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歓喜感激の西東京制覇 -日大三高野球部2022-完結編

2022年09月30日 | 高校野球
前回の高校野球ブログの文末で予告したように、今回は2022年度チームの完結編として、
7月31日に行われた西東京大会の決勝戦、日大三vs東海大菅生をリポートする。
すでに約2ヶ月経過しており、記憶が薄れていたプレイもあったが、
「2022年夏 日大三 東海大菅生」でネット検索すると、当日の動画がいくつかヒットする。
おかげで、試合の流れを再確認でき、観戦時には気づかなかった発見もあった。便利な世の中になったものだ。

3年ぶりに、入場制限なしで開催された決勝戦。当日の神宮球場には、外野までギッシリ客がいてビックリ。


なんだよ、準々決勝や準決勝には来なかったくせに…あ、平日だから当然か。
日曜日で晴天にも恵まれた西東京決勝は、前日の東東京決勝よりも客が入っていた。

ここからは、試合経過を綴っていく。先攻は日大三で、後攻が東海大菅生。
過去の大会では、後攻めを選ぶことの多い三高だが、今年は甲子園も含め、7試合中6試合で先攻だった。
いつものとおり、観戦中は応援に集中し、撮影は一切しないので、しばらく文字が続くがカンベンしてほしい。
さっき触れた、試合中に動画を撮っている方はスゴイと思う。私だったら、興奮してカメラを放り投げてしまうよ(笑)。

1回表 菅生の先発はエース鈴木泰。今大会好調の藤巻が、初球をいきなり二塁打に。
盛り上がる三高側スタンドに対し、「ハンカチ王子(斎藤佑樹)のときも、先頭の荒木郁也が三塁打を打ったなあ…」と、
21世紀の夏大会決勝で、三高が唯一敗れた、2006年の早実戦を思い出してしまう、弱気な私。
暴投で無死三塁のチャンスを作るも、後続凡退で無得点に終わり、余計に落ち込んでしまった。

1回裏 三高の先発も背番号1の松藤。菅生戦は初登板だ。
先頭打者の平凡なゴロを、ショート金澤が悪送球し、無死二塁→バントで一死三塁のピンチ。
内野ゴロで三塁走者がアウトになり二死一塁となったが、暴投とタイムリーで1点を奪われてしまう。三0-1菅
タイムリーとなった三遊間への打球、富塚はせめて前にこぼし、二塁走者を生還させないでほしかった。
大観衆による緊張があったのか、この日の三高内野陣は、終始グダグダであった。

2回表 村上と寒川が四球で二死一、二塁も、松藤三振で無得点。

2回裏 松藤が2三振を含む三者凡退に抑える。

3回表 初回に続き先頭の藤巻がヒットで出塁も、大川がバント2球連続失敗後の三振&藤巻盗塁死の併殺で無得点。
 
3回裏 ヒット、四球、ヒットで一死満塁のピンチを、三振、ショートゴロで切り抜ける。

4回表 金澤、村上連続ヒットで一死一、二塁も、川崎のいい当たりがショート真正面に飛び、惜しい併殺。

4回裏 無死からの三連打で追加点。三0-2菅
なおもバントで一死二、三塁→二死満塁とピンチが続くも、菅生の主将福原が初球キャッチャーフライで難を逃れる。
そのフライは両手で頭上ではなく、片手で胸元という危なっかしい捕り方。落としていたら…と考えるとゾッとする。

5回表 四球の寒川を松藤が送り一死二塁。ここで菅生、当たっている藤巻を申告敬遠。まだ中盤、しかも2点リードで!? 
後続が凡退したので、作戦的には成功ではあるが、エース鈴木のプライドが傷ついたのではないか。

5回裏 暑さと疲労からか、タイム中に松藤がマウンド上にしゃがみこむ。試合中では珍しいシーンだ。
私の隣席にいた、小倉監督より年長のOBは「けしからん!」とご立腹。この回は三者凡退に抑えた松藤だが、スタミナが心配。
5回が終了し、グラウンド整備で中断。拙ブログも文字が続いたので、ここで画像を挿入。
このとき明かさなかった、7月に三高グラウンドで行われた、享栄(愛知)との練習試合のスコアボード。


遠くからズームでこっそり撮ったもので画像はヒドイが、結果は享栄7-5三高であった。
この試合、内野陣は計5つのエラー。慣れ親しんだグラウンド、しかも夏大会直前にそりゃねえだろ。
5回コールドで負けた秋の久我山戦、打線が沈黙した春の早大学院戦、そしてこの享栄戦を生観戦したため、
今年のチームはどうしても強いとは思えず、決勝戦も正直、勝てる気がしなかった。

閑話休題、再び菅生戦の試合経過を。
6回表 試合再開直後、先頭の浅倉が二塁打、金澤死球、村上送りバントで一死二、三塁。
ここで川崎が、ファーストの横を抜けるタイムリーを放ち、同点となる。三2-2菅
川崎は享栄との練習試合で、満塁走者一掃のタイムリー二塁打を放っている。
夏の大会、チャンスに打った印象のなかった川崎だが、「いつかはやってくれる」と信じていたぞ。

