うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

幕末新選組

2016年06月09日 | 新撰組関連
池波正太郎

 2004年1月発行

 新選組二番隊組長・永倉新八の生涯を描いた作品。

青春の血
試衛館の人々
浪士隊出発
誠の旗
変乱
梅雨空
池田屋騒動
戦雲
江戸の空
激流
七条油小路
賊徒
敗走
明治元年
落日 長編

 松前藩江戸詰藩士の子息として生を受けた栄治(後の永倉新八)は、幼少の頃より神道無念流の岡田十松道場に通い、18歳で本目録を受けるまでの腕前となる。
 やがて出奔し、武者修行の旅の果てに江戸市谷の試衛館道場に辿り着き、四代目道場主の近藤勇の人柄に惹かれ、同道場仲間と共に、幕府が募集した浪士隊に参加し、京へと旅立つのだった。
 そして、舞台は京へと移り、新選組の前身・浪士隊から名を連ね、数々の戦いへと身を投じる。
 やがて、敗戦を重ね、近藤と袂を分つと、市川宇八郎(元松前藩士)らと靖共隊(作者は精鋭隊と表記)を結成し、北関東にて抗戦するも、会津藩の降伏を知ると、江戸(東京)へ戻り、松前藩に帰参が適う。
 その後、藩医・杉村介庵(松柏)の娘・きねと結婚して婿養子となり、名を杉村治備(後に義衛)と改める。

 池波先生の作品を拝読させていただいたのは、初めてなので(映像は大ファンです)、ほかも読んでみないことには、作者の意図なのか否か分からないが、単純に編集者のミスが結構目に付いたのが残念。
 内容は面白く一気に読み終えた。

主要登場人物
 永倉新八…新選組二番隊組長及び撃剣師範
 近藤勇…新選組局長
 藤堂平助…新選組八番隊組長、のち御陵衛士(高台寺党)
 原田左之助…新選組十番隊組長
 芹沢鴨…新選組局長
 土方歳三…新選組副長
 山南敬助…新選組総長
 沖田総司…新選組一番隊組長
 斎藤一…新選組三番隊組長
 伊東甲子太郎…新選組参謀及び文学師範、のち御陵衛士盟主
 鈴木三樹三郎…新選組九番隊組長・御陵衛士
 武田観柳斎…新選組五番隊組長
 市川宇八郎(芳賀宜道)…元松前藩士、靖兵隊隊長、永倉新八の朋友
 小常…永倉新八の妾、島原亀屋・芸妓
 



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