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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

洗練された屋台ラーメン 高尾『しゅんやっちゃん』

2024年05月03日 | ラーメン、つけ麺など
まだ私が子供の頃は、ラーメンやおでんの屋台をよく見かけた。
国民的アニメ『サザエさん』でも、波平とマスオが屋台で仲良く飲んでいるシーンが、度々放映されていた。
ただ、近年は行政から、路上販売についての指導(というか圧力)が強化され、屋台の店舗はだいぶ減った模様。

私自身、屋台飲食の経験は少なく、新宿のおでん屋では、ふたりでビール4缶とおでん数個で5千円という不明朗会計をくらい、
ラーメン屋は過去に、中野、立川、八重洲の計3回食べたことがあるが、八重洲では些細なことで店主と揉めるなど、好印象はない。
唯一のいい思い出は、隣に座った地元のお姉さんと、楽しく飲み食いさせていただいた、福岡・長浜の屋台くらいか。
その屋台は、ラーメンだけでなく酒とおつまみも提供しており、私は餃子とビールと焼酎を注文した記憶がある。
同様の屋台が数軒並んでおり、縁日のような独特のムードがあったのだが、現在はほぼ廃業したと聞いた。さみしいなあ。

さほど思い入れはないが、屋台という文化が完全になくなってしまうのもさみしい。
そのような、無責任かつ中途半端な私の期待に応える、屋台の人気ラーメン店が高尾にあると知った。
お店の名前は『しゅんやっちゃん』で、営業時間は当然、夜間のみ。

※お店のインスタグラムから拝借

高尾にはちょうど、気になる飲食店がもう1軒あったので、そこで食事をしたあと、帰りに寄ってみた。
到着したのは、開店15分後だったが、早くも行列ができている。
私に気付いた店員さんが、列の最後尾に案内してくれたので、並ぶことにする。
店員さんは、調理担当、調理補助とお運び担当、客案内担当の3名体制。全員、若い男性だ。
客層も、同世代の男性客が大半だが、女性ふたり組や、お子さん連れの家族といった、屋台らしからぬ客もいたりする。
実は、さっき掲載した屋台前カウンターの他、パラソル付きのテーブル席も4つ隣接しているため、
昔の屋台ラーメン店のように、薄汚いおっさんと隣り合わせになることはないため、女性や子供も安心だ。
しばらくすると、薄汚いおっさん=私も、空いたテーブル席に案内された。
4人席だが、さすがに知らない者同士4人を一緒にはせず、あとから来たひとり客が、向かい側に相席となった。
こちらが、各テーブルに置いてあるメニュー。


右下には、「しゅんやっちゃんのラーメンは無添加、無化調!! 具材も全て手づくり!!!」と記されている。
こちらは、期間限定のトッピング。春菊や菜の花は、ラーメン店では珍しい。


注文したのは、もっともベーシックな「素ラーメン」600円。
だいたい2杯ずつぐらいのペースで調理をしているようで、やや待ったのち、素ラーメンが完成。

具材は玉ねぎのみとシンプルだが、麺が綺麗に揃った、美しい盛り付けである。

横アングルはこちら。丼のサイズは普通かな。


まずは、澄んだ清湯スープからすすってみると、う~む…これは今まで味わったことのないテイスト。
洋風っぽいし和風の要素もあるけど、もちろん中華風でもある、不思議なスープである。
お店インスタグラムに、仕込み段階の画像があったが↓、野菜など多彩な食材を使用する模様。


醤油、野菜、動物、魚介、いろんな旨味が混ざり合い、正直、私のバカ舌ではよくわからないが、ウマいのは間違いない!
しかも、刻んだというか、すりおろした状態に近い玉ねぎが、徐々にスープに溶け込み、さらに美味しくなった。
ネットでは「味が薄い」という感想も散見されたが、そんなことはなく、しっかり旨味が感じられる。
あと、食べログでは「八王子ラーメン」という意見が多いが、玉ねぎが入るからって、勝手に決めつけてはいけない。
とりあえず、私が食べたことのある八王子ラーメンは、醤油ベースでもっと単純なテイストである(失礼!)。
複雑かつ美味なスープに感動し、調子に乗ってすすったら、結構油も入るようで、喉と舌をヤケドした(苦笑)。

麺は加水率低めと思われる、やや硬めのストレート。後半、スープを吸って私好みの柔らかさになった。
別の飲食店からのハシゴだったが、麺はもちろん、スープも残す気にならず、全部飲んでしまった。
「屋台のラーメン」という物珍しさで訪問したのだが、味で満足できるとは、いい意味で期待を裏切られた。
会計時、厨房の店員さんたちに「美味しかったです、また来ます」と告げて退散。

数日後、初回はお客さんが多くて撮影できなかった、屋台やパラソル席を撮影するため、開店の1時間前に到着。


「コッペパン」のノボリが目立つが、同じ敷地内に、『いなこっぺ』というコッペパンを売るカフェがあり、
しゅんやっちゃんのオーナーは、いなこっぺのオーナーでもあるのだ。


