今日のしんぶん赤旗には、森崎あゆみさんの写真ともに、メッセージが載っています。森崎さんは、テレビ番組「相棒」にもでたことのある俳優です。ところが、森崎さんの写真の説明には、「一般社団法人日本芸能従事者協会代表理事」の肩書が書いてありました。内容を紹介します。
快適に働ける芸能界をつくりたい
ハラスメント救済要請
今年施行されるフリーランス新法には「ハラスメント行為に係る相談対応等必要うな整備等の措置を講じなけらばならないものとする」あります。昨年から文化庁でハラスメント防止のための研修等に使える助成金がありました。
これまでのフリーランスのハラスメント防止対策は、雇う側の義務とされなかっため、94・6%が個人事業主の文化芸術分野で働く人々は、自腹を切って講師を依頼して、セミナーを実施するしかありませんでした。それでも切羽つまった状況で、私たちの協会に講師を依頼してくる団体はあとを絶ちませんでした。
こころの119
2年前のコロナ過、6名の著名なお笑い芸人やミュージカル俳優などの自殺報道がありました。アンケートの相談窓口を利用した人が4・1%しかいませんでした。理由は公的な相談窓口に行っても会社に雇用された労働者以外は門前払いをされてしまうからです。カウンセリングを受けている人も約1割で、適切な精神医療を受けているとはいえません。そこで私たちは寄付を出し合い、臨床心理士による相談窓口を開設しました。それが「芸能従事者119」です。
昨年は芸能関係者のハラスメント訴訟が散見されました。BBCが放送した旧ジャニーズ事務所で起きていた性加害に数十年に及ぶ加害者が声をあげ、宝塚歌劇団で自殺された劇団員の遺族は過重労働とハラスメントがあったと指摘した、まさに日本で#MeTooが沸き起こった1年でした。
勇気無駄にせず
芸能業界には7次まで数えられる重層下請構造があります。そのどこにもほとんどがフリーランスの俳優やスタッフへの安全衛生管理者がいません。この問題解決のため民放(日本民間連盟)に、テレビ業界で働くすべての人が利用できるハラスメントの通報窓口を設置し、抜本的な救済システムを構築するよう要請しました。
声を上げた人々の勇気が無駄にならないように、芸能界で働く全ての人が快適で気持ちよく働ける未来をつくりたいと思います。