相模原市南区磯部に滋賀県の「日吉大社」を総本社とし、江戸時代は「山王権現」と称していた「日枝大神」は鎮座している。創建年代等は不詳であるが延文元年(1356)以前より下磯部四ツ谷地区の鎮守であった。「磯部御嶽神社」の先に構えられた「石鳥居」のすぐ前方に小さな「社殿」がある。社殿の左には「稲荷社」がある。社殿は文久元年(1861)、慶応元年(1865)、更に明治39年に修理、大正15年に改築し屋根の草葺を亜鉛板葺と数回再建改築を繰り返している。昭和53年に幟、幟棹を新調し、同年に社殿屋根の葺替を行う。旧磯部村には2つの「日枝大神」があるが、この日枝大神は四ツ谷講中によって祀られている。社殿の右後方に聳える大きな「椋の木」は市の保存木に指定されている。4月には磯部東地区の日枝神社・磯部四ツ谷地区の日枝大神に於いて「春の例祭=山王祭」が斎行される。(2211)
座間市緑ヶ丘に冬は「梅」、春は「桜」、「芝桜」、コブシ、ロドレイワ、タイサンボク、秋には「彼岸花」と「紅葉」と四季の花々で彩られることから「座間八景」にも選ばれている「かにが沢公園」はある。かつて深い谷を流れる沢に「さわ蟹」が多く群れていたという立地でその谷の木々を残して多目的広場、芝生広場、中央広場、子ども広場を整備した。当園には数百本の樹木が植栽されてとくに東側斜面には「桜」や「楓」の並木となった舗道が延びている。その半分ほどのモミジ、コブシ、カエデに広葉樹がそれぞれのオリジナルカラーで紅く、黄く紅葉のグラデーションを描いている。(2212)
海老名上今泉の豊かな美しい樹木に囲まれた一画に愛甲郡玉川村七沢「広沢寺」の末寺、曹洞宗寺院「金龍山常泉院」は鎮座している。創建(伝)不詳だが天文19年(1550)中興。以前は「今泉山福泉寺」と称した。本尊は室町時代初期の造立といわれている木造虚空菩薩坐像である。小田急線座間駅と海老名駅の中ほど「秋葉山古墳群」の近くに「山門」が構えられている。山門手前に「えびなむかしばなし」の中にも記されている「常泉院の三日月井戸」がある。常泉院の寺号はこの泉に因んでいる。またこの井戸は「弘法大師」が相模国巡錫の旅の途中この地を訪れた際、水不足・水飢饉に苦しむ村人を救うため持っていた杖で地面を叩くとそこから泉が湧き出たことに由来し「弘法様の井戸」とも呼ばれている。昔、この付近の民家には井戸がないところが多く、太平洋戦争前ぐらいまではこの泉の水を使っていた。大きい桜の木がある「寺号標」から続く「山門」より入山すると境内正面に大きな入り母屋造りの「本堂」、右に「庫裏」がある。本堂前には立派な「宝篋印塔」が建ち、横には「白衣聖観音像」が祀られている。江戸時代、相模原市の上溝と下溝、海老名市今泉も所領していた「青山忠俊」に由来している伝えがある。道路脇の敷地に大山不動の道標と双体道祖神が祀られている。(2212)