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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

飲んだシメには「元祖つけ麺」 早稲田『大王ラーメン』

2020年02月21日 | ラーメン、つけ麺など
今でこそ、バリエーションも豊富で、どこのラーメン店にでもある「つけ麺」だが、
実は21世紀に入るまでは、専門店はほとんどなく、決してメジャーな存在ではなかった。
それが証拠に、かつて私が購入したガイド本「首都圏版 最強のラーメン139」(KKベストセラーズ発行)では、
「つけ麺って食べたことある? 聞いたことあるけど、食べたことはないという人が案外多いはず」との記述があり、
以降で『青葉』など数店舗のつけ麺を紹介しているのだが、この書籍の初版発行が2000年。
20世紀最後の年でも、つけ麺はまだ「食べたことある?」と問われてもおかしくないメニューだったのだ。
ちなみに私は小学生の頃、地元の中華食堂で食べたことがあったが、つけダレ独特の酸味が、子供の舌には合わなかった。

とはいえ、昭和の時代から「つけ麺」を提供し、看板商品としているお店も、もちろん存在していた。
東池袋の山岸一雄さんで有名な『大勝軒』や『丸長』グループ、そしてそのものズバリ『つけ麺大王』
このつけ麺大王とは、『どさん子(娘)』と並ぶ「昭和の懐かしラーメンチェーン」の一角であり、
かつてはいろんな場所に店舗が存在したが、私が利用したことがあるのは、明大前と浅草橋(閉店)のみだ。

つけ麺発案の元祖は、先述の山岸さん(当時は中野店勤務)とされているが、名称は「もりそば」「つけそば」であり、
「つけ麺」と名付けたのは、大王が日本初らしい。
現存している一部店舗(自由が丘など)にある、「元祖中華つけ麺大王」という看板は、詐称ではないのだ。
今回紹介する、早稲田の『大王ラーメン』さんも、特に名乗ってはいないが、
提供しているメニューを見れば、明らかに大王グループであり、元祖の流れを受け継いでいるはず。

初めて利用したのは数ヶ月前。店内は中央に調理場があり、周囲を「コの字」カウンター席で囲っている。
ツマミで一杯やってから、シメに名物のつけ麺を食べることにしたため、最初の注文は「瓶ビール【アサヒ】」500円と、
「餃子 焼5コ」450円に「ロース揚つまみ」600円。いつも通り、メニュー表記はお店でのものに沿っている。
ロース揚というのは、大王グループではおなじみ豚肉を揚げたもの。
以前紹介した、神保町にある担々麺のお店『五ノ井』さんの「排骨(パイクー)」みたいなのを想像していた。


上記画像の五ノ井さんの「単品排骨」は400円(注:現在は500円)。それと比較すると、600円はちょい割高に感じたが、
出てきたパイクー…ではなく「ロース揚つまみ」のサイズにびっくり!


比較用に割りばしを置いてみたけど、このデカさが伝わるだろうか!?
一般的なとんかつ屋さんのカツ2枚分か、最低でも1.3枚分はある。600円じゃ安すぎるよ。
ヨコからのアングルがこちら。ゆでモヤシにネギ・キャベツと、野菜がてんこ盛り。こりゃヘルシーだね(苦笑)。


また、本体のロース揚も、味付けされた衣や、ジューシーな豚肉の旨味には満足させられるのだが、
衣がかなり歯応えがあり、モヤシやキャベツと同様、噛むのに時間を必要とし、どんどん満腹中枢が刺激されていく。
そこへ「餃子」も登場。こちらも、驚くほどではないけれど、そこそこ大きめサイズ。


中のアンは具材が細かく刻まれ、野菜と肉がよくミックスされている。最近の流行とは異なるが、私は好きなタイプ。


ビールを2本、ウーロンハイも1杯飲み干し、胃の限界はとっくに超えているが、元祖のつけ麺をどうしても食べたくて、
気合を入れて追加注文。この気合を、もっと他に活用できないものだろうか。※例:労働、納税
なお、こちらは麺が「特製太麺」「龍麺」「健康翡翠(ひすい)麺」と、3種類用意されているのだが、
私は一橋学園の『なにや』さんのに似ている、エメラルド色の健康翡翠麺を選択。
    ※なにやさんの麺と解説

数分後、スープの入った丼と、平らなお皿に盛られた麺=「つけ麺」700円がやってきた。


色鮮やかで健康そうな(クロレラ入りらしい)麺は、青臭さなどのクセもなく、温かいスープにつけて一気にすする。
コシのある麺に、酸味のある醤油ベースのスープ。ガキの頃は苦手だった、これぞクラシックなつけ麺!
具材はチャーシュー、メンマ、海苔、ワカメにネギ。当然、さっき余った豚ロース揚げも仲間入り。


近年主流となっているつけ麺とは違い、味が濃厚すぎず、麺も適量だったため、残さず食べ切ることができた。
とはいえ、会計時にはベルトを緩めるどころか、はずさなくてはならないハメに。それでもズボンが落ちないのが情けない。
推定「腹十三分」状態の私は「ま、また来ます」とだけ告げ、あわててお店をあとにしたのだった。

数日後、別の場所で飲んだあとに再訪問。そこそこ飲んでいたので、ビール1本でシメる予定だったが、
酒のアテに注文した「牛すじピリ辛」500円が、異様にウマかったため、ビール追加!


