うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

大江戸幕末今昔マップ~古地図で歩く、幕末と江戸の面影~

2015年05月28日 | ほか作家、アンソロジーなど
かみゆ歴史編集部 (編集)

 2012年9月発行

 都内30カ所の切絵図と現代の地図を重ね合わせて見ることができる重ね地図。
 幕末と維新に関連する史跡と、各所で起こった出来事を地図で示しての解説も掲載。

御曲輪内 大名小路絵図
麹町永田町 外桜田絵図
東都 番町大絵図
飯田町駿河台 小川町絵図
日本橋北内神田両国浜町明細絵図
京橋南築地鉄炮洲絵図
芝口南西久保 愛宕下之図・北
芝口南西久保 愛宕下之図・南
芝三田二本榎 高輪辺絵図・北
芝三田二本榎 高輪辺絵図・南
東都麻布之絵図
今井谷 市兵衞町 赤坂全図
東都青山絵図
牛込市谷 大久保絵図
小石川谷中 本郷絵図
染井王子 巣鴨辺絵図
根岸谷中 日暮里豊島辺図
東都下谷絵図
東都 浅草絵図
隅田川向嶋絵図
本所絵図

 喉から手が出るほど欲しかった一冊。何気なくうろうろしていた辺りに、こんな史跡があったのかと、目から鱗。あの歴史上の人物と同じ道を歩いているのだなあと、感慨無量。


書評・レビュー ブログランキングへ



にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へにほんブログ村

青玉(せいぎょく)の笛~京都市井図絵~

2015年05月25日 | 澤田ふじ子
 2014年4月発行

 心根を惑わす美術品を巡り、ひたむきに生きる京の人々を描いた珠玉の短編集。

因果な茶杓(ちゃしゃく)
紙背(しはい)の帯
来迎図焼亡(らいごうずしょうぼう)
空海の妙薬
四年目の壺
青玉(せいぎょく)の笛 計6編の短編集

因果な茶杓(ちゃしゃく)
 北野遊郭に売られたお佳が、僧・月窓の予言どうりに、幸せを手にする。

紙背(しはい)の帯
 闕所により私財を失った、菱屋の女将・盈が、古い帳簿の裏に描かれた空海の筆を見出す。

来迎図焼亡(らいごうずしょうぼう)
 放蕩息子の扇問屋・十一屋宗太郎の遺言を巡り、番頭吉兵衛が策を巡らす。

空海の妙薬
 乞丐(物乞い)のような老人・八郎左衛門を父親のように面倒を見る七五郎と加奈夫婦。八郎左衛門が空海の書を携えていたことから騒動が。

四年目の壺
 青磁の壷を買いたいと手付けを打ったまま、行く方知れずになった芳助に代わり、毎年少しずつ代金を届ける清。

青玉(せいぎょく)の笛
 幼馴染みの佐七と所帯を持ち、一人息子・修平を授かった紀勢だったが、ある日、修平が勾引しにあったとの騒動から、佐七の大きな秘密を知る事になる。

 人の業の深さを描き、どの作品もじんわりと、読み応えのある短編集。どの作品も、明るい未来へ向けて筆を置いているので、晴れ晴れとした気持ちで頁を閉じることが出来る。



書評・レビュー ブログランキングへ



にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へにほんブログ村

粗忽長屋の殺人(ひとごろし)

2015年05月14日 | ほか作家、アンソロジーなど
河合莞爾

 2015年2月発行

 古典落語に隠された不可解な謎を、長屋の隠居が名推理で解き明かす。落語ミステリー。

其の一 ―夏―短命の理由
其の二 ―秋―寝床の秘密
其の三 ―冬―粗忽長屋の殺人
其の四 ―春―高尾太夫は三度死ぬ 計4編の短編連作

其の一 ―夏―短命の理由
 大店の質屋・伊勢屋の婿養子が立て続けに3人死んでいる。婿を娶った家付き娘は絶世の美女。果たして真相は…。

其の二 ―秋―寝床の秘密
 義太夫好きが高じて、店子や奉公人を集めての披露するのが楽しみな大店の主。しかし、聞かされる方は地獄の苦しみで、何かと理由を拵えては辞退するが。


