某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

吹矢の不思議

2009-11-16 11:23:28 | スポーツ吹矢の練習
 スポーツ吹矢協会の「笑顔せたがや支部」に入会してもう一年たった。支部が出来たのは昨年11月。何も知らずに名前だけつらねたが、今では名誉ある創立会員の一人だ。自宅で練習をしたりサボったり。「筋肉は忘れん坊」と、あるバレリーナが言った。「一日弾かないと神様にわかり、二日弾かないと自分にわかり、三日弾かないと聴衆にわかる」とピアノの名人が言った。比べるのはおこがましいが、吹矢の練習をする時それを思い出す。本当は本業につぃてそう考えねばならぬのだが。
 的に当たった矢を見て不思議に思うことがある。最初の矢のあたりに、次からの矢が当たるのだ。中心からずれて当たるから、二本目からは狙いを修正して吹くのだが、大体同じところに行ってしまう。ただ、意地悪なことに、最初の矢が中心に命中したときは、二本目があらぬ方に吹っ飛んでいってしまうことが多い。
 つまり、最初外れると次の四本が皆「以下同文」になってしまうのだ。一本目が中心に当たった時も「以下同文」になるにはどうすればよいか。「当てたいと欲を出すうちはだめだよ」と多分T先生はおっしゃるだろう。禅でも修業するか。
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『宮本武蔵』と中学生

2009-11-16 10:46:14 | ぼやき
 憧れの中学に入学出来たのは良かったが、予定は大狂いだった。挫折に近い。入学試験の視力検査で、検査表の字が見えない!自分が近眼だと言うことを知らなかったのだ。これで、中学1年の時に陸軍の学校を受験する、と言う「中学進学の目的」が駄目になった。近眼では受験資格なしだ。授業が始まったら、先生が「小説は読んではいけない」と繰り返し注意した。戦地で兵隊さんがご苦労なさっているのに、内地でのうのうと小説など読んでいては罰が当たる、そんな暇があったら体を鍛えろ、という。これで『宮本武蔵』は読めなくなった。中学に行ったら『宮本武蔵』を読んで陸軍の学校に行く、と言う私の密かな二大目標は入ったとたんにオジャンになった。つまらない中学生生活が始まった。
 ところが、親しくなったk君にそのことをぼやくと、「その本は親父が持っているから貸してあげるよ」と言う。目から鱗だ。先生の言うことは絶対だったいい子の私の最初の反抗。他の級友にチクラレないよう、新聞紙で厳重に包んだ『宮本武蔵』をk君が一冊持ってくる。読んで返すと次の分冊。八冊全部読み終えるのに、一ヶ月くらいかかったろうか。スリル満点の本のやり取りだった。これに元気付けられたか、毎晩屋根に上って星を見た。何と視力が回復した!翌年二年になってから陸軍の学校を受験、幸いに合格したが、入校後まもなく敗戦。また挫折だ。
 結局私の中学生時代の目標は一応達成されたがむなしくなった。テレビで宮本武蔵のチャンバラがあると欠かさず見る。しかし、見ながら「違うなあ」とぼやく。最初の時のあの感激はもう二度と味わえないのだろう。
 
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