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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

30年前から食べているハンバーグ 八王子『エスエム』

2022年01月17日 | 洋食屋さん
以前、小平市の『きっちんコバヤシ』をリポートしたとき、「街洋食」という単語を使用した。
最近、一般名詞になりつつある(?)、「街中華」or「町中華」などと意味合いは同じで、
どこの街にもあるような、気軽に入店できる、安くて美味しい洋食のお店を示したつもりだった。
こちらもやはり、街中華と同様、後継者問題やチェーン店の台頭などにより、年々お店が減っており、
そもそも、「気軽」で「安価」な「洋食」という、3つの条件を満たすお店自体が少ない。
私自身、ガキの頃からラーメン店や中華食堂には通っていたが、「行きつけの洋食店」と呼べるお店はほとんどない。
唯一、今回紹介する八王子の『エスエム』さんは、30年ほど前から知っている。

正式名は『グリル エスエム』で、店名の由来は、店主の村木愉さんのイニシャルである。
ということを昨年の夏頃、こちらの記事で記した。そのとき紹介した「カツ カレーライス大盛」と、
 ※価格は1200円

「カニクリームコロッケ」850円の画像を再録。


ついでに、未公開画像のコロッケの中身も。ホワイトソースからは、カニの風味を存分に感じられる。


中のクリームだけでなく、付け合わせの野菜ソテーやマカロニサラダもウマかった。

このお店の存在は、八王子の友人宅に遊びに行ったとき、何度か出前を取ってもらったことで知った。
カレー、ナポリタン、ハンバーグライスなどの出前専用メニューの中から、私はほぼ毎回、ハンバーグを注文していた。
当時は、料理の美味しさもさることながら、「”エスエム“だってよ、ウヒヒヒ」と、店名の響きに興奮したものだった。
程度が低い、とあきれるだろうが、当時の若く好奇心旺盛な男子(笑)なら、当然の反応である。
実際、数年前までは、「八王子 エスエム」で検索すると、いかがわしいサイトの方が多く見受けられたし。
さっき調べてみたところ、こちらのお店が開業したのは、今から約50年前。
まだ「SM」という概念が、一部マニアの間でしか定着していなかった時代だと思われる。

ある日、いつもの出前ではなく、直接お店に足を運んで食事した。
店内はカウンター席と、大小のテーブル席があり、テーブルには洋食店らしくシートが敷いてある。
いつも出前に来るおじさんが接客・調理補助・出前担当で、もうひとりのおじさんがメイン調理を担当。
ふたりが兄弟で、調理担当シェフのお兄さんが店主であることを、のちに知った。
このとき、何を食べたか忘れたが(多分ハンバーグライス)、小さな厨房で、多くの注文をさばくお兄さんと、
接客、配膳、会計をこなし、さらに出前にも行く弟さんとのコンビネーションは、「これぞ職人!」とうならされた。
そんな、私の初入店から約30年が経過し、おじさんだった村木兄弟も、その分年齢を重ねたものの、
現在も元気に、ふたりだけでお店を回しており、昔より範囲は狭くなったようだが、出前注文も引き受けている。

※弟さんが乗る出前用バイク

そんなスゴイ兄弟を、私はスーパー村木ブラザーズと呼び、尊敬してやまない。
ちなみに、元ネタのファミコンソフト「スーパーマリオブラザーズ」も、品番がHVC-「SM」であった。

シェフのお兄さんは、銀座『千疋屋』で洋食を学んだとのこと。千疋屋といえば、老舗の有名店で価格もソレナリだが、
エスエムさんでは同じメニューでも、半額かそれ以下のお値段で食事ができる。こちらが料理一覧。


そしてこちらが、サラダやスープ、コーヒーなどが付くコースメニュー。


現在「入荷待ち」になっている、サーロインステーキの「Aコース」は1900円。千疋屋だといくら払わされるんだろう?
ポークカツとポークソテーは、通常タイプに+350円で、(厚切り)が選べる。
こちらは、10年ほど前にガラケーで撮影した「ポークカツ・厚切り」1250円(現在の価格、以下同)。

※奥にビールのグラスが見える

食べ応えはあるのだが、コロモがはがれやすいのが難点。脂身もカットされていた。
同じ日に食べた「ナポリタン」800円も掲載。ピンボケ失礼。


具材が多めで、味付けはさほど濃くなく、ズズズっとマナー悪く、音を立てて一気に食べた。反省。

普段は、八王子球場での高校野球観戦後など、昼間に行くことが多いが、先日は、夜の時間帯に訪問してみた。
「ビール」600円=キリン一番搾りの中ビンと、おつまみに「魚のミックスフライ」950円を注文。
しばらくして、ミックスフライが登場。具材はエビ、イカ、ホタテ、キス、サケ。


