社会空間研究所 建築・まちづくり通信

社会空間研究所の所員が建築・まちづくりに関する情報等を気ままに綴ったブログです。
2007年6月からスタートしました。

建築家「坂茂(ばんしげる)」さんはえらいのだ!!

2009-07-11 13:14:13 | 建築
■7月11日(土)

静岡のアルミサッシ会社「SUS(株)」が発行する
雑誌「ecoms」27号に坂茂さんのインタビュー記事が
掲載されていた。

この中で、坂さんがなぜ災害被災者のために世界を駆け回る建築家になったのかが書かれてました。

ちなみに、
コンテナでつくった「ノマディック美術館」
紙管でつくった「鷹取教会」
等は坂さんの作品です。
また、昨年は地震で大きな被害を受けた中国四川省に学校を建てました。

以下、「ecoms」のインタビュー記事の一部を抜粋したものです。
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<市民の役に立つ建築をつくりたい>
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海外で建築の勉強をして日本に帰り、日本では建築家が
あまり尊敬されていないのに気がつきました。
それに対して欧米では、建築家は医者や弁護士と同じように扱われます。

しかし、建築家の社会への貢献度は、医者や弁護士ほど高くないと思います。
被災地や災害地の医療に携わるお医者さんは多いですし、
人種差別や社会的弱者のために無償で活動する弁護士さんもいます。

それに対して建築家は、歴史的に見ても、
社会一般のためと言うよりは特権階級のために
仕事をしてきました。
王様や宗教団体、あるいは貴族。
このために数々のすばらしいモニュメントもできたわけなので
非難するつもりはありません。
自分にもそういった建築をつくってみたい気持があります。

しかし、一方で市民の役に立つ建築ができないかと
ずっと思っていました。

1986年から開発を進めている紙管を建築の構造材として使う、
いわゆる「紙の建築」が、組み立て・解体が用意で、災害時に有効である
と気がつきました。

そうした中、1994年ルワンダで紛争が起こり、200万人以上の難民がでる事態が勃発しました。たまたま、写真を目にしたのですが、雨期のため多くの難民が毛布にくるまって寒さで震えているのです。
国連から与えられたシェルターは粗末なもので暖をとれるようなものではありません。これではいくら医療活動をしても意味がないと思いました。
そこで、国連難民弁務官事務所のジュネーブ本部に行って、紙管のシェルターを提案し、コンサルタントとして雇ってもらい、本格的な紙管の開発が始まりました。

そして、翌年には阪神淡路大震災が起こり、鷹取教会の神父との出会いなどを通していろいろな活動をするようになります。
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