3月29日の東京新聞・本音のコラム欄は、元文科事務次官の前川喜平氏が「お肉券では家賃は払えない」と題した文のなかで、自民党の「コロナ救済策」を皮肉っている。紹介したい。
お肉券では家賃は払えない
前川喜平
新型コロナウイルス感染症の拡大で、たくさんの人が収入の途を絶たれている。非正規労働者の雇い止めが続々と起きている。音楽、演劇などのフリーランスで働く人たちの仕事がなくなっている。
観光関連業界などで次々に中小企業の廃業や倒産がおきている。今月の家賃が払えない、明日の食費が払えないという人たちが増えるだろう。
安倍政権が今から策定する緊急経済対策では、外食や観光に使途を限定した期限付の商品券を発行・配布する案が検討されているという。
これらの業界が苦境にあるのは事実だ。しかし、外出の自粛を要請する一方で、外食や観光を促進するのは明らかに矛盾だ。
自民党の農林部会では国産牛と交換できる「お肉券」をまとめたという。水産部会では魚介類を対象とした「お魚券」だという。豚肉や鶏肉はどうするのだろう。
麻生大臣は記者会見で、現金給付より商品券の方が望ましいとし、「現金給付が貯金に回らない保証は?」「商品券は貯金にいかない」「みんな銀行にお金が余っているじゃん」「そのお金が回らないのが問題」などと発言した。
銀行に一円もお金がない人はたくさんいる。この人はそれを知らないのだろうか。「お肉券」で家賃は払えないのだ。
(現代教育行政研究会代表)
お肉券では家賃は払えない
前川喜平
新型コロナウイルス感染症の拡大で、たくさんの人が収入の途を絶たれている。非正規労働者の雇い止めが続々と起きている。音楽、演劇などのフリーランスで働く人たちの仕事がなくなっている。
観光関連業界などで次々に中小企業の廃業や倒産がおきている。今月の家賃が払えない、明日の食費が払えないという人たちが増えるだろう。
安倍政権が今から策定する緊急経済対策では、外食や観光に使途を限定した期限付の商品券を発行・配布する案が検討されているという。
これらの業界が苦境にあるのは事実だ。しかし、外出の自粛を要請する一方で、外食や観光を促進するのは明らかに矛盾だ。
自民党の農林部会では国産牛と交換できる「お肉券」をまとめたという。水産部会では魚介類を対象とした「お魚券」だという。豚肉や鶏肉はどうするのだろう。
麻生大臣は記者会見で、現金給付より商品券の方が望ましいとし、「現金給付が貯金に回らない保証は?」「商品券は貯金にいかない」「みんな銀行にお金が余っているじゃん」「そのお金が回らないのが問題」などと発言した。
銀行に一円もお金がない人はたくさんいる。この人はそれを知らないのだろうか。「お肉券」で家賃は払えないのだ。
(現代教育行政研究会代表)