うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

猫君

2020年02月16日 | 畠中恵
2020年1月発行

猫君
猫宿の長(おさ)
猫宿始まる
あわれみの令
合戦の一
合戦の二 長編連作

 花のお江戸に隠された、猫又の陣地六つ。花陣・姫陣・祭陣・武陣・黄金陣・学陣。各陣の新米猫又は、将軍様の庇護のもと、江戸城内の学び舎「猫宿」で修業に励む。猫宿の長は、魔王と呼ばれたあの戦国武将。みかんたちの力を試そうと様々な試練が課せられて―。お江戸猫又ファンタジー。

主要登場人物
 みかん(明楽)…祭陣。新米猫又
 ぽん太…祭陣。新米猫又
 白花…花陣。新米猫又
 鞠姫…姫陣。新米猫又
 猫宿の長(織田信長)…六陣を御する猫又界のトップ
 和楽(明智光秀)…祭陣。猫術の師
 夢花…花陣。化け学の師
 吉也…黄金陣。猫又史の師
 加久楽…祭陣。みかんの兄者
 由利姫…姫陣。鞠姫の姉者
 我治楽…祭陣の占い師
 猫君…猫又界の英雄。謎の存在
 徳川家斉…第11代将軍

 これぞ、お江戸ファンタジーである。目の付け所も流石だ。実存した人物を絡め進行するポップな物語で、読み易い。
 ただ、畠中さんにしては、キャラの服飾や表情設定が希薄だったかなあ。相手が猫であるからか? 事件を織り込みすぎたのか? 「あわれみの令」、「合戦」と進むに連れ、個人差はあるので、あくまでも自分の意見であるが、面白味が薄れていった感が否めない。
 加えてこれはどうでも良いのだが、この新米猫たち、余り講義を受けていないようだが、実戦優先?