うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

脇役~慶次郎覚書~

2013年03月16日 | 北原亜以子
 2003年5月発行

 現在までに17巻を数える人気シリーズ「慶次郎縁側日記」のレギュラー脇役陣にスポットを当て、本編では触れられていない、彼らの過去を綴った一冊。

一枚看板
辰吉 
吉次 
佐七 
皐月 
太兵衛 
弥五 
賢吾 計8編の短編集

一枚看板
 森口慶次郎...霊岸島の酒問屋山口屋の根岸寮番、元南町奉行所定町廻り同心

辰吉
 辰吉(天王橋の辰吉)...森口晃之助の手下(岡っ引き)
 
吉次 
 吉次(蝮の吉次)...秋山忠太郎の手下(岡っ引き)

佐七
 佐七...霊雁島・酒問屋山口屋・根岸寮の下男

皐月
 皐月...晃之助の妻、吟味方与力の神山左門の娘

太兵衛
 太兵衛(弓町の太兵衛)...島中賢吾の手下(岡っ引き) 
弥五
 弥五(弥四郎)...辰吉の下っ引き

賢吾
 島中賢吾...南町奉行所定町廻り同心

 各章、生い立ちから今に至るまでの道のりを、現況の出来事から思い起こさせながら、ほろ苦さや心の闇、葛藤などを交えて描いている。

 正に人に歴史有り。一話一話が、「慶次郎縁側日記」のスピンオフとなっており、シリーズを読み続ける人には、「あの人にはこんな過去があったのか」を実感出来、必見。本編を読んでいない人でも、切ない時代小説として、十分に楽しめる作品である。
 「脇役」のタイトルがぴたりとはまる。





書評・レビュー ブログランキングへ



にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へにほんブログ村


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。