其の三 ―冬―粗忽長屋の殺人
 浅草寺で熊五郎が行き倒れて死んでいた。それを見届けた八五郎は長屋に取って返すと、熊五郎と共に、熊五郎の遺骸を引き取りに向かう。

其の四 ―春―高尾太夫は三度死ぬ
 新たに越して来た道哲という坊主が、怪しい経を毎晩のように唱えるので、長屋の面々は恐怖におののく日々。なんと、反魂香の力で死者に会っていたのだ。

 お馴染みの落語の落ちを作者が独自の推理で描いた、異色のサスペンス。熊さん、八さんの粗忽者と、謎解きをするご隠居のコンビネーションと、掛け合いが絶妙のテンポで進んでゆくので、面白おかしく、また、推理の妙に浸りながらあっと言う間に読み終えた。

主要登場人物
 幸兵衛...隠居、長屋の大家
 熊五郎...植木屋、長屋の住人
 八五郎...大工、長屋の住人




書評・レビュー ブログランキングへ



にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へにほんブログ村

土方歳三

2015年05月03日 | 新撰組関連
富樫倫太郎

  2015年4月発行

土方歳三(上)
 乱暴者として周囲の手を焼かせながらも、「強くなりたい」と固い決意をする土方歳三が、試衛館や、近藤勇、沖田総司らと出会い、やがて上京し、新選組を結成。「鬼の副長」になるまでを描いた上巻。

第一部 いも道場
第二部 浪士組
第三部 池田屋

 日野の豪農の家に生まれながら、生来の負けん気の強さから周囲の手を焼かせていた土方歳三は、ある日喧嘩の助太刀に入り、勝五郎少年と知り合う。これがのちの近藤勇との出会いであった。
 勇と接し、歳三は、「強くなりたい。強くなって、必ず武士になってやる」と志しを抱く。
 やがて、勇や沖田総司ら試衛館の仲間とともに、京の治安を守る浪士組を結成。運命は大きく動き出していく。
 そして、浪士組改め新選組を拝命した彼らは、その存在を一躍有名にした池田屋へと踏み込んだ。

土方歳三(下)
 新選組はやがて新時代の大きなうねりに飲み込まれていく。仲間との別れ、敗戦に次ぐ敗戦を繰り返しつにに、歳三は蝦夷へと転戦。短くも太く生きた歳三の生涯。

第三部 池田屋(承前)
第四部 鳥羽・伏見の戦い
第五部 五稜郭 

 池田屋事件によって一躍その名を馳せた新選組。土方歳三は副長として恐るべき統率力を発揮するが、組織が大きくなる一方で内部の不調和は避けられなくなっていた。
 また、倒幕派の勢いは激しさを増し、鳥羽・伏見の戦いの敗北をきっかけに新選組は京を後にする。江戸から甲府、宇都宮、会津と転戦した歳三は、最期の戦いの場である蝦夷地へ渡る。
 だが、戦況は悪化の一途をたどり、ついに新政府軍による総攻撃の日を迎える。

主要登場人物
 土方歳三........新選組・副長、蝦夷共和国・陸軍奉行並
 近藤 勇........新選組・局長
 芹沢 鴨........新選組・筆頭局長
 山南敬介........新選組・総長
 伊東甲子太郎....新選組・参謀
 沖田総司........新選組・一番組組長
 永倉新八........新選組・二番組組長
 斎藤 一........新選組・三番組組長
 井上源三郎......新選組・六番組組長
 藤堂平助........新選組・八番組組長、御陵衛士
 原田左之助......新選組・十番組組長
 島田 魁........諸士調役兼監察・伍長、蝦夷共和国・頭取
 市村鉄之助......新選組隊士
 榎本武揚........海軍中将、蝦夷共和国・総裁
 大鳥圭介........軍学者、蝦夷共和国・陸軍奉行
 伊庭八郎........遊撃隊第二番隊長、蝦夷共和国・歩兵頭並、遊撃隊隊長
 佐藤彦五郎......日野組合村寄場名主
 佐藤のぶ........彦五郎の妻、歳三の次姉
 近藤周助........天然理心流剣術3代目宗家、近藤勇の養父






書評・レビュー ブログランキングへ



にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へにほんブログ村