海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

ロケバスの窓から 上海

2015-11-23 | 遠い記憶-上海 オールドレンズ

 

 

 

 

電車やバスに乗ると窓の外の流れるような風景を見るのが好きだ。そこから見える風景はたえず変化し見ていて飽きない。普通の乗用車は車高が低いので無理だが、大型バスやロケバスなどの座席位置が高い車に乗るといつもの日常の風景が違って見える。

最近は遠回り+スローな旅をしているので、あえてバスを利用する事が多いのは、日常と違うハイアングルから風景を楽しむためという目的もある。上海には山がないので、延々と続く地平線が見え隠れするのが日本と違うところ。振り向けば山が見える国と何処を見ても地平線が広がっている国とでは、当然人の考え方も生き方も変わる。また、周りが海で囲まれた国と日本の県境のように隣国と接している国とでは更に物事の考え方が違ってくる。日本を外から見るのと内から見るのとでは大違いで、そろそろ日本人は外からも日本を見るという意識を持つべきだ。それは政治や経済やテロも含めすべての事に言える。どっちが良いかと言う事ではなく、世界には様々な生き方や考え方があるという事を認識すべきという意味。一言で言うと、比べる物があるからわかる事も多いという事ね。それと、最近はネットなども含め情報過多なので物事がわかっていると錯覚している人が多いが、体験を通さない理解は現実世界では何の役にも立たない。

 ☆画像は上海の高速道路上。ロケバスの窓ガラス越しでレンズ開放での撮影 Canon FD50mm f1.4+補正レンズ付アダプターを使用しているので、オリジナルのキヤノンレンズの描写では無い。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月の上海

2015-11-22 | 遠い記憶-上海 オールドレンズ

 

 

11月17日に日本から上海浦東空港に降りてからずっと天気がはっきりしない状態で、一雨ごとに冬らしくなってきた。すでに中国の北京など東北部ではPM2.5の影響で大気が相当悪いようだが、上海の大気は比較的まだ良い。街路樹の葉が落ちて建物が見えるようになった今は、本来写真を撮るには絶好の機会なのだが、なんだか意欲が湧かない。何事も慣れ過ぎると物が見えてこなくなるのはわかっているのだが、上海の街を歩いていてもときめかないのだ。

今上海で会社設立の準備中なのだが、名前がなかなか決まらない。英文字や数字は使えないので漢字表記のみとなるのだが、5種類以上の候補を用意しろと言われていて、決定権はこちら側になく登記を受け付ける担当者にあるのが不思議。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「中国人的性格」をやっと読み終えた

2015-11-21 | 写真日記

 

 

長い時間をかけて「中国人的性格」をやっと読み終えた。この本はアメリカ人宣教師アーサー・H.スミスが清朝末期に20年ほど中国に滞在して書いたもので、1890年に初版本が出版された。その後、中国も含め世界各国でも翻訳本が出版されたようだが、この本は今年の8月に最新訳本として日本で出版された。この本は友人からいただいた本なのだが、目次に目を通すと気になっているキーワードがずらりと並び、500ページ弱ある分厚い本でも本気で読もうという気にさせられる。

その目次を少しだけ羅列すると、面子・正確な時間の軽視・誤解の才能・婉曲表現の才能・知的混沌・無神経・公共精神の欠如・思いやりの欠如・相互不信・誠実さの欠如などと自分が普段から気になっていた単語が目次にずらりと並んでいた。

もちろん、100年以上も前に書かれた内容なのとすべての人が当てはまる訳ではないが、中国人と付き合って理解不能な謎が解けた部分もあれば、まだ理解不能な事もあり本が付箋だらけになってしまったので、再度拾い読む読むつもり。何というか、100年以上経過した今でも中国人はあまり変わってないという事だけはよくわかった。

巻末に魯迅もこの本を読み影響を受けたような事が書かれていたのは納得。中国と中国人を知るうえで「中国人的性格」中央公論新社刊はお勧め本ですよ。

 

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長崎の波佐見町で思った事

2015-11-20 | 遠い記憶-日本-オールドレンズ

 さすが焼物の街らしく陶器を貼り付けた壁がとても美しい。

 

