1995年12月発行
深川中島町の木戸番夫婦、笑兵衛とお捨を中心に、そこに暮らす人々の営みを描いた人情時代小説。「深川澪通り木戸番小屋」シリーズ第3弾。
主要登場人物(レギュラー)
笑兵衛...深川中島町の木戸番
お捨...笑兵衛の妻
弥太右衛門...中島町の自身番に詰める差配人(いろは長屋の差配人)
太九郎...中島町の自身番に詰める書役
神尾左馬之助...北町奉行所定町廻り同心
伝次...岡っ引き(左馬之助の小者)
勝次...賄い屋の弁当運び(元南組三組の纏持ち)
おけい...勝次の妻
第一話 新地橋 第二話
第二話 うまい酒 第三話
第三話 深川育ち 第四話
第四話 鬼の霍乱 第五話
第五話 親思い 第六話
第六話 十八年 計6編の短編連作
新地橋
新地の遊女上がりのおひでは、嘉六と所帯を持ったが、おひでの身請けの為に盗みを働き、遠島となっていた杵二郎が江戸に戻ると聞き、二人の心境に変化が起きる。
件の杵二郎の登場シーンはないが、この人の男気がかなりインパクトがある。そしてラストは大映映画のように、読者の想像力を駆り立て筆を終えている。
主要登場人物
おひで...御御所団子屋
嘉六...笊売り
栄助...読売売り
うまい酒
行き倒れ寸前で深川に着いた、旅の男惣七は、腕の良い左官職だった。やがて世話好きの善蔵と知り合い、左官の仕事を始めるが…。
これぞ中島町澪通りの人情といった感の、心温まる物語。
主要登場人物
惣七...川崎の左官職人
正吉...中島町の左官職人久助の次男
善蔵...油売り
深川育ち
おしんとおみねは、姉妹で小さな居酒屋を切り盛りしていた。客のひとり伊三郎を巡り姉妹は恋の火花を散らす。
居るんだよねえ。こういう男。しかも駄目だと分かっていても引かれてしまう女心。「いやなことは、川に流してしまわれますよ」。お捨の大らかな声が表題である。
主要登場人物
おしん...深川北町居酒屋桔梗屋の姉
おみね...桔梗屋の妹
仁助...菓子職人
伊三郎...正体不明
鬼の霍乱
お捨が病で倒れた。笑兵衛始め、町内の誰もがお捨を案じている。だがそれは、天涯孤独の浜吉には、妬みと羨望をかき立てられる思いだった。
誰でもが年を取れば感じる孤独。そして人によるだろうが、己にない幸せに対する嫉妬。思いも寄らない結末だった。
主要登場人物
清太郎...豆腐屋金兵衛の弟子、上野池之端袋物問屋花菱の総領息子
おうの...清太郎の妻、塗物問屋の娘
浜吉(日本橋木綿問屋三国屋磯右衛門)...深川相生町長屋の店子
親思い
蔬菜の棒手振り豊松は、武士の子だったが、養い親の元、町人である事に不満はない。そんな豊松に某藩から、呼び出しが掛る。
豊松の生い立ちを振り返った話が、込入っており、少し難解だった。
主要登場人物
豊松...蔬菜の棒手振り
吾助...豊松の養父、百姓
おみね...吾助の妻
おげん...吾助の従兄弟
登勢...豊松の母
十八年
家具職人の伊与吉は、三十になり漸くひとり立ちが適ったが、三日ばかり兄弟子の藤松のせいで、出世が遅れたと思っていた。
ひと言で、何時の時代も、腕のある奴は妬みなど抱かない。
主要登場人物
伊与吉...家具職人
藤松...家具職人
岩五郎...家具職人、
伊与吉...藤松の親方
全章、ラスト1行から2行が良い。そしてやはり物語が悲愴な終わり方をしていないのも、このシリーズの魅力である。
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深川中島町の木戸番夫婦、笑兵衛とお捨を中心に、そこに暮らす人々の営みを描いた人情時代小説。「深川澪通り木戸番小屋」シリーズ第3弾。
主要登場人物(レギュラー)
笑兵衛...深川中島町の木戸番
お捨...笑兵衛の妻
弥太右衛門...中島町の自身番に詰める差配人(いろは長屋の差配人)
太九郎...中島町の自身番に詰める書役
神尾左馬之助...北町奉行所定町廻り同心
伝次...岡っ引き(左馬之助の小者)
勝次...賄い屋の弁当運び(元南組三組の纏持ち)
おけい...勝次の妻
第一話 新地橋 第二話
第二話 うまい酒 第三話
第三話 深川育ち 第四話
第四話 鬼の霍乱 第五話
第五話 親思い 第六話
第六話 十八年 計6編の短編連作
新地橋
新地の遊女上がりのおひでは、嘉六と所帯を持ったが、おひでの身請けの為に盗みを働き、遠島となっていた杵二郎が江戸に戻ると聞き、二人の心境に変化が起きる。
件の杵二郎の登場シーンはないが、この人の男気がかなりインパクトがある。そしてラストは大映映画のように、読者の想像力を駆り立て筆を終えている。
主要登場人物
おひで...御御所団子屋
嘉六...笊売り
栄助...読売売り
うまい酒
行き倒れ寸前で深川に着いた、旅の男惣七は、腕の良い左官職だった。やがて世話好きの善蔵と知り合い、左官の仕事を始めるが…。
これぞ中島町澪通りの人情といった感の、心温まる物語。
主要登場人物
惣七...川崎の左官職人
正吉...中島町の左官職人久助の次男
善蔵...油売り
深川育ち
おしんとおみねは、姉妹で小さな居酒屋を切り盛りしていた。客のひとり伊三郎を巡り姉妹は恋の火花を散らす。
居るんだよねえ。こういう男。しかも駄目だと分かっていても引かれてしまう女心。「いやなことは、川に流してしまわれますよ」。お捨の大らかな声が表題である。
主要登場人物
おしん...深川北町居酒屋桔梗屋の姉
おみね...桔梗屋の妹
仁助...菓子職人
伊三郎...正体不明
鬼の霍乱
お捨が病で倒れた。笑兵衛始め、町内の誰もがお捨を案じている。だがそれは、天涯孤独の浜吉には、妬みと羨望をかき立てられる思いだった。
誰でもが年を取れば感じる孤独。そして人によるだろうが、己にない幸せに対する嫉妬。思いも寄らない結末だった。
主要登場人物
清太郎...豆腐屋金兵衛の弟子、上野池之端袋物問屋花菱の総領息子
おうの...清太郎の妻、塗物問屋の娘
浜吉(日本橋木綿問屋三国屋磯右衛門)...深川相生町長屋の店子
親思い
蔬菜の棒手振り豊松は、武士の子だったが、養い親の元、町人である事に不満はない。そんな豊松に某藩から、呼び出しが掛る。
豊松の生い立ちを振り返った話が、込入っており、少し難解だった。
主要登場人物
豊松...蔬菜の棒手振り
吾助...豊松の養父、百姓
おみね...吾助の妻
おげん...吾助の従兄弟
登勢...豊松の母
十八年
家具職人の伊与吉は、三十になり漸くひとり立ちが適ったが、三日ばかり兄弟子の藤松のせいで、出世が遅れたと思っていた。
ひと言で、何時の時代も、腕のある奴は妬みなど抱かない。
主要登場人物
伊与吉...家具職人
藤松...家具職人
岩五郎...家具職人、
伊与吉...藤松の親方
全章、ラスト1行から2行が良い。そしてやはり物語が悲愴な終わり方をしていないのも、このシリーズの魅力である。
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