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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

昭和の香り漂う「皆様の洋食店」 国分寺『フジランチ』

2022年03月28日 | 洋食屋さん
約2年前、カツカレーの記事をアップした直後、案の定カツカレーが食べたくなってしまった。
数ある候補店の中から選択したのが、これが初訪問となる、東小金井の『冨士ランチ』。
 ※左記の店頭画像は、お店のツイッターから拝借

注文したのは「カツカレー(大)」890円。出てきたのは、予想以上の大皿であった。


比較のため、カツの上にスプーンを置いてみた。無論、デザート用のミニスプーンではない。


一般的なお店の倍以上はありそうな、食べても食べても減らないカレーに悪戦苦闘。
「(大)なんか頼むからだ」とあきれる方もいるだろうが、こちらのお店のカツカレーは、
小、並、大、特盛、ジャンボと5種類あったため、大が標準サイズかと思ってしまったのだ。
ただし、890円で倍の量なのだから、価格自体は良心的である。※その後900円になった模様
カレーソースは、辛さやコクが控えめで、洋食屋さんというより、家庭的な味わいであった。
結局、時間はかかったものの、苦手なトマトと福神漬け以外は、どうにか食べ切った。


調べたところ、その後ジャンボサイズはなくなり、さらに現在は、カツカレー自体「お休み中」とのこと。
また、冨士「ランチ」という屋号に反し、昼間は営業していないのでご注意を。

カレーだけでなく、定食のご飯も大盛で、連日お客が詰め掛けている冨士ランチだが、
同名のお店が国分寺にもある。こちらはカタカナの『フジランチ』だ。


看板や外観から、昭和の香りがプンプン漂うお店で、もうすぐ創業50年になるらしい。
ハンバーグがメインでご飯は大盛と、共通点の多い東小金井店とは、親戚関係らしい。
数年前に閉店したが、かつては阿佐ヶ谷の駅前にも『冨士ランチ』があった。
「ハンバーグカントリー」など、国分寺店と同名の料理があり、ここも関係があったはず。

国分寺店はランチタイムも営業しているが、毎回行列ができており、なかなか入店できず。
先日のお昼頃、お店の前を通ったところ、満席ではあったが珍しく行列がなかったので、初訪問を決意。


並び始めたら、直後に数人の客がやって来て、私の後ろで列を作る。タイミングがよかったようだ。
待っている間に、今では貴重なショーケース内の料理サンプルを眺めたり、


入口ドアのそばに展示してある、メニュー表もチェック。
左側には全メニューを記載。カレーがなくなったり、以前より品数を絞ったようだが、お手頃価格は変わらず。


右側は主な料理の写真。さっき触れたハンバーグカントリーは、“ひき肉の玉子炒め”のことだ。


このメニュー表の中央には“安くておいしいボリュームタップリの料理”というキャッチコピーが躍る。


数分後、先客が退店し、「お待たせしました」の声と同時に入店。入口近くのカウンター席に案内された。
ホール担当は若い男性で、ご夫婦らしい男女が厨房。皆さんご家族なのかな?
感染対策のビニール越しに、お父さんシェフの調理を見学できる、特等席であった。


数あるメニューの中から選択したのは、お店の名前がついた「フジセット」1000円。
お父さんがフライパン、揚げ鍋、レンジを同時に駆使してメイン料理を仕上げていき、
補助担当のお母さんが、ご飯やみそ汁、付け合わせの生野菜やスパゲティを盛りつけていく。
厨房内はあまり広くないため、互いに接触しないよう、絶妙なコンビネーションを披露。
途中、お母さんに「もう少々お待ちくださいね」と2度告げられたのだが、
調理作業を眺めていれば飽きないし、そもそも「待たされている」と感じるほどの時間は経過していない。
最後にお母さんが、小さな炊飯ジャーで保温されていた、デミグラスソースをハンバーグにかけて、フジセットが完成。


