うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

黒武御神火御殿~三島屋変調百物語六之続~

2020年08月12日 | 宮部みゆき
2019年12月発行

 江戸は神田の袋物屋・三島屋で続く、一風変わった百物語。
 これまで聞き手を務めてきた三島屋主人・伊兵衛の姪のおちかが、神田多町・貸本屋の瓢箪堂勘一に嫁ぎ、聞き手は伊兵衛の二男・富次郎へと受け継がれた。
 神田袋物屋三島屋の黒白の間で、明かされる不思議な話。「三島屋変調百物語事始」の第6弾。

第一話 泣きぼくろ
第二話 姑の墓
第三話 同行二人
第四話 黒武御神火御殿 計3編の短編・1編の長編連作

第一話 泣きぼくろ
 富次郎と再会した幼馴染が語り始める一家離散の恐ろしい運命。

第二話 姑の墓
 一家の女たちが決してに登ってはならぬ「絶景の丘」。その訳とは…。

第三話 同行二人
 流行病で妻子を失った、走り飛脚が道中巡り合った怪異。

第四話 黒武御神火御殿
 異形の屋敷に迷い込んだ、縁も所縁もない6名を待つ運命恐ろしい運命。

 兎に角面白い。読み応えあり。もう目が話せなくなり、一気に読み終えた。
 内容もさながら、聞き手が富次郎に変わったことで、返ってしっくりと馴染んだ気もする。宮部みゆきさんって天才だね。

主要登場人物
 三島屋富次郎...伊兵衛、お民の二男
 三島屋伊兵衛...神田三島町袋物屋の主
 お民...伊兵衛の女房
 伊一郎...伊兵衛、お民の長男(通油町小間物商・菱屋で修行中)
 おしま...三島屋の女中
 新太...三島屋の丁稚
 お勝...三島屋の女中
 おちか...川崎宿旅籠丸千の娘、伊兵衛の姪
 瓢箪堂勘一…神田多町・貸本屋の長男、おちかの夫