よくある牛スジ肉の煮込みかと思いきや、ちょうどよい柔らかさに煮込まれたスジの脂身が、辛口タレとベストマッチ。
途中で、卓上の豆板醤や黒コショウなどを加えて、辛さや刺激が増すと、さらにウマくなった。


今までいろんな居酒屋で牛スジ煮込みを食べてきたけど、辛口タイプはここ大王ラーメンさんのが一番好きだ。
若い頃だったら、この「牛すじピリ辛」とさっきの「ロース揚」さえあれば、メシが10杯は喰えたね。
だが、ここはラーメン屋さんなので、この日もシメに麺類を。注文したのは「チャーシューメン」900円を龍麺で。
龍麺とは、壁の説明では(手づくり風味の極上細麺)とのこと。本当に細麺らしく、注文から30秒未満で完成。


チャーシューは4枚、他の具材はさっきのつけ麺と同じ。下には細い麺が泳いでいる。


こってりピリ辛煮込みのあとだからか、さっぱりタイプの醤油ラーメンが染みるねえ。
次回は、3種麺の残りひとつであり、ベースでもある特製太麺にしようと決意し退散。

それからさらに数ヶ月たち、年も明けたつい先日、ようやく3度目の訪問。
これまで撮影してなかった、アルコール注文時についてくるお通し代わりの「モヤシ&メンマ」と、


なぜか、ウーロンハイ350円など焼酎類を頼むと添えられる、妙にファンシーなコースターを掲載。


ちょっと怖そうな女性店員がいるけど、このコースターはあの方のアイデアだろうか。かわいいお姉さんじゃねえか。
この日も、牛すじピリ辛でビールとウーハイをたしなんだが、前回同様、「牛すじ~」は厨房の奥から運ばれてきたため、
「ひょっとして既製品をレンジでチン?」「牛スジって、煮込むのに手間がかかるし…」と疑っていたのだが、
その直後、厨房奥から運ばれてきた、牛スジのカスが大量にこびりついた大鍋を、私の目の前で洗い始めたので、
牛すじピリ辛は自家製ということがめでたく判明。疑ってすまなかった。

シメには「大王つけ麺」900円を、予定通り特製太麺で。出てきたのがこちら。


プリプリの太麺は想像通りだが、つけスープに浮かぶ中華あんかけが目新しい…というか熱そうで危険。
具材は、白菜、きくらげ、人参、豚肉、メンマ、うずらなどなど。スープ丼に沈めた麺を、ヤケドしないよう慎重にすする。


中華アンと絡んだ麺はもちろん美味しいのだが、予想以上だったのが特製太麺自体のウマさ!
「指定のない場合は太麺で作らせて頂きます」と提示していたように、お店も太麺が一番のおススメなのかな。
ついでに、残った牛すじピリ辛にも、少しだけ麺を投入して食べてみた。


注文後時間がたち冷めていたため、麺との相性はイマイチだったが、これが熱々だったら絶品かも。
大王ラーメンの方、もし見ていたら「牛すじピリ辛つけ麺」のレギュラー化を希望します!
まあ、こんなブログ、絶対見てないだろうけど…それはさておき。
大王つけ麺は、屋号を冠したメニューだけあって、ハシが止まることなく一気に食べ終えることができた。
これに、例のロース揚を追加した、「大王ロースつけ麺」1300円もいつかは挑戦してみたい。

短期間だけ存在していた、お店のHPによると、
「早稲田の地で創業40年。豊富なメニューを取り揃えて午前から深夜までお待ちしています。」とあった。
近所の早大生やホテルの宿泊客(来ないか?)たちのお腹を、長時間かつ長年にわたり支え続けてきたのだろう。
私のような、東京の西側に住み、地下鉄をあまり利用しない人間には、ちょっと行きづらい場所にあるお店だが、
あの牛すじとロース揚は、他ではなかなか食べられないため、今後も通い詰めるしかない。
無論、シメには元祖つけ麺を欠かさない、大王グループを敬うメタボ大王の私であった。



大王ラーメン
東京都文京区関口1-41-1
都電荒川線早稲田駅より徒歩約4分、地下鉄早稲田駅より徒歩約8分、JRほか高田馬場駅より徒歩約26分
JR飯田橋や市ヶ谷からは徒歩約45分(←我ながら「歩くなよ」と思った)
営業時間 午前11時~翌3時
定休日 水曜
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2 コメント

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Unknown (hobohobo)
2020-02-24 19:03:54
つけ麺は食べ進むにつれて味が薄まっていくのが苦手でほとんど無縁なんですが、「中野大勝軒」だけはよく食べました。それが1980年代後半。
それ以前に唯一食べたことがあるのが、この「大王ラーメン」なんです。ちょっと驚きました。

それが学生時代のことで、創業40年ということは、当時できたばかりだったんですね。
ほかに飯田橋の「秀栄」で何度か。
いずれもクラシックなつけ麺です。

牛すじピリ辛つけ麺、ロースつけ麺… このお店だけでもなんと面白い展開。
「つけ麺大王」の巡回、ますます読んでみたくなりました(笑)。

ちなみに排骨・ロース揚げは、村山団地近くの「弘華飯店」の大肉(チャップ)シリーズが好きです。
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Unknown (日が沈む~(略))
2020-02-25 12:43:51
hobohobo様
開業直後の『大王ラーメン』を御存知とは!
当時は学生客が大勢訪れたのでしょうか。
今はオッサン客が多いのですが、
実は、当時から通い続けている常連なのかも?

飯田橋の『秀栄』は、今はもうありません。
私が初めて訪問したのが、閉店2日後でした(悲)。

『弘華飯店』、なかなかよさそうなお店ですね。
情報ありがとうございます。
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