋藤徹、2009年5月、東中野(2009年)
ミッシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm(2007年)
往来トリオの2作品、『往来』と『雲は行く』(1999、2000年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ『交感』(1999年)
久高島で記録された嘉手苅林昌『沖縄の魂の行方』、池澤夏樹『眠る女』、齋藤徹『パナリ』(1996年)
ミシェル・ドネダ+アラン・ジュール+齋藤徹『M'UOAZ』(1995年)
ユーラシアン・エコーズ、金石出(1993、1994年)
テオ・アンゲロプロス『エレニの帰郷』
テオ・アンゲロプロスの遺作『The Dust of Time』
エレニ・カラインドルー『Elegy of the Uprooting』


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