別アングルからも1枚。付け合わせの野菜とタルタルソースもたっぷり。


野菜には、ほどよい酸味のドレッシングがかかり、レタスとキャベツの他、大根、紫キャベツ、セロリも入る。
揚げ物には、卓上のソースとタルタルを使用。タルタルは単独でもツマミにもなる。
ビールを飲み終わったので、締めとして食事メニューから「エビライス」900円を注文。
海老を茹でるところから始めて、さらにたっぷりのバターでご飯を炒めていく。
正式なピラフは、ご飯を炒めずに炊くので、こちらではエビライスと呼んでいるのだろう。

※マグカップの味噌汁付き

茹でたての海老がたくさん入っているのが嬉しい。残ったエビフライも一緒に置いてみたよ。


シェフはなるべく作り置きはしない主義のようで、注文後にひとつひとつ丁寧に作業をする。
急いでいる方はともかく、カウンター席から調理過程を眺めるのが好きな私にはありがたい。
そういえば昔、ある先輩に「お前はいつもヒマでいいよな」と罵倒されたことがあった。
仕事もなく、時間に余裕があることは否定しないが(嘆)、そんな他人を見下すほど時間に追われるよりは、
こうして、歴史ある街洋食の逸品を、目と舌でじっくり味わえる生活も悪くない…と思うよ。

最後に、私がこちらで30年前から食べている、お店自慢の料理(のはず)、ハンバーグセットを紹介しよう。
さっきのメニュー表に載っていたが、正式な商品名は「Eコース」。


メインのジャンボハンバーグに、目玉焼きなどいろいろ付いて1500円。
30年前の出前は確か1000円だったが、ポタージュやコーヒーはなかったし、物価の上昇を考えると破格である。
注文すると、まずは大きめのボウルでポタージュが出てきた。


お行儀よく、スプーンで音を立てずに味わう。クリーミーかつ濃厚、これぞ家庭では作れないプロの味。
これから「ごちそうを味わう」という期待が高まる、コースの最初を飾るのにふさわしい一品だ。
ところで、ポタージュとみそ汁、両方付くセットって珍しいよね。
その後、お兄さんシェフがハンバーグや野菜などの付け合わせを、温めた鉄板に乗せ、味噌汁をカップに注ぎ、
弟さんがサラダを用意し、ライスをお皿に盛りつける好連係を見せ、コース一式が登場!


サラダはさっきも書いた、薄味のドレッシングでセロリの香りが印象に残るタイプ。
味噌汁はお揚げやワカメなどが入り、ポタージュと比べると塩分が濃い。
メインの「ジャンボハンバーグ(目玉焼)」は、本当にジャンボで、各種野菜ソテーが添えられる。


デミグラスソースは、濃すぎずクドすぎず、肉や野菜の旨味を引き出す懐かしいテイスト。
久々のハンバーグは、写真のように玉ねぎが粗目に刻まれており、歯応えがいい


「やっぱりウマい…」とバクバク食べ進んでしまい、ハンバーグなどが残っているのに、ご飯がなくなってしまった。


当然「お替わりください」となり、目玉焼きを乗せて、再度バクバク食べ始める。「ライス」は250円。


食べ終わる頃を見計らい、弟さんがコーヒーを出してくれた。


コーヒーは苦手な私だが、砂糖とミルクをたっぷり入れて飲み、大満足で「ごちそうさまでした」。

食べたことのないメニューも多いが、現時点で私のおススメはやはり、昔から食べているハンバーグセットだ。
八王子エスエムは「Eコース」がオススメ、ぜひ覚えておいていただきたい。
上記の文だと、怪しげなお店のコース推奨のようだが(苦笑)、誤解のないように。
繰り返しになるが、エスエムさんのような、素晴らしい「街洋食」の情報、お待ちしております。



グリル エスエム
東京都八王子市横山町21-13
JR八王子駅より徒歩約8分 京王線京王八王子駅からは推定徒歩約6分
営業時間11時半~14時半くらい、16時半~20時半 ※冬場は20時くらいまで
定休日 火曜、年末年始
※出前は浅川を渡らない範囲まで、とのこと

※残念ながら、23年に閉店なさったようです
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