某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

良い狼と悪い狼(日本の山に狼を住まわせることに賛成ですか)

2011-09-22 02:35:54 | ぼやき
 「送り狼」だの「男はみんな狼」だのと、狼は人間を襲う怖い動物と一般に思われている。もっとも、「漢字ではけもの偏に良と書くのだから、昔から良い動物とされているのだ」などという人もいるが、これは俗説。良いも悪いも人間を襲うか否かが基準だから、狼にとっては迷惑な分類だろう。
 狼を日本の山に育てようと一生懸命になっている団体がある。日本オオカミ協会。全国でまだ300人位しか会員がいないらしいが、えらくまじめな人々の集まり。彼ら(彼女ら)は次のように言う。
 今日本では鹿が増えすぎて、木を猛烈に食べて枯らしてしまう。そのために農民は莫大な損失をこうむっている。猟師は高齢化していて、鹿の数を適当に減らすことはもう出来なくなっている。鹿の為に木が育たず、森や林が消え、山の保水力がなくなり、山崩れが起こり、これまた農業を始め人間の生活を駄目にし、自然を荒れ放題にしてしまっている。何故鹿が増えるか。数を適当に調整する天敵つまり狼がいないからだ。何故日本に狼がいなくなったか。明治以後、ヨーロッパから「狼=怖いけだもの、悪、人間に害をなすもの」という見方が輸入され、定着し、狼を絶滅させたからだ。ヨーロッパでは、狼は羊を襲い、家畜を襲うから害獣であり、人間にとって悪い動物だが、日本では何の悪さもしていなかった。むしろオオカミ=大神とあがめられていたくらいだ。適当な数の狼がいることで、森に住む動物のバランスが保たれ、自然は荒れずに済む。いわば明治の底の浅い「文明開化」が日本の自然を壊す結果を招いたのだ。狼を輸入して日本の山深くに放ち、野生動物のバランスを回復し、豊かな自然を回復しよう。今では、ドイツでも狼を森に増やす運動が盛んになっている、これも自然保護・環境保全活動の一環だ、と。
 「赤ずきんちゃん」の話を幼稚園の時から聞いているから、狼=怖い動物という観念が日本のみんなの頭に植え付けられてしまっている。日本の山が荒れ、農民が大変な被害をこうむっているのは、実はグリム童話のためだった。責任をとってもらおうじゃないか。
 先日、大和市市民活動センター主催の「登録団体交流会」というのに出たら、この狼協会の方と一緒になり、「目からうろこ」の思いをした。彼等は今年ドイツから活動家を招聘して啓蒙宣伝活動をするという。協会員は少人数だからお金がかかって大変だろう。偉いものだ。
 はて、この運動に賛成したものか、どうか。皆さんはどう思われますか。
コメント (2)
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