某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

弱り目にたたり目―アイルランドの政党の話。 

2011-09-03 02:57:23 | ぼやき
 アイルランドの政治地図は想像以上に大きく変わりそうだ。
 アイルランドの「共和党」は結党以来80年余、常に第一党だった。それが今年2月の総選挙で大敗し(166議席中71席を占めていたのが僅か20席に減った)第三党に転落した。国を破産させた責任を取れ、と国民にそっぽを向かれたのだ。そのせいで今度は大統領選挙に候補者も立てられなくなった(今朝のアイリッシュ・タイムズによる)
 大統領選挙は今年の10月におこなわれる。アメリカで大統領選挙といえば2年前から候補者が話題になるが、アイルランドでは今になってもまだ候補者がきまらない。かなり「名誉職」的存在だから誰が大統領になってもあまり影響がないのだろう。そのかわり任期7年。さすがに3選は禁止。
 大統領を元首とする「共和国」的憲法が出来たのは1937年。大統領は国民の直接選挙。ややこしくなるから歴史的経過や選挙方法(単記委譲式比例代表制)は省くが、共和党はこれまで毎回候補をたて(政党相乗りもあったが)、大体勝利してきた。敗北したのは前大統領メアリ・ロビンソンの時1回だけ。ロビンソン夫人は労働党が支持母体だった。現大統領メアリ・マカリースは2期目を間もなく終えるわけだが、やはり共和党が支持政党だった。
 それが今度は候補者も立てられない。党首が口説いて立候補させようとした人はいるらしいが、成功しなかったらしい。全く落ち目だな。1990年以来3期女性の大統領が続いているから、男性は尻込みするのかもしれない。そういえば、マカリースの1期目の選挙のときも男の立候補者がいなかったため「男のメンツにかけて」と立候補した男性がいたが、開票とほぼ同時に落選ときまった。今度は、もう、そんなドン・キ・ホーテもいないのだろう。経済が左前になると男は元気をなくすのか?いや、そうとも言えない。アイルランドで女性大統領が続いたのは1990年以来だから、景気のいい時は全部女性大統領だったのだ。男は政治そっちのけで金儲けに専念してたのか?
 そういえば、共和党の評判が悪くなった原因の中には、首相を3期目の途中で辞任した党首アハーンの汚職疑惑や脱税疑惑など金に関する黒い噂もある。(しかし、奥さんと別居していて首相官邸には愛人と住んでいたことなどは殆どマイナス点にならなかった。日本でならすぐ辞職騒ぎになるだろうが。)
コメント
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