うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

新選組 永倉新八外伝

2018年02月07日 | ほか作家、アンソロジーなど
杉村悦郎


 2003年12月発行

 新選組の三番組隊長として、幕末を闘い抜いた永倉新八の曾孫(ひまご)・杉村氏による、維新後の永倉新八像。

序章
第一章 明治二年東京浅草
第二章 北海道松前
第三章 北海道小樽
第四章 東京浅草北清島
第五章 北海道樺戸
第六章 東京断章
第七章 晩年の小樽
終章

 新選組本体と袂を分ってからの永倉の半生を、曾孫である杉村氏が、伝来の資料と、親族からの証言でつづり、永倉の生き方や家族との繋がりを描いている。

 明治維新となり、佐幕派として闘い抜いた剣客たちは、明治の時代をどう生きたのか。新選組の生き残りである永倉新八のその後がしっかりと描かれており、大変興味深く読んだと同時に、何故、永倉は幕府側の人間として、謹慎しなかったのだろうか? といった大いなる疑問も解けた。待っていた一冊である。