ところで、打者が出塁した場合、塁上でタイムを申告し、手袋や脚のレガースなどをはずし、ベンチから来た控え部員に渡す。
この日の受け取り役は、背番号16の二宮だったが、このイニングの彼は、ランナーが出るたびに、
両手でガッツポーズを作り、ピョンピョンと飛び跳ねながら、塁上の打者へ駆け寄っていた。子供かよ(笑)。
次打者の寒川もヒットで続き、一死一、三塁とチャンスは続き、二宮が喜び跳ねる中、松藤に打順が回る。
代打かと思いきや、そのまま打席に立ち、3球目にスクイズ! しかも成功!
悪送球の間に一塁走者の寒川も一気に生還。三高、奇跡のスクイズで逆転。 三4-2菅
「奇跡のスクイズ」と、オーバーな表現をした理由はズバリ、21世紀の三高は、
勝敗のカギを握る大事な場面で、スクイズを成功させたことがなかったから、である。
小倉監督はそもそも、スクイズのサインは滅多に出さないのだが、
夏の甲子園では3度試み、3度とも失敗。普段やってないのに、大舞台でできるワケがない。
東京都の大会では、あと1点取ればコールド、の場面で2度成功させた記憶があるが、
失礼ながら相手は格下だし、たとえスクイズを失敗しても、点差から勝利はほぼ確定している。
とにかく、甲子園出場をかけた決勝戦で、同点の場面でスクイズを敢行し、成功させたのは快挙である。
また、その後の悪送球で、一塁走者の寒川まで生還したのは、嬉しい誤算だった。
というかあれは、三塁ストップと決めつけた、菅生守備陣の怠慢だろう。
この4点目は、普段三高がやりがちな守備のミスが菅生に出て、菅生がよくやる好走塁を、三高がやり返したことになる。
なおも、一死一塁の場面で、次打者の藤巻は、簡単に初球を打ちセカンドゴロ。一塁はセーフで走者が入れ替わる結果に。
藤巻のゴロは、一塁走者の松藤を休ませるために、あえて打ったような…それは考え過ぎか。

6回裏 先頭打者がセンターへ強烈なライナーを放つも、大川が背走しながらキャッチ。
一見好プレイだが、打った瞬間、前進した大川の判断ミスであり、三高得意の偽装ファインプレイである(苦笑)。
無論、この打球が抜けていたら、菅生が息を吹き返す可能性があり、貴重なアウトであった。
その後、松藤は明らかなボールを連発し、捕手からの返球もこぼす始末。四球を出すと、ベンチに向かって左手を挙げた。
4年前、中村奎太投手が試合中に腕をつり、同様の合図をベンチに送り、降板したことがあった。
同様の「代えてください」の意思表示かと思いきや、投手交代は告げられない。
マウンドに来た捕手との会話中、再びしゃがみ込む松藤。私の目には疲労困憊に映ったが、そのまま続投。
結局、後続を断ったが、あの左手の合図は「心配するな」の意味だったのだろうか。

7回表 3番からの好打順も、早々と二死。5番金澤も2球で追い込まれたが、しぶとくライト前に運んだ。
相手に流れが行きかねない、クリーンアップ三者凡退の危機を逃れ、安堵していたところ、
6番村上が、打った瞬間に入るとわかるツーランホームラン! 三6-2菅
先述の享栄戦で、村上は相手エース藤本からホームランを打っており、
夏大会の5試合では長打が見られなかったが、川崎と同様、いつかやってくれる、と期待していた。
勝利を手繰り寄せる一発に胸が熱くなったが、グッと歯を食いしばりガマン。泣くのはまだ早い(笑)。

7回裏 2番からの好打順も三者凡退。松藤、球威は落ちていたが、菅生打線が捉えられず。

8回表 菅生は11番の日當に投手交代。一死から藤巻が三塁打を放つも、後続倒れ無得点。
藤巻はこの日、4打数3安打。唯一のアウトは、さっき書いた「走者交代狙い」(?)のゴロだ。
一方、2番大川と3番富塚は、揃って5打数ノーヒット。4番浅倉も5打数1安打。さすがは菅生、主軸は封じていた。

8回裏 この回も淡泊な攻めで三者凡退。三高はどうやら、最後まで松藤に託す模様。
あと、ぜひ動画で確認してほしいのだが、この日の三高内野陣は、まともな一塁送球はごくわずか。
ワンバウンドしたり、高かったり低かったり、フワっとした山なりボールだったり(苦笑)。
初回以外は逸らさず捕球した、一塁手浅倉の好守備も勝因のひとつだ。

9回表 二死から村上ヒットも無得点。この日の村上は、本塁打を含む3安打に、四球、バントと大活躍。
三高はとうとう、最終回まで三者凡退がなく、相手にいい流れを渡さなかった

9回裏 一塁手は浅倉から元気者・二宮に交代。先頭打者のファーストゴロを、軽快な脚運びで捌く。
二死からヒットを打たれるも、最後はレフトフライを藤巻がつかみ、試合終了。
日大三、4年ぶりの西東京制覇!


