2月26日にアイルランドで総選挙が行われた。日本ならその日の真夜中頃に開票が終わるくらいなのに、アイルランドでは今日(3月3日)やっと決着がついた。単記委譲式比例代表制のおかげだ。死票を出さない方式で、イギリス政府が少数者保護の為にアイルランドにやらせた(実験的に)選挙方式だが、アイルランドでは独立後もずっとこれでやっている。憲法で決まっているので、変えようとして国民投票をやったが否決されている。方式の解説は別の時にやろう。今日決まった結果は次の通り(少数政党カット)。
政党名 FG(統一党)FF(共和党)SF(シンフェィン)LB(労働党)無所属
2011年 76 20 14 37 10
2016年 50 44 23 7 22
前回は事実上史上初めてFFが第一党の座をFGに譲り、労働党にも敗れて第3党に転落した。原因は国家破産に近い不況と長年のFF支配がもたらした汚職腐敗に国民が反発したことだった。しかし、FGが労働党と組んでやっても、結局は緊縮財政しか手はない。それが5年も続けば国民は嫌になる。そうは言ってもFFにも期待は出来ない。だからFGは減りFFは増えたが、どちらも過半数には全然届かない。それに比べるとSFの増加は目覚ましい。北で活躍していたSFメンバーが南の議会に立候補するようになって多分5回目くらいだろう。始めは1議席だった。それが、党首のジェリーアダムスまで南の議員になって、前回は14人と大躍進し、今回はさらに増えて23議席。日本でいえば共産党並みの正論を恥ずかしげもなく堂々と主張する政党だ。北の自治政府にはSFは副首相をはじめ大臣としても参加しており、自治議会でも第二党で頑張っている。労働党が前回37議席なのに今回は7議席と5分の一に激減したのとは対照的だ。労働党よりSFの方が過激?なマルクス主義政党なのだが。(数字がずれていて申し訳ない。14, 37, 10 がSF, LB 無所属です。)
連立工作は難航のようですね。
FG,FFの大連合と言うのはありなんでしょうか?
内戦からの経緯を考えると、大して政策の違いが
無いようでも難しいのかも知れませんね。
水道の有料化が政権党側の誤算だったようにも
見えますが、本当の所はどうだったのでしょう。
ホームレスの急増、医療の整備、気候変動対策、更には既に影を落とし始めている難民問題や英国のEU離脱問題など、問題山積の中、好況とは言え、難しいことが多いですね。
それでも日本などより、人口構成など見ても明るい展望が開けそうですが。
21歳のシアーシャ・ローナンはオスカーを逃しましたが、世界的スターになりそうな感じですしね。
引き続き、ブログを楽しみに拝読させて頂きますので、
お元気で春をお迎えください。