鎌倉市植木に鎮座する「陽谷山龍寶寺」の境内に国の重要文化財の古民家「旧石井家住宅」が保存されている。当住宅は江戸時代には名主であった石井家のもので江戸時代初期(17世紀末)の古民家である。関谷の石井家は後北條時代の地侍から発したと伝えられる旧家で近世はこの地の名主を勤めてきたと。石井家ではこの民家が古くなり建て直すため取り壊わされるの報に当寺の住職が惜しみ昭和44年に移築。家の脇には足で踏んで打つ「踏柄臼」が保存されている。茅葺き、寄せ棟造りの屋根で家屋内は江戸時代初期頃の民家の建築特徴を有するこの住宅は桁行七間半、梁間五間の規模をもった農家で「四方下家造り」の構造となっている。平面は「広間」の奥に「でい」と「へや」が配される「三間取り」である。内部に入るとかなり広いように感じられる。(1609)