おそらくコバルトを使った色だろうが、このブルーは私の好きな色の一つ 

 

陶器供養

 

昨年から今年に入って九州には4回ほど旅をしたが、何処も県庁所在地からちょっと離れると寂れているとしか言いようがないのと、老人ばかりが目につく。

私が20歳代の頃、約一ヶ月かけてスペインをレンタカーで一周した事があり、ガイドブックにも乗ってないような小さな街にも行った事がある。それらの村は日本の地方と同じく人が少なく寂れていたのだが、観光客を呼び込む為に村ごとにテーマがあり規則があった。ある村は家の外壁を白に塗り窓枠は緑に統一するのが決まりだったり、各家庭は窓辺に必ず花を飾る事が決まりになっていたりと村や町ぐるみで観光客を呼びこむ為に努力していた事を思い出す。

上の画像は陶器供養の為に使わなくなった波佐見焼の器を投げて割っている場面なのだが、毎年使わなくなったり売れ残った器を陶器供養として割るだけではもったいない。例えばスペインの例のように、波佐見町の家の一部はこれら陶器供養で割れた破片で壁を作る決まりにするとか、公共施設の壁は割れた波佐見焼の陶器を寄せ集めてモザイクアートにする決まりを作るなんて想像しただけでもとても素晴らしい町になると思うし、陶器の町を世界中にアピール出来るのではないかと博多行きの電車内で思った。

仮にそうなれば今はネット社会なので、黙っていても世界中に評判は広がり波佐見に住みたい人や観光客が自然と集まってくる町に大変身すると思うのだが・・・。この日、みどり号博多行きの車窓から日本の自然風景を眺めながら、ガウディのグエル公園を思い出してしまった。

Summilux50mm f1.4  α7Ⅱ

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

上海から長崎の波佐見町へ

2015-11-19 | 遠い記憶-日本-オールドレンズ

久しぶりにブログ更新。

今回はipadだけを持って日本に帰国したのだが、やっぱり相当不便を感じ相当反省した。

10/31に上海から佐賀空港に降りJRで有田駅まで行きタクシーで長崎県の波佐見町へ。今回の旅は大学時代の同級生に会う事と、外国人の団体旅行客に出会わない静かな旅が目的だったのだが、読みは大当たりで静かな日本を満喫出来た。波佐見に着いた夜、地元でも有名な陶芸作家になっていた同級生と数十年ぶりに会いお互いにオヤジ顔を確認し地元の寿司屋で一杯。

今の日本では有田焼や伊万里焼の方が有名になり波佐見焼と聞いても知らない人の方が多いが、大昔は「くらわんか碗」や幕末の頃に醤油を入れた「コンプラ瓶」が輸出され有名だった。また、前世紀後半の磁器製品のシェアは日本でトップクラスだった。

 

 はさみ炎まつり

翌日の11月1日は「はさみ炎まつり」が、やきもの公園で開催された日だった。ここで毎年開催されている「めし碗グランプリ」の表彰式もこの日に行なわれるのだ。

 

 好きな陶器をその場で買って自分で洗い、出店で料理を選び一杯やるのは最高

 

やきもの公園内にある登窯

 

趣味で陶芸をやっている人達の窯出し

 

窯から出したてなのでまだ温かい

 

体験ろくろ

 

今回は佐賀の有田駅で下車し有田の街並みを散策し美術館へも行ったのだが、外国人旅行客は中国人の三人連れ一組に会っただけで恐ろしほど街は静か。毎年春に開催される有田の陶器市も良いのだろうが、地元の人に聞くと車の大渋滞で道路が駐車場状態になるので気をつけた方が良いとの事。本当に陶器が好きであれば、そんな上海状態のような時期は外して、静かに伊万里・有田・波佐見を回り温泉で一杯の旅の方が数倍価値がある旅になると私は思っている。

☆波佐見町は有田駅からタクシーで約10分くらいで行く事が出来る。

Summilux50mm f1.4  α7Ⅱ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする