うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

江戸時代を探検する

2014年01月12日 | ほか作家、アンソロジーなど
山本博文


 2005年1月発行

 江戸時代を知る為の指南書。

第1章  武士とサラリーマン
 武士とはなにか────武士と現代サラリーマン
 忠臣蔵と「かぶき者」────武士の生き方
 参勤交代と江戸の生活────武士としきたり
 江戸留守居役の暮し────武士の交際
 幕府にみる「出世」の仕組み────武士と人事

第2章  江戸時代と現代
 武士たちのリストラ体験────江戸の不況対策
 島原の乱と「ハルマゲドン」────江戸の宗教事件
 宝永四年大坂大地震の教訓────江戸の大震災
 朝鮮通信使随員殺害事件の真実────江戸の対朝鮮外交

第3章  江戸時代〔探検〕の楽しみ方
 大岡越前の裁判────史料とテレビ・ドラマの間
 徳川将軍家・大名家関係史料の調べ方
  はじめに
  人物の調べ方
  将軍の事跡の調べ方
  江戸幕府関係史料概観
  大名家・藩政史料概観
  おわりに
 くずし字史料の読み方
  はじめに
  近世古文書修得法
  必要なのは文章の読解力
  若干の実習
  くずし字解読と古文書学
  おわりに

 江戸時代の出世競争。リストラや官官接待さえもがあった武士たちの世界。また、自然災害や宗教事件に翻弄され、社会不況や外交問題に直面したあの時代の人々の息遣いなど、江戸時代を探るための基本文献の解説からくずし字の読み方までの江戸時代指南。




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江戸切絵図集~新訂 江戸名所図会〈別巻1〉 ~

2014年01月12日 | ほか作家、アンソロジーなど
市古夏生 (著、 編集) 鈴木 健一 (編集)

 1997年4月発行

 近江屋板切絵図32枚を分割して収録。「江戸名所図会」に収載された項目との対照を試みた、末からいまに残る名所古蹟を訪ねる便に供した、江戸地図。

 武家屋敷から町屋まで、武家屋敷は所有者の名称、町屋は町名ありと、江戸好きにはたまらない資料本である。欲しかった一冊。



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散華 土方歳三

2014年01月12日 | 新撰組関連
萩尾農

 1989年5月発行(2005年5月に五稜郭タワー版として復刊)

 芹沢鴨暗殺から函館での死までの土方歳三を、回想を絡めながら追っている。

第一章 雨音
第二章 恋
第三章 崩壊の時
第四章 別離
第五章 宇都宮
第六章 壬生城攻略
第七章 会津
第八章 弧城落日
第九章 蝦夷
第十章 戦いの波
終章 戦士逝く 長編

 芹沢鴨暗殺の夜。新撰組の結束を深める為に厳粛しなくてはならなかった山南敬助の切腹。そして、敗戦に次ぐ敗戦を重ね、鳥羽伏見から甲州、宇都宮、会津へと転戦。
 最期の地、函館での戦いを追いながら、土方歳三の人間らしさを浮かび上がらせる幼年期のエピソードや、恋、友への思いなどを描いている。

 ひと言で言うなら、「土方大好き」の著者渾身のラブレター。土方への愛情と思いを「これでもか」と綴っていったと言っても過言ではないだろう。
 それはさて置き、女性が書いた土方の小説は、このような見方が多いのも事実。そもそもフィクションなのだから、著者の思いが込められているのも当然である。
 フィクション部分の土方の幼年期や、のぶへのシスターコンプレックス(マザコン)などは、面白く興味深かった。
 私が気になったのは、史実との違いであり、会津で別れた筈の斎藤一や、会津には間に合わなかった相馬主計などが、常に傍にいたりなど、女性が苦手とする戦歴に入ると、頭を傾げたシーンが多く見受けられた。
 「土方歳三に恋して」いないと辛い。
 また、物語の進め方が、現在進行形、過去の回想を入り混じらせているが、この書き方は、そうとうに文章力を要し、難しいと思う。

主要登場人物
 土方歳三...新撰組副長→蝦夷共和国陸軍奉行並
 近藤勇...新撰組局長
 沖田総司...新撰組一番隊組長
 斎藤一...新撰組三番隊組長→会津新撰組隊長
 島田魁...新撰組二番隊伍長→守衛新選組隊→箱館新選組頭取改役
 佐藤彦五郎...日野組合村寄場名主(新選組の後援者)、歳三の義兄で従兄弟
 のぶ...歳三の姉で彦五郎の妻
 相馬主計...新撰組隊士→局長付組頭→箱館新選組隊長
 榎本武揚...徳川幕府海軍副総裁→蝦夷共和国総裁
 大鳥圭介...徳川幕府富士見御宝蔵番格→蝦夷共和国陸軍奉行
 さち...歳三の恋人



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