某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

アイルランドの大統領選挙に意外な候補者

2011-09-18 02:52:23 | ぼやき
 来月の大統領選挙に明日意外な人が立候補するらしい。マックギネス氏(61) 。北アイルランド自治議会の議員でロンドンのウエストミンスター議会の議員でもある。北アイルランド自治政府の副首相。シン・フェイン(党)のNo.2。No.1はジェリー・アダムス氏。
 彼はナショナリスト(北アイルランドをイギリスから分離独立させて、アイルランド島全島を「アイルランド国」にするという政治目標を掲げて活動する人々)で、共和主義者だ。ほぼ40年間暫定派IRAのリーダーで、軍事委員会のメンバーだと2005年には法務大臣に非難されたが、副首相になる前は教育相を務めていた(彼自身は初等教育しか受けていないが。)女王に忠誠を誓うことを拒否しているのでまだ一度もウエストミンスター議会の議席には着いていない。
 おそらく、若い頃は過激派で、途中から武器を捨てて政治活動に専念するようになったのであろう。シン・フェインの主だった人々は大半がそうなのだろうと思う。武力抗争では問題は解決しないことを身をもって知った人々だ。
 今回何故立候補するか、これは今年の総選挙による政治地図の大変化によるものだ。大統領選挙の立候補者になるには、国会議員20名の推薦が必要だ。シン・フェインは今年大躍進。下院で14議席獲得し、上院でも3名当選させた。したがって、あと3名推薦議員がいれば立候補出来る。既に無所属議員が一人推薦議員と名乗りを上げた。あと二人。非合法軍事組織の元戦士を誰が大統領候補に推薦するか、面白いことになってきた。日本で言えば、首相公選制が施行されて、共産党の誰かが立候補するようなものだろうか。
 一つ腑に落ちないことがある。マックギネス氏は、大統領に当選した暁には、産業の賃金をまとめて引き上げると言うのだが、アイルランドの大統領はかなり「象徴」的存在で、新しい法律に違憲性があるか否かを審査する委員会を開く権限はあるが、それ以外は内政外交ともに立法権はなく、また政策に関与する権限もない。マックギネス氏は大統領に政治的権限を持たせることを考えているのかもしれない。
コメント
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