うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

えどさがし

2015年01月17日 | 畠中恵
 2014年12月発行

 仁吉、佐助、禰々子、寛朝、日限の親分の女房・おさえが「しゃばけ」シリーズからスピンオフとなった、シリーズ初の外伝。

五百年の判じ絵
太郎君、東へ
たちまちづき
親分のおかみさん
えどさがし 計5本の短編連作

五百年の判じ絵
 弘法大師によって生を受けた犬神。弘法大師を探し求め孤独の旅にあった。
 犬神こと佐助が、若旦那に仕えるに至までを描いている。
 
太郎君、東へ
 時ならずの利根川の氾濫に、関東河童の大親分である禰々子は、頭を痛めていた。
 幕府による利根川普請に禰々子の尽力があった。

たちまちづき
 上野広徳寺の僧侶・寛朝の元に寄せられた難題。とうてい妖の仕業とは思えない問題を、寛朝は如何様に捌くか。

親分のおかみさん
 岡っ引き・日限の親分の長屋に、赤子の捨て子があった。女房のおさきは、あれやこれや思い巡らせるが、何やら訳ありの様子で…。因におさえは、初登場。

えどさがし
 時は流れ明治の治世。京橋と名を変えた仁吉は、夜の銀座で、若旦那の転生を探し求めていた。そんな最中、訪った新聞社でけったいな事件に巻き込まれていく。

 「しゃばけ」シリーズ程になると、脇役が主役にしても立派に成り立つくらいにキャラが生きているといったお手本。このスピンオフ、かなり興味深く、続編も期待しているのだが、「えどさがし」にて、完結の兆しが読み取れなくもない。
 シリーズを読んでいない人でも、独立した物語として楽しめる。

主要登場人物
 仁吉(京橋/白沢)...妖、銀座煉瓦街・長崎商会の主

 佐助(犬神)...妖、廻船問屋長崎屋の手代
 日限の親分(清七)...岡っ引き
 おさえ...日限の親分の女房
 禰々子...関東河童の大親分
 寛朝...上野広徳寺の僧侶
 秋英...上野広徳寺の僧侶、寛朝の弟子
 皮衣(ぎん)...一太郎の祖母、妖
 鳴家(小鬼)...妖
 鈴彦姫...付喪神

 野寺坊...妖
 獺...妖
 おしろ...猫又






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