某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

戦時中の娯楽

2010-04-20 23:34:58 | ぼやき
 今朝の朝日新聞。投書欄に、第二次大戦中(昭和18年頃)香港では現地の女性たちが好みの髪型をし、水着でダンスを楽しんでいた、とあった。日本では「パーマネントは雀の巣」などと言われて好きな髪型もできず、社交ダンス場は閉鎖、ダンスなどという卑猥なものはもってのほか、前線の兵隊さんに申し訳ないと思え、と憲兵や迎合的なおじさん・おばさんたちが声高にわめいていた頃だ。香港でダンスを楽しんでいたのはイギリス人だろうか。
 ロンドンのコヴェント・ガーデンにあるロイヤル・オペラ・ハウスは第二次大戦中椅子が全部取り外されてダンス・ホールになっていた。男に代わって激しい労働に従事する女性たち、つかの間の休暇を楽しむ兵隊たちで毎夜にぎわったという。戦う活力は人間的な生き方ができて初めて生まれるというのだろう。ちなみに、戦後このオペラ・ハウスを修理・再開した立役者の一人は経済学者ケインズだ。
 ダンス駄目、落語駄目、流行歌駄目、恋愛映画駄目、と大衆娯楽一切を、米英かぶれで軟弱で非国民的として禁じ、ゆがんだ「修身の教科書」的生活を強要した「禁欲強制的」な日本とは大違いだ。そのくせ高級将校たちは軍の金で毎晩芸者を揚げて遊んでいた。芸者は「日本の伝統文化」だからいいのか。
 近頃また、あの迎合的なおじさん・おばさんが増えてきて、わめきだしているようだ。「沖縄だけに負担を押し付けてはいけない。日本人全部が日本の安全について責任ある考え方をしなければいけない」などと言うやからが増えているのもそのひとつだ。その真意は「政府にいわれたら、沖縄に代わって基地を引き受けなさい」ということでしかない。「お金もたんとついてきますよ、断ると補助金を減らされますよ」と飴と鞭も忘れない。そして、また、みんな騙されるのだろうな、結局。
 
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4 コメント

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帰国早々の大車輪 (近藤典彦)
2010-04-23 16:23:30
UKからお帰りになるまで、毎日このHPを訪れ、ご投稿がないので心配していました。英国旅行しておられたのかと安堵した途端毎日のようにすてきなエッセー。心底から楽しんでおります。
わたくしは鈍いくせに忙しくしております。25日の赤旗本紙にエッセー「啄木は龍馬の四代目」が載る予定です。ご笑覧ください。
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Unknown (Mac in uk)
2010-04-23 20:43:39
少し前になりますが、ご紹介いただいた近藤典彦先生のブログサイトをお訪ねし、僭越と思いながらコメントを書かせていただいたところ、大変ご丁寧なお返事のコメントをいただきました。素晴らしい研究をなさっていらっしゃる方ですね。
そんな方に、「私は上野さんのブログを読むと物知りになります。」と評される先生のブログ。

お邪魔する度納得し、私も、またひとつ賢くなります。
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ご心配をおかけしました (ブログ店主)
2010-04-25 15:15:36
 近藤先生コメント有難う。ご心配をおかけしました。ブログ当分お休み、と書けばよかったですね。「啄木は龍馬の四代目」今朝読みました。面白いですね。啄木が私の中で、田舎の独りよがりな青白き天才から骨太な思想家へと変わってきました。まえから、「啄木と多喜二」とか「蟹工船と一握の砂」といった講演を二人の専門家にしていただこうという企画を仲間に提起しています。まとまったら、またお願いします。
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Unknown (輝く次男)
2010-04-26 17:40:04
そのとおり、ぼやきまくりましよう。
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