夕方17時までは、パラソル席はいなこっぺのお客さん用に開放し、18時からはしゅんやっちゃん用になるようだ。
こちらがパラソル席。青い服の男性は、お店関係者かと思ったら、開店前に戻ってきたら列の最前列にいた。気合の入った客だ。


コッペパンの販売は、17時以降も続いているようで、しゅんやっちゃん営業時のテーブルにも、下記のチラシ(?)が置いてあった。


せっかくなので、私も夜食用に、ナポリタンと玉子を挟んだパンを購入(商品名は失念)し、テーブル席に置いて撮影。


イートインだと500円だが、持ち帰り価格は491円。帰宅し、封を開けた状態がこちら。


パンはバケットのような硬めの食感で、ずっしりお腹にたまるタイプ。


具材の玉子もナポリも美味しかった。


なお、しゅんやっちゃん営業中は、店舗だけでなく屋台の前でも、カゴに入ったコッペパンを数種売っていたが、
そちらはタイムサービスなのか、300円で販売していた。しまった、もう少し待てばよかった(笑)。

別の場所で時間を潰し、開店10分前に戻ってきたら、先述の青服を含め先客は6名。私の後ろにも、次々と客が並び始める。
開店時間になり、前から順に席へ案内されていく。7番目でひとり客の私は、8番目で同じくひとり客の若い男と相席に。
店員さんが注文を聞きに来ると、8番目が先にオーダーを告げる。これでは、あいつのラーメンが先に調理され、私のは後回しになってしまう…
と、心狭くムッとしていたところ、実際に先に届いたのは、私が頼んだラーメンであった。
私の方が先に並んでいたことを、店員さんがメモっていたのかもしれない。こういう気づかいって、うれしいよね。
この日の私の注文は、人気NO1らしい「チャーシューメン」950円に、「玉ねぎ」50円をさらに追加。


本当に一番人気なのかはさておき、具だくさんのチャーシューメンは、前回の素ラーメンよりだいぶ豪勢である。
4枚入った自家製チャーシューは、柔らかな仕上がりで薄口の味付け。メンマ、海苔、青菜などは特に印象ナシ。


また、前回気に入った刻み&おろし玉ねぎをダブルにしたところ、他の具材も多かったためか、
なんだかスープが冷めるのが早まった気がした。お陰でこの日は、ヤケドすることなく、スープをゴクゴクと飲み干せた。
スープの味や美しい盛り付けに感動した、初回ほどのインパクトはなかったが、高品質なラーメンであることは間違いない。

そしてつい先日、しゅんやっちゃんさんに3度目の訪問。19時台に到着したら、やはり行列。混んでない時間帯はないのかな。
少し待ってからパラソル席に案内される。調理作業を眺められる、屋台カウンター席にも座ってみたいね。
注文したのは、基本の「ラーメン」750円に「味玉」100円、さらに、他店では滅多に見かけない「春菊」100円も追加。


まずはスープをレンゲでひと口飲み、ウマさを再確認したのち、麺をすすっていく。
半熟の味玉は、外観の色合いと同様、薄口テイスト。チャーシューと同様、スープの邪魔をしないよう、過度な味付けは避けているのかな。


春菊はあまり好きではないが、身体にいいらしいので選択したところ、独特の苦みはあるけれど、ラーメンとの相性は悪くないかも。
あと、これは私だけかもしれないが、食べているのがラーメンではなく、すき焼きなどの鍋料理に感じてしまうのが面白い。
半分くらい食べたところで、前回は卓上になかった、おろしニンニク&ショウガを試してみることに。


上品なスープの味を壊さないよう、入れない方がいいのだろうが、私は上記の薬味2種が好きなのでね。
使ってみたところ、可もなく不可もなく、という印象だった。さっきのすき焼きと同様、家系ラーメンを食べてる気分になるし(苦笑)。
今回も気付けば、スープを残さず飲み切ってしまったが、健康食材・春菊の効能に期待しよう(←甘い!)。

こちらのラーメンを3回食べたが、やはりスープ自体を味わってほしいので、一番のおすすめは素ラーメンかも。
チャーシューメン愛好家であり、角煮ラーメン支持者でもある私が、具なしラーメンを推奨するのは珍しいよ。

かつての屋台ラーメンの印象を払拭するような、洗練されたラーメンを提供しているしゅんやっちゃんさん。
高尾で飲酒する機会は少ない私だが、ここのラーメンは、酔ったあとに食べるとウマいだろうねえ。
最後に、さっき掲載した屋台画像に貼ってあった、お店データを拡大して再掲載しておく。



屋台ラーメン しゅんやっちゃん
東京都八王子市初沢町1277-8
JR、京王線高尾駅から徒歩3分ちょい
営業時間 18時~23時
定休日 日、月、雨や雪など天気の悪い日
※詳細はお店のインスタグラム
※惣菜ベーカリー&カフェいなこっぺも、同じ敷地内
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