うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

いつまで

2023年08月18日 | 畠中恵
2023年7月発行

 大妖である皮衣を祖母に持つ事から、妖や付喪神が見えるが、滅法身体の弱い若旦那と、若旦那命の妖たちが織りなすファンタジー小説第22弾。

いつまで 長編

1
 からくりで、薬を調合し、薬種問屋・長崎屋の手伝いとなれば。一太郎は、知恵を捻る。そんな折に、町医者として働く火幻の住まいに、西国からの妖が押し掛けて、大変迷惑していると言う。一方、噺家の場久が、住まいにも、一太郎の住む離れにも、寄席にも姿を見せない日が続き、一太郎は、夢の中に場久を探しに出かけようとするが…。

2
 以津真天の策略により、悪夢の中に入り込んでしまった一太郎。幸い抜け出し、そこは江戸ではあったが、5年後だった。その江戸で長崎屋は、薬種屋・大久呂屋の台頭や嫌がらせにより、経営難に。このまま、5年後の世界で生きるか、危険を承知で5年前に戻るかの決断を余儀無くされる一太郎だった。
 
3
 5年後の世界へと戻り、上野広徳寺に身を置いた一太郎を、関東河童の大親分・禰々子が見舞う。そして、長崎屋の窮地を救うべく、大久呂屋に盗まれた「薬升」を取り戻そうと動く。一方、長崎屋の妖たちは、広徳寺の高僧・寛朝に力を借り、大久呂屋にに乗り込み「薬升」を手に入れようと画策する。
 そして、一太郎は、ある決断をする。

4
 大久呂屋に盗まれた「薬升」を処分し、一件落着。そんな安堵も直ぐに保全へと変わる。大久呂屋が、一太郎を探し求めていると知り、まずは身を隠すことに。すると、闇中から現れた仏像を巡り、5年後へと飛ばされた意味を知ることとなった一太郎。
 大久呂屋の裏には、以津真天が。幾つもの点が、線へと繋がる。
 
 主要登場人物
 長崎屋一太郎...日本橋通町廻船問屋・薬種問屋長崎屋の若旦那
 仁吉(白沢)...妖、薬種問屋長崎屋の手代
 佐助(犬神)...妖、廻船問屋長崎屋の手代
 屏風のぞき…付喪神、長崎屋奉公人・風野
 鳴家(小鬼)...妖
 鈴彦姫...付喪神
 金次...貧乏神、長崎屋奉公人・金次
 おしろ...猫又
 守狐...長崎屋の稲荷に住まう化け狐
 本島亭場久...貘の妖、噺家
 火幻…妖の僧・医師。別名・火前坊
 以津真天…怪鳥。西国の妖
 日限の親分(清七)...岡っ引き
 禰々子...関東河童の大親分
 杉戸...関東河童
 松戸...関東河童
 寛朝...上野広徳寺の高僧
 寿真...東叡山寛永寺の僧侶
 秋英...上野広徳寺の僧侶、高僧・故寛朝の弟子
 大久呂屋…薬種屋



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