7月31日 西東京大会決勝 対東海大菅生 (神宮球場)
三000004200→6
菅100100000→2


ここからは、画像を掲載していく。まずは優勝が決まり、マウンドに集まった三高メンバーたち。


試合後の両チーム挨拶。双方とも、嗚咽している選手がいた。


試合後の小倉監督インタビューと、


場内ビジョンに映し出された、寒川キャプテンのインタビュー。


音響が悪く、観客席にいた我々には、話した内容がサッパリ聞こえなかったが、
小倉監督が喜んでいたのと、寒川が感極まっているのはじゅうぶん伝わった。

その後は、お偉いさんのかったるいハナシ(当然撮影せず)や表彰式があり、


ベンチ入りメンバーの記念撮影。


そして、待望の小倉監督胴上げシーン…は撮影に失敗したので、


以前載せた、スポーツ報知からの「スクショで拝借」画像を再掲する。
  (C)スポーツ報知

三高の勝因については、さっきの試合リポートで赤字にした、
三者凡退がなくプレッシャーを与え続けたこと、普段やらないスクイズを成功させたことの他、
主軸の不振を補った下位打線の活躍や、松藤の粘り強い投球と、彼に託した小倉采配が挙げられる。
実際、安田や佐藤に交代していたら、逆転されていたかもしれない。小倉さんの我慢強さが功を奏した。

一方の菅生は、スクイズ後の無駄な4点目や、逆転されたあとの淡泊な攻めなど、らしくないプレイが目立った。
プロ注目の選手を擁し、練習試合とはいえ大阪桐蔭を破るなど、総合力は西東京ナンバー1だったはずだが、
失策や拙攻が目立ち、劣勢になるとそのまま巻き返せない、「三高の負けパターン」みたいな試合運びであった。

結論としては、三高の勝利は小倉野球の勝利だったといえる。
この日、球場にいた方ならおわかりだと思うが、観客の大半は三高寄りであった。
6回の攻撃では、球場全体が三高をあと押しし、逆転を喜んでいる雰囲気があった。
劣勢のチームに対する、判官びいきが巻き起こす大声援は、甲子園でもたまに見かけるが、
あのような瞬間最大風速に乗っかるようなものではなく、個々の観客が、純粋に三高を応援しているように感じられた。
三高には、話題になるような人気選手は不在だし、いくら菅生が強いとはいえ、三高だって同情されるほど弱くはない。
場内の観客が、自然に応援したくなるチームが日大三だったわけで、その理由は「小倉監督」しかないだろう。

全国には多くの野球強豪校があり、名将と呼ばれる監督も多数存在するが、
勝った時は朗らかに笑い、負けた時は選手と一緒に泣きじゃくる、そんな名将は小倉さんだけである。
そんな監督を慕うファンが、三高関係者以外にも大勢いるのを証明したのが、あの日の神宮球場であった。
試合終盤、菅生に覇気がなかったのは、場内のムードも影響したのかもしれない。
繰り返しになるが、今年の西東京大会は、小倉野球の勝利であった。

最後に、どうしても書いておきたかった、動画で発見したシーンを追記。
試合終了の瞬間、あふれる涙…ではなく、汗を拭くためタオルで顔を覆っていたので、直後の場面は見逃していた。
なので、マウンドに選手が集結する場面を、ネットの動画で再確認してみた。
この動画は、ぜひ皆さんにも観ていただきたい。「日大三 菅生 9回裏」で検索すればヒットするはず。

マウンドにもっとも早く到着した野手はやはり、常に元気ハツラツの一塁手・二宮。
松藤に駆け寄り、試合中のようにジャンプ…したのもつかの間、何かに気付き、画面の外へ走り出す。
駆けつける控えメンバーとすれ違い、向かったのは自軍のベンチ。
再び画面に現れた二宮は、足を引きずるように歩く背番号3の選手に右肩を貸し、仲間の元へ向かう。
マウンド上で二宮が見たのは、脚の負傷の影響か、ベンチから飛び出す際、足を引きずっていた浅倉の姿であり、
彼はそんな先輩と喜びを分かち合うべく、ベンチへ戻り肩を貸して、一緒に歓喜の輪へ戻ったのだ。
さっきの画像を拡大。背番号16の二宮が、右脇の浅倉の背中を押し、輪の中央に誘導している。


二宮…お前いいヤツだなあ…
この動画を視聴したとき、優勝した瞬間より泣いた。恥ずかしながら、この駄文を綴っている今も、思い出し泣きしている。
そんな「いいヤツ」二宮が、新チームのキャプテンに選出されたらしい。
彼が主将ならば、素晴らしいチームになるのは間違いないし、私も例年以上に期待している。
間もなく、秋季都大会の本戦が始まる。栄冠を目指し、頑張れ二宮、頑張れ三高!

※「日大三高野球部2023」につづく
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