うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

忍びの副業

2023年04月18日 | 畠中恵
2023年3月発行

 太平の世の中で、活動、活躍の場を失っていた甲賀忍びに、次期将軍・家基の警護役として白羽の矢が立った。

忍びの副業 上巻
 第一章 忍びの副業
 第二章 天女の笑み
 第三章 闇の中にあり
 第四章 斑猫の毒
 第五章 甲賀と伊賀

 将軍・家治の唯一の実子・家基の警護役となった弥九郎ら3人は、一族復活の期待を担い、忍びの技を駆使して、職務に励む。


忍びの副業 下巻
 第六章 家を継ぐ者
 第七章 死の一報
 第八章 くノ一の花嫁
 第九章 毒の噂
 第十章 鷹狩り

 家基に、裏切者が出没しているという噂が流れ、「若君殺しの毒」とされる斑猫の毒が売買されているらしい。折しも家基の鷹狩りに先駆け、剣呑な事件が重なって…。

 キャラ説明が丁寧な、畠中氏らしくないと感じた。状況が浮かびにくいのと、内容も推理が先立ち、わざわざ忍び物にする意図が(当方未熟なため)読み取れなかった。

主要登場人物
 滝川弥九郎…甲賀忍者の末裔。四本の打鉤を自在に使う
 望月十郎…甲賀忍者の末裔。首飾曲玉秘伝占術が得意
 土山蔵人…甲賀忍者の末裔。火薬を使った秘の技使い
 土山吉乃…甲賀忍者の末裔。蔵人の姉。忍び鎌使い

 徳川家基…十代将軍・家治の世継ぎ。西之丸様
 田沼意次…江戸幕府老中
 羽奈森恵吾…西之丸・小姓組
 兵藤…書院番