ハンバーグ、目玉焼き、鶏のから揚げに、付け合わせの具なしナポリタンと生野菜。野菜以外(苦笑)は好物ばかりである。


みそ汁には豆腐とワカメがたっぷり、そしてご飯は、並盛のはずなのにかなり多い。


メニューに「小ライス 30円引き」と記されていたが、たぶんこれが、一般的な「並ライス」だと思われる。
+100円の「ライス大盛」は、店名同様、富士山のようなてんこ盛りになるらしいが、若くない私は遠慮しておく。
そういえば、こちらのお店ではオーダー時、「ライスは結構多いですよ」と忠告されている方も何人かいたが、
私にはその声掛けがなかった。どうやら、外見(デブ)で判断されたようだ。まあ、確かに食べ切ったけどさ。
なにしろ、オカズがウマいので、ご飯が足りないくらいだったからね。
ハンバーグは臭み消しのナツメグが効いた、上品な仕上がり。個人的には、もっと肉々しいタイプが好み。


ただし、デミグラスソースは絶品で、例のナポリタンとも絡めてズルズルすすった。
目玉焼きはご飯に乗せて黄身を崩して食べた。そして、特筆したいのが唐揚げの美味しさ。
最近、唐揚げの専門店も増えているけど、ニンニクなどの下味が過剰なタイプが多い気がする。
その点、フジランチさんの唐揚げは、醤油ベースでほんのり甘味を感じる、ちょうどいい塩梅の味付け。
もちろん、油っこさなどもなく、白米と一緒にバクバクと食べ進めたよ。
今回も、トマト以外は残さずたいらげ、すっかり満腹になったところでお会計。
レジで千円札を出すと、30円分の次回割引券をくれた。こういう、ささやかなサービスは好きだ。


レジの男性、その後厨房のお父さんお母さんにも「ごちそうさまです」と挨拶したら、
それまで、ほとんど声を発してなかったお父さんが「ありがとうございます」と声をかけてくれ、
お母さんは再び「お待たせしてすみませんでした」と謝ってくれたので、恐縮してしまった。全然待ってないのに!
フジランチさんが人気を集める理由は、味や量だけではないのがよくわかった。

つい先日、まん防解除により再開した、ディナータイムに訪問。開店直後なのに、早くも数名の先客で席が埋まっている。
ただし、シェフの目の前の特等席が空いていたので、またまた着席&見学させていただくことに。
今回は、チキンカツ+ピーマン肉詰めの「Cセット」900円をオーダー。
「デラックスセット」などに付くコロッケも気になり、「Cセットにコロッケ付ける…のはできますか?」とたずねてみたが、
残念ながらそういう注文は対応していないらしい。ワガママ言ってゴメンなさい。
注文後、お母さんがピーマンの種を取り除いて、肉を詰め始め、お父さんが鶏肉を叩き、粉を付けてから揚げる。
他の客が頼んだハンバーグも、注文が入るたびにお父さんが、肉の成型と空気抜きを行なっていた。
驚いたことに、夜の時間帯は作り置きなし!? あ、具なしナポリタンは例外ね(笑)。
作り置きはなくても、好連係により数分後には、Cセットが完成。


ピーマン肉詰めには、濃厚そうなKAGOMEのトマトケチャップがかかっていた。


あと、前回もそうだったのかは忘れたが、生野菜には赤い粉が振りかかっていた。辛くないのでパブリカかな?
ピーマンにはまだ歯応えが残っており、ハンバーグ同様、臭みのないひき肉と好相性。
チキンカツは叩かれ柔らかく、最初は塩、次に醤油、最後はやはりソースで食べた。


お酒は飲んでなかったが、お腹イッパイになったためか、帰宅後はすぐに熟睡。子供かよ。

最初の方に載せた、メニュー中央の“安くて美味しいボリュームタップリの料理”のコピーの下には、
フジランチは皆様の洋食店ですという一文が記されている。
良心的な価格で、美味しくボリューミーな料理を、ナイフやフォークではなくお箸で食べる。
飾らず気取らず、けれども温かいおもてなし。フジランチさんはまさに、庶民のための洋食屋さんだよ。



フジランチ
東京都国分寺市本町2-13-7
JR、西武線国分寺駅から徒歩約4分
営業時間 11時~14時、17時半~20時半
定休日 火、水、年末年始
※東小金井の『冨士ランチ』は、東京都小金井市東町4-38-17

※※2023年4月追記 最近は夜の営業はお